電子の蝶編 そのにっ!
秋の風が吹く・・・街並みを歩く私はふと、足を止め景色を見渡した。この間まで夏だったのに随分と様変わりしたものだ。少し肌寒い風が吹いて、どことなく私の心をさみしくさせる・・・まぁ、去年まではね!!
「こと~~しは~~わた~~しは~~~か~~ちぐ~~~み~~~♪」訳の分からない歌を歌いながら私は事務所の前についた。
ふふん!白うささんの大好きな限定クリームパンです!これを2人で食べれば・・・それでほっぺについてますよって私が口で・・いや、口は恥ずかしいから・・指かなぁ・・・うーん・・・
私がうーんと唸ってるといつの間にか事務所の前の扉についた。
事務所もちょっとした秋仕様になっていて扉の前には白うささんが拾ってきたどんぐりやらまつぼっくりやらで無駄に秋らしさと可愛さを演出している。
私は元気な声で事務所のドアを開ける。
「白うささーん!限定クリームパン手に入ったんですよ!一緒に食べませんか?」私はわくわくした。白うささんはどんな反応をするだろう?抱き着いてくるのか、それともぴょんぴょん跳ねてくるのか・・・そんな私の淡い期待はすぐ打ち破られるものとなった。
「だーーーかーーーらーーーボクが白うさなんでーーーすーーー!」白いうさ耳帽子、秋仕様か赤いチェックにちょっと長めの黒いズボン。私の可愛い可愛い所長さんなのだが、どうにも取り込んでいるようだ。
「何を言ってるんですか!私の知ってる白野って人はもっと大人っぽい感じなんです!きっともうおじいさんかもしれないけど、ネット情報みたんです!舐めないでください!」声はするが姿は見えない。
「ど、どうしたんですか?白うささん?だ、だれもいませんよね?」
私が焦りながら白うささんの方に歩み寄る。するとどうやら白うささんはパソコンに向かって話してるようだった。
「あっ、桜さん言ってやってくださいです!ボクが白野白兎なのに、こんな子供には用はないっていうんですよ!失礼なのです!心外なのです!」白うささんは顔を真っ赤にして怒っていた。
私がパソコンの中を確認すると・・・あらまぁ、可愛い小さな女の子が映っていた。
「いーえ!あなたみたいなちんちくりんが白野さんなわけあーりーまーせーん!ていうか私の時間の残りすくないんです!早くしてくれません?」画面の少女も顔を真っ赤にしながら怒ってる。
慌てて、私は2人?いや、1人と1機の間に入った。
私は白うささんを膝の上に乗せ限定クリームパンを口に放り込むと満足したのか私の膝の上でもぐもぐしてる。
私は画面の中の少女に問いかける。
「ごめんなさい。私は理奈瀬といいます。こちらがここの白うささんこと白野白兎さんです。あなたの言う白野さんとは違うかもしれませんが、あなたの事を教えてくれませんか?」少女も私が入った事で少し余裕がでたのか話し始めた。
「私の名前はシズ、電子の蝶って言えばわかる?」電子の蝶…?はて、何処かで聞いたような…私は登録されているデータベースを見ようとしたら、彼女がもうだしていた。
「はいっ、これ! 私の力はこんなものよっ!」画面の中の彼女はすごいだろといいたげなように胸を張る。…えっと、どれどれ…えっ…もう100歳超えてるじゃないですか!それで政府の機関にって…?え?でも目の前の女の子は?
「あぁ、私はアバダーみたいなものなのよ。静江がサーバーでね。私は静江の一部みたいなものだから若いのよ。」す、すごい異能もあったものだ…
「そ、それでどのようなご用件で?」私がシズさんに尋ねるとシズエさんの表情が変わった。
「助けてほしいの…静江を 彼女は長くないの…だから、最後に白兎さんに会わせてあげたいの。」
なるほど…そういうことか…そして彼女は続けざまに言った。
「依頼よ!依頼! ここは職業安定所なんでしょ?なら静江の最後の終活に力を貸しなさいよ!!」
あれ?就活だよな?なんか別の意味に聞こえるような。
こうして、電子の蝶の媒体シズと我らが白うささんの蝶野静江さんの就活?をすることとなった。
3話につづく




