第一話「毒乙女ちゃん編」エピローグ
白うささんは茨さんの手を引いて会社の前まで来た。すると白うささんはポケットから目隠しを取り出し茨さんにつけている。
「あ、あのっ白うささんこれは・・・なんですか?」茨さんの困惑した声が聞こえる。白うささんはふふんと声を出すと。
「見てみてからのお楽しみなのです。貴方に最高の景色を見せるですよ」
白うささんはそういうと茨さんが転ばないように入り口まで手を引いていく・・・なんかうらやましい・・・
そして、茨さんの仕事場となる部屋の前に立った。茨さんは喜ぶだろうか?でも、きっと・・・きっといい仕事ができるだろう。それが私たちの仕事なのだから。
白うささんから目隠しをされて、部屋の前までついたことを伝えられた。緊張する。一体どんな人が待ってるのだろう?怖い人じゃなければいいけど。
ガチャと扉を開ける音がする。そして冷たい冷たい私の心を冷やす風が吹く。
あぁ・・・やっぱり、こういう場所なんだな 私の異能じゃ仕方のない事なのかもしれないけど。私は少し残念な気持ちになりながら、目隠しをとっていいと言われたので目隠しを取った。
そこに広がってたのは・・・・今まで見たことのない景色だった。
綺麗な、色鉛筆や様々な機材が準備された机。作品のアイディアのためだろう様々な絵本や風景画が置かれた本棚。ちょっと休憩するのによさそうなベット・・・まるでおとぎ話のお姫様のような素敵な、素敵な部屋だった。そして何より・・・・
「お・・・おとう・・さ・・・ん?」私の目の前には・・・もう会えないと思ってた、私のたった一人の味方だった父親がいた。
「お父さん!!お父さん!!」私は声を張り上げる。目からは涙がこぼれる。お父さんお父さんだ・・・
お父さんは昔と変わらない笑顔で「ようこそ、わが社へ歓迎させてもらいます。茨さん」一言そういった。そしてお父さんは近づいてきて私を抱きしめる。
「ごめん・・・ごめんな・・・茨 茨を置いていってしまって。寂しかっただろう。ごめん・・・ごめんな」お父さんはただ謝り続けた。
いけない・・私に触ったらまたお父さんが・・・私は振りほどこうとしたがお父さんは離さない。
「おとう・・・さん・・・離して・・・また不幸にしちゃう・・・」私はなんとか離してもらおうとしたが、それでも父は強く今までの時間を埋めるように私を抱きしめた。
「離すものか・・・茨になら殺されてもいい。あの時逃げてしまった。おいて行ってしまった。許してくれとは言わない。ただ、こうさせてくれ」
「おとう・・さんごめんなさい・・・ごめんなさい」やっと・・・やっと・・お父さんに・・・謝れたんだ・・・やっと、会えたんだ・・・
「白うささん?大丈夫なんですか?」慌てて、2人を止めようと向かったが、白うささんは私の前に手をだすとぴょこぴょこと茨親子に近づくそして、茨パパの背中にちょんと手を乗せ、私のほうに向かってニコっと笑うとしーっと指をだしていた。
こうして毒乙女の物語は終わりをつげ、園ノ茨という少女の物語は始まった。
それから3か月過ぎた・・・
昔・・・昔・・・あるところに茨のお姫様がいました。茨のお姫様はいつも離れのお城でひとりぼっち、悪い魔女から魔法をかけられ触ると人に茨が巻き付く呪いをかけられたのでした。
それを恐れた王妃は茨のお姫様を塔の離れに閉じ込めてしまいました。
来る日も来る日もお姫様は塔の離れで一人・・・ずっとずっと独りぼっち。
寂しい寂しいお姫様。
ある時一匹の白い兎が茨のお姫様の前を通りました。
「貴方はどうしてそこにいるのですか?」白兎は訪ねます。
「兎さん私は呪いをかけられてるのです。だからここから出れないんです」
「どうして出れないのですか?」白兎は不思議そうに尋ねます。
「お母様が私が触るとそれは茨に包まれるから危ないというのです。」
「なら、僕と一緒に外に出ましょう。」白兎は茨のお姫様の手を取ります。
不思議なことに白い兎さんには茨は巻き付きませんでした。
「ボクと一緒に世界を見て回りましょう。ボクは魔法使い。白い兎の魔法使い」白い兎さんは茨のお姫様の手を引いて空へと飛びあがります。
こうしていつも一人ぼっちのお姫様に友達ができました。
お姫様はもう寂しくありません。白兎と一緒に世界を見て回るのです。これからずっとずっと手を繋ぎながら。
~END~
「はぁー面白かったのです。この兎さん可愛いのです。べすとおぶ白うさ賞をあげたいくらいなのです。」白うささんが笑顔で絵本を閉じた。
なんだべすとおぶ白うさ賞って・・・なんか可愛いじゃないか。
そう思いつつ私はソファーに座っているお客さんにお茶をだす。
眼鏡をかけ髪は綺麗に整えられ。まだ垢の抜けてない少女・・・
「はい、喜んでいただけて良かったです!今度アニメ化もするので是非みてください!!」茨ちゃんだった・・・ていうか、アニメ化ってあなたまだ3か月しかたってないのに早すぎるでしょ・・・
あれから、茨さんは絵本作家としてデビューを果たした。最初の作品「茨姫と白兎」が独特の絵のセンスと可愛い兎の絵が大ヒットしたらしい。
そして、彼女に不思議なことが起こった。
毒乙女・・・なんとオート発動ができるようになったらしい。白うささんに私も訪ねてみたが、てへっと笑顔で笑うだけで真相は謎のままである。
「白うささんのおかげです!今度お母さんとお父さんと3人でご飯を食べに行くことになったんです!・・・お母さんはすっごいイヤな顔をしてましたけど・・・」たはは・・と茨さんは頭を掻いていた。
「でも、私のせいで失った時間です。私が取り戻したいんです!」前とは嘘みたいに見違えた・・・強くなった茨さん。
「それはいい事なのです。これから貴方は幸せになってくださいです」白うささんは笑顔でぴょんぴょん飛び跳ねていた。
「あっ、次の絵本もよかったら・・・ほしいのです・・・」ちょっと恥ずかしそうに上目使いで茨さんにお願いしていた。これで天然なんだから世の中おかしい。
「はいっ!!お任せください!!白うささんの為にいろいろシリーズ化も考えているんです!!今度のアニメ化も白うささんに声優をやってもらおうとこうしてきたのですから!!」あれ?毒乙女鼻血だしてない?なんか病気か?病気なのか?
こうして、時間が過ぎ茨さんは帰ります!というと私の方にこっそり近づいてきた。
「あの・・・桜さん?白うささんって彼女とかガールフレンドはいるんでしょうか・・・?」ライバルが1人増えた。
「い、いないと思うけどなぁ・・あははは」私は苦笑いで茨さんの質問に答える。
茨さんは笑顔になると「ありがとうございますっ!私頑張りますっ!」というと白うささんの頭を撫で帰っていった。人って変わるものだなぁ・・・取りあえず彼女はもう出禁でいいよね うん
こうして私と白うささんの初めてのお仕事は幕を閉じた。
秋が迫る・・・・そして、今にも崩れ落ちそうな蝶が舞い降りるのだった。
第二話「電子の蝶編」に続く。
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「アレの状態はどうだ・・・?」
「はい、良好です。一時危険な状態もありましたが今は安定しております」
「そうか・・・絶対に殺すなよ?原初の項に取り込むまでは・・・終焉の項も、もうすぐ手にはいる。そうすれば・・・」
「はい、わかっております。電子の蝶・・・絶対にそれまで生かしますとも」
「あぁ、頼んだぞ」
お疲れ様でした。茨ちゃん幸せにしてやったからなんかうちに貢物を・・・あっ、やめて毒乙女使わないで死ぬから!死ぬから!
さて、次の話なのですが一週間ほど休息をいただいて話の構成を考えてから出したいと思いますので、お付き合いしていただける方はまた引き続きよろしくお願いします!
第2話は電子の蝶です!
ヒロイン?婆さんしかいねーよ!・・・あっ、まだこれ言っちゃダメなやつだった。
それでは次回もお楽しみください。




