第13話 未来の正解を見ないで、会社の初仕事を取ってみた
未来掲示板に書かれていた《アーク・フロンティア初売上》の記事を閉じた翌朝、俺は旧東都ロジスティクス八王子センターの事務所で、真っ白な見積書と三十分ほど睨み合っていた。
未来を見れば、契約する会社も分かる。何月何日に最初の売上が立ったのかも、昨日の記事には載っていた。おそらく検索を続ければ、当時どんな契約を結んだのかまで断片的には拾えるだろう。
けれど、そこまで見てしまったら、昨日わざわざ久世真琴から叩き込まれたことが全部無駄になる。
「原価、人件費、倉庫使用料、車両費、保険……そこへ利益を乗せる。文字にすると簡単なんだけどな」
「さっきから同じセルを十一回くらい直してますよ」
向かいの机から声がして顔を上げると、瀬尾拓海がノートパソコン越しにこちらを見ていた。
夜間警備員だったはずの男が、今は倉庫に積む予定の荷物を想定して、入庫から保管、出庫までの動線表を作っている。正式に入社したわけでもないのに妙に仕事が早いのは、十年後に《千眼》と呼ばれ、アーク・フロンティアの情報部門を統括する男だから――ではない。
今のこいつが、もう十分に優秀なのだ。
「見えてました?」
「数字じゃなくて佐伯さんの顔を見てました。八回目くらいから、これ絶対またやってるなと思って」
「瀬尾まで俺の顔を読むようになってません?」
「白石さんにコツを教わりました」
「何を共有してるんだよ……」
ため息をつきながら、俺は見積書へ視線を戻した。
未来掲示板が教えてくれたのは、一週間後――九月十八日に首都圏で大規模な物流障害が起きることだ。
大型台風の接近によって高速道路や幹線道路の一部が通行不能となり、複数の物流拠点で荷物が滞留する。中でも深刻だったのが医療機器と精密部材で、未来の記事には、納品遅延によっていくつもの病院や工場が混乱したと残されていた。
そして、その混乱の中で、まだ誰も名前を知らなかったアーク・フロンティアが最初の法人契約を獲得する。
問題は、今の天気予報では台風が首都圏を直撃する予想になっていないことだった。
「本当に来るんですかね」
「来ます。進路は明後日くらいから急に東へ寄ります」
「それ、普通の人が聞いたら絶対信じませんよ」
「俺もそう思います」
「じゃあ営業先には何て説明するんです?」
そこが一番難しい。
俺は未来掲示板で、物流障害の影響を受けた企業名をいくつか確認していた。その中から一社、都内に本社を置く中堅医療機器メーカーを選んでいる。
ただし、未来を知っているから契約してください、とは当然言えない。
「物流が止まるって言うんじゃなくて、止まった場合の保険として売ります。旧東都ロジセンターの空き区画を短期の一時保管場所にして、荷物が詰まりそうなら先にこっちへ逃がす。必要になれば仕分けして、使える道路へ振り分けて配送する」
「何も起きなかったら?」
「倉庫代だけもらって終わりです。向こうにとっては、何も起きないのが一番いい」
瀬尾が腕を組み、少し考えてから頷いた。
「それなら、売れなくはなさそうですね。ただ、今のうちって実績ゼロですよね」
「言わないでください。今、一番考えたくないところなので」
「それと会社も出来たばっかりですよね」
「それも言わないで」
「従業員もほとんどいませんよね」
「瀬尾」
「はい」
「俺の心を折りたいんですか?」
「問題点を先に洗い出してるだけです」
十年後の《千眼》は、たぶん今よりだいぶ容赦がなくなっている。
それでも瀬尾の指摘は正しかった。未来では世界最大の探索者ギルドになるとしても、現在の株式会社アーク・フロンティアに信用なんてない。創業したばかりで実績ゼロ、社員と呼べる人間すらまともに揃っていない会社へ、命に関わる医療機器を預けてくれと言うのだから、普通なら断られる。
だからこそ、未来を使える。
何が起きるかではない。
困る前に、誰よりも早く準備できるという一点に。
◇
最初の電話は、予想通り散々だった。
『失礼ですが、御社とはこれまでお取引がありませんよね?』
「ありません。ですので今回は、災害時の短期保管と緊急配送だけでも検討していただければと思っています」
『災害時と言われましても、現在の予報では台風は関東から外れる見込みですが』
「承知しています。ただ、進路が変わった場合、御社の西側配送拠点から都内へ入る便が集中しますよね。特に八王子方面と埼玉南部の中継が同時に詰まった場合、代替拠点がありません」
電話の向こうが少し静かになった。
ここから先は未来知識ではない。
俺が物流会社で働いてきた経験だ。
荷物そのものが消えるわけではない。道路が一本止まれば別の道路へ集中し、到着時間がずれれば荷下ろし場所が詰まり、ドライバーの拘束時間が伸びる。ひとつの遅延が次の遅延を生み、平時には十分だった倉庫容量や人員が一気に足りなくなる。
ダンジョンなんてなくても、物流は簡単に止まる。
「うちなら八王子で一度受けられます。そこで配送先と優先度ごとに仕分けして、動いているルートへ振り直す。医療機器なら病院ごとの納品期限も管理します。何も起きなければ、そのまま予定便で流していただいて構いません」
『……企画書だけ送っていただけますか』
「もちろんです」
電話を切った瞬間、俺は机へ突っ伏した。
「断られなかった……」
「契約もされてませんよ」
後ろから九条の声が飛んできた。
振り向くと、作業着姿の九条蓮司が段ボール箱を抱えて事務所へ入ってくる。その後ろには凛もいて、二人とも倉庫区画の片付けをしていたらしい。
「分かってますよ。今ちょっと達成感に浸ってたんです」
「電話一本でか?」
「初営業なんですよ。未来で世界二位になる人には分からないでしょうけど、普通の会社員にとって知らない会社へ営業電話するのは結構怖いんです」
「世界二位関係ねえだろ。俺だって営業なんかしたくねえよ」
「九条さんなら最初の三十秒で喧嘩になりますもんね」
「ならねえよ」
凛がすぐ横から口を挟んだ。
「なると思います」
「お前はどっちの味方なんだよ」
「営業先の人です」
九条が不満そうな顔をする。そのやり取りを聞きながら瀬尾が笑い、俺もつられて少し肩の力が抜けた。
十年後には、世界二位と三位の探索者、それから世界最大ギルドの情報主任になる人間たちが、今は倉庫の片付けと営業電話一件で騒いでいる。
未来掲示板を見始めてから、こういう光景には何度遭遇しても慣れなかった。
「ところで佐伯さん、その会社、本当に連絡来るんですか?」
凛に聞かれ、俺はスマホの日付を見る。
九月十二日。
「来ます。たぶん三日後くらいに」
「未来に書いてあったんですか?」
「そこまでは書いてません。でも、その頃には天気予報が変わるので」
九条が窓の外を見る。雲はあるものの、まだ雨の気配すらない。
「こんなんで台風直撃すんのかねえ」
「しますよ」
「外れたら?」
「会社の初仕事が消えます」
「お前、よくそんな平然としてられるな」
平然としているように見えるだけだった。
本当は怖い。
未来掲示板が見せている未来は、もう最初に見た未来とは違う。凛の腕を救った瞬間から歴史は変わり続けているし、俺たちがアーク・フロンティアという名前を決めただけでも十年後の記事は書き換わった。
つまり、未来の記事に《九月十八日、初契約》と書かれていても、それが保証されているわけではない。
失敗すれば消える。
だから今の俺たちが、成功させなければならない。
◇
三日後。
午後四時十三分。
俺のスマホが鳴った。
『先日ご提案いただいた件ですが、明日の午前中、お時間いただけますか』
医療機器メーカーの物流担当者だった。
その日の朝、台風の進路予測は大きく変わっていた。
関東接近。
しかも速度が落ち、首都圏へ長時間影響を与える可能性がある。
テレビではまだ「警戒が必要です」という程度だったが、未来を知っている俺には分かる。
ここからさらに悪化する。
「もちろんです。こちらから伺います」
『いえ』
相手は少し迷ったあと、言った。
『可能なら、そちらの倉庫を見せていただきたいんです』
俺は思わず立ち上がった。
「ぜひ」
電話を切ってから十秒ほど。
「……来る」
「何がです?」
凛が聞く。
「お客さん」
その瞬間、倉庫内の空気が変わった。
九条は床に置いていた工具箱を持ち上げ、瀬尾は反射的に机の書類を整理し始める。凛は作業途中の区画を見回し、通路に残っていた資材を壁側へ寄せた。
俺は慌てて澪へ電話をかける。
『もしもし、佐伯さん?』
「澪、明日時間あります?」
『午前なら大丈夫です。午後は母のところへ戻りますけど』
「十分です。会社に初めてお客さんが来ます」
電話の向こうで一拍置いてから、澪の声が明るくなった。
『本当ですか? じゃあ私、何をすればいいですか?』
「受付と資料準備をお願いできますか。あと、俺が変なこと言い始めたら止めてください」
『最後の仕事が一番大変そうですね』
「そこ否定してくれません?」
電話を切ったあと、今度は榊原へ連絡する。
『無理』
「まだ何も言ってませんよ」
『明日そっち行けって話でしょ。実験あるから無理』
「なんで分かったんですか」
『君の電話、大体何か頼むときだから』
「会社の初商談ですよ?」
『物流は専門外』
第十二話の作戦会議から一ミリもぶれていなかった。
「じゃあせめて、倉庫内の温度と湿度を記録できる機器とかありません?」
『あるよ』
「貸してください」
『壊したら研究費から引くから』
「俺の会社ですよね、ここ?」
結局、機器だけは貸してくれることになった。
未来の世界最強ギルド。
初めて客を迎える前日の姿は、思っていたよりずっと普通の小さな会社だった。
だからこそ、少し嬉しかった。
◇
九月十八日。
台風が関東へ接近した。
そして未来掲示板に書かれていた通り、物流が止まり始めた。
昼前には高速道路の一部区間が通行止めとなり、その影響で一般道へ車両が集中。午後には複数の物流センターで到着便の遅延が発生し、予定されていた荷物が次々と行き場を失った。
俺たちの倉庫には、前日から医療機器メーカーの荷物が運び込まれていた。
最初は十二パレット。
それが朝には二十一パレットへ増え、昼を過ぎた頃には別の荷物まで追加される。
「佐伯! 三番区画、もう入らねえぞ!」
フォークリフトの近くから九条が叫ぶ。
「四番を開けます! 凛、四番の安全確認お願いします!」
「もう見ました。奥側の棚は使わないでください。固定金具が一つ緩んでます。荷物は床置きなら大丈夫です!」
「瀬尾、入庫先変更!」
「やってます。四番区画に振りました。ただ、このままだと夕方の出庫と次の入庫がぶつかります。入口を分けたいです」
「西側シャッター使える?」
「使えます。でも大型車は一台ずつです」
「なら出庫専用にしよう。入庫は今まで通り正面!」
そこからは、未来なんて見ている暇がなかった。
電話が鳴る。
車両が着く。
荷物を受ける。
伝票と現物を合わせる。
配送先と納品期限を確認し、優先順位をつける。
九条は倉庫の中を走り回りながら荷物を捌き、凛は慣れない作業員へ安全確認を徹底している。澪は電話とメールの間を行き来し、病院側から変更された納品希望時間を一覧へまとめていた。
そして瀬尾は、倉庫全体を見ていた。
「佐伯さん、この三件、一緒に出さないほうがいいです」
「なんで?」
「二件目の納品場所、周辺道路がもう混み始めてます。この車両にまとめたら、三件目まで遅れます。こっちは別便にして南から回したほうがいい」
俺は地図を見る。
確かにそうだ。
未来掲示板には、こんなことまで書いていない。
どの荷物を、どの車へ積むか。
どの順番で出すか。
道路状況を見て、どのルートへ変えるか。
そこは今ここにいる人間が決める。
「分けよう。九条さん、これ別便!」
「了解!」
「凛、その荷物はまだ出さないで! 一時間後!」
「分かりました!」
雨音が倉庫の屋根を叩く。
外では風が唸り、トラックのワイパーが激しく左右へ動いている。
そんな中で、俺は急に気づいた。
未来で世界二位になる男も、三位になる女性も、《千眼》も、聖女も。
今は誰も特殊な力なんて持っていない。
炎も出せない。
超人的な剣技もない。
広域探知能力も、回復能力もない。
それでも。
「次の車、あと七分です!」
「受けられる!」
「九条さん、そこ一人で持たないでください!」
「このくらい平気だ!」
「平気かどうかじゃなくてルールです!」
「凛、お前だんだん佐伯みたいになってきたぞ!」
「それはちょっと嫌です!」
「聞こえてるからね!?」
俺たちは、ちゃんと役に立っていた。
未来の英雄だからではない。
今持っている経験と、能力と、知識を使って。
未来で困ると分かっていた誰かを。
今の俺たちが助けている。
◇
最後の緊急便が倉庫を出たのは、午後十一時を少し過ぎた頃だった。
シャッターを閉じると、それまで響いていた雨音が少し遠くなる。
誰もすぐには喋らなかった。
九条は床へ座り込み、瀬尾は椅子へ身体を預けて天井を見ている。凛も壁際の椅子に座り、澪は机へ伏せそうになりながら、それでも最後の配送完了連絡を確認していた。
俺も疲れていた。
けれど、パソコンの画面に表示された数字を見た瞬間、その疲れが少しだけ飛んだ。
「……終わった」
今日扱った荷物。
緊急保管。
仕分け。
配送手配。
追加作業。
そこから人件費や車両費、外注費、保険関連費用を引く。
久世に言われた通り。
一件の仕事で、いくら使って。
いくら残るのか。
全部計算した。
「で?」
九条が床に座ったまま聞いてくる。
「何がです?」
「儲かったのかよ」
「一応」
「一応じゃ分かんねえよ」
俺は最終金額を確認してから笑った。
「ちゃんと黒字です」
「おお」
九条が嬉しそうに笑った。
凛も席を立って画面を覗き込み、澪も眠そうだった顔を上げる。瀬尾までこちらへ来た。
金額そのものより、全員がそれを見て嬉しそうにしていることのほうが、俺には妙に印象に残った。
これまで使ってばかりだった。
人を助けるため。
未来の素材を確保するため。
研究するため。
土地を押さえるため。
けれど今日。
株式会社アーク・フロンティアは初めて、自分たちの仕事で金を稼いだ。
「会社っぽくなってきましたね」
凛が言う。
「最初から会社ですよ」
「昨日まで、倉庫で未来の話してる怪しい集団でしたけど」
「今日もそこはあんまり変わってませんよ」
澪にまで言われた。
「せめて初売上の日くらい褒めてくださいよ」
「お疲れさまでした、社長」
凛が少し笑いながら言った。
その呼び方は、まだ慣れない。
「……ありがとうございます」
俺が答えた、そのときだった。
机の上に置いていたスマホが震えた。
全員の視線が集まる。
「未来?」
凛が聞いた。
「たぶん」
画面には、見慣れた通知が表示されている。
『未来情報が更新されました』
俺は未来掲示板を開いた。
昨日までの記事。
『アーク・フロンティア 初売上』
内容が変わっている。
日付は同じ。
二〇二六年九月十八日。
けれど、その下に記載されていた文章は、俺が昨日見たものとは明らかに違った。
『首都圏物流障害に際し、創業直後のアーク・フロンティアが医療機器の緊急保管・再仕分け・迂回配送を実施』
その下には、今日俺たちがやったことが並んでいた。
瀬尾が組み直した配送計画。
凛が止めた危険な保管区画。
九条が現場を回した記録。
澪が病院との連絡を整理したことまで。
「……載ってる」
「何が?」
「今日のことです」
俺が答えると、九条が身を乗り出した。
「俺も?」
「いますよ」
「どう書いてある?」
「現場統括」
「よし」
本当に肩書きに弱い。
俺は笑いながらスクロールを続けた。
すると、関連記事に見覚えのないスレッドが増えていることに気づいた。
『〖歴史〗アーク・フロンティアって何で発生前から人材集まり始めてたの?』
開く。
『名無しの探索者:2036/09/18 23:44
最初は物流会社だったって知らない奴増えたよな』
『名無しの探索者:2036/09/18 23:45
会社っていうか、未来の怪物候補を拾い集めてた謎集団』
『名無しの探索者:2036/09/18 23:45
双剣姫と炎帝が発生前からいる時点で反則』
凛と九条のことだ。
そこまでは知っている。
けれど、次の書き込みを見た瞬間。
俺の指が止まった。
『名無しの探索者:2036/09/18 23:46
今だから笑えるけど、この頃まだ世界ランキング上位五人のうち二人しか揃ってないんだよな』
「……二人?」
さらに下。
『名無しの探索者:2036/09/18 23:46
そこから五人全部アーク所属になるの頭おかしい』
俺はしばらく画面を見つめた。
「佐伯さん?」
凛が俺の顔を覗き込む。
「また変なこと書いてありました?」
「変というか……」
俺は別のページを開いた。
『現役探索者が選ぶ、歴代最強ランキング2036年版』
第一位。
第二位、九条蓮司。
第三位、白石凛。
第四位。
第五位。
前に見たときとは、違っていた。
順位ではない。
名前でもない。
所属欄だ。
一位から五位まで。
全部。
『所属 アーク・フロンティア』
「…………」
未来で世界最強の探索者たち。
その上位五人が。
全員。
うちにいる。
今ここにいるのは、まだ二人だけだ。
九条蓮司。
白石凛。
残る三人は、会ったことすらない。
それなのに未来では。
全員が同じ場所へ集まっている。
「佐伯?」
九条に呼ばれ、俺は顔を上げた。
「なんだ。俺より強い奴でも見つけたか?」
第五話で一位の存在を教えたときと同じ顔をしている。
俺は少し笑った。
「いますよ」
「まだいるのかよ」
「しかも」
俺は画面を見直した。
世界一位。
世界二位。
世界三位。
世界四位。
世界五位。
所属は、すべて同じ。
「最終的に全員、うちへ来るみたいです」
「は?」
九条が固まった。
凛も目を丸くし、澪と瀬尾までこちらを見る。
今日。
俺たちは会社として初めて金を稼いだ。
未来に書かれた金額をなぞるのではなく。
今の俺たち自身で仕事を作って。
そして、その結果なのかどうかは分からない。
けれど十年後には。
また新しい未来が生まれていた。
俺はスマホに並ぶ五つの順位を見ながら思う。
世界一位も。
四位も。
五位も。
今はまだ、どこかで普通に暮らしている。
ダンジョンなんて知らず。
自分が英雄になることも知らずに。
だったら。
探そう。
強くなったあとではない。
世界中が彼らを欲しがるようになってからでもない。
まだ誰にも知られていない今のうちに。
その人たちが未来で何を失い、何を後悔するのかを調べて。
変えられるものなら、先に変える。
スマホの上では、五人全員の所属欄に同じ名前が並んでいた。
《アーク・フロンティア》。
世界最強ギルドという未来が。
少しずつ。
ただの掲示板の文字ではなくなり始めていた。




