第85話 (幕間):十一行
軍務規程 旧四の巻 八の章 三の項
右、第五次改定にて削除。削除の理由は付されておらぬ。
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一、同種の事案に際しては、生者を現場より退去せしめたる上、処置にあたるべし。
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二、同種の事案とは、死したる者が再び動くを言う。
三、これを起こす者が、必ず一名ある。中心なる者と称す。
四、中心なる者は、いずれも生者なり。死したる者が起こしたる例は、一件もなし。
五、中心なる者は、いずれも年少なり。最も上にて十七、最も下にて六つ。
六、及ぶ範囲は、いずれも一村を出でず。町に及びたる例は、一件もなし。
七、日を数うるは、死したる者の初めて動きたる日よりとす。それ以前は、ただの子なり。
八、中心なる者は、その日より長く生きず。最も長きにて百日、最も短きにて三日。
九、故に、待つという処し方がある。
十、されど待つあいだに、動く者は増ゆ。増えたる者は減らず。
十一、待たずに処すべし。中心なる者を先に、然るのちに動く者を。
十二、生者を退去せしむるは、これを見せぬためなり。
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右、記す者の名なし。
筆跡は三種。二の項より八の項までが一筆、九の項より十一の項までが一筆、十二の項のみ別筆にて、墨の色が異なる。
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なお、十二の項の余白に、書き入れあり。
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見たる者は、二度と同じようには働かぬ。
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右、写しを取らず。原本を持ち上がる。
王都軍医寮 軍医 レンツ




