表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どちら様ですか?~無人島に置き去りにされたけど最強の女神たちに溺愛されました~【全話執筆済】  作者: 夜見猫
第二章 海辺の日常と、大母神の華麗なる三行半

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/23

第16話

本作は情景や心理描写を丁寧に描いているため、長めの文章構成になっています。

お忙しい方は、会話文「  」、キャラクター名、心の声( )を中心に追っていただくだけでも、テンポよくストーリーをお楽しみいただけます。

「な、なんと……! 銀座のあのお店とも違う、なんという親しみやすくて愛らしい服の群れじゃ……!」


天照大御神様は、ハンガーに掛かった最新のカジュアルバラエティな服を見るや否や、その目をランランと輝かせます。


「ほんに……。これほど多くの、しかも日常を彩るための美しい衣が、これほど自由に選べるようになっているのかえ」


イザナミ様も、現世の豊かなお洋服たちに瞬く間に釘付けになっています。


そしてアリアドネもまた、ハンガーに手を伸ばして目を丸くしていました。


「なんて可愛らしいお洋服……! しかも、驚くほど軽くて動きやすそうですわ……っ!」


まず始まったのは、天照大御神様による怒濤の「爆買い」でした。


「これ可愛い! これもお姉様に似合う! アリアドネちゃん、これも着てごらんなさい!」


と、嬉しそうにキャッキャとはしゃぎながら、次から次へとカゴの中へ服を放り込んでいく天照大御神様。


三柱の女神たちは、現代の日の本の最高峰の庶民派ファッションの数々に、すっかり心を奪われて大興奮の真っ最中なのでした。


「ああ……奇稲田クシナダのためにコツコツ貯めてきた俺の小遣いが、湯水のように溶けていく……」


見たこともないほど長くなってゆくレシートを見つめながら、素戔嗚尊様は心の中で涙を流していました。


彼が愛する妻を喜ばせるために健気にも現世でコツコツと貯めてきた「へそくり」が三柱の女神たちの凄まじい勢いの爆買いによって、見る見るうちに消えていきます。


「ふう……まぁ、事情を話せば、心の広い奇稲田も『良いことをなさいましたね』って許してくれるだろう……」


そう自分に言い聞かせ、なんとか小休止を得たつもりで大きく息を吐いた――まさにその束の間のこと。


「よし! せっかく買ったのだから、ここで『プチプラふぁっしょんしょー』を開催するぞえ!」


天照大御神様の無邪気な一言により、大船の店舗を揺るがす恐ろしい宴の幕が開いてしまいました。


何が起きたのかといえば、霧の衣をすり抜けて溢れ出る3人のただごとではない気品と美しさに、プチプラ服屋さんの店員さんたちも完全に魅了されてしまったのです。


「ぜひ当店で着こなしてください!」と大感激したお店の方々は、試着室の周辺に臨時のランウェイ(花道)を作るかのように、全面的に協力を始めました。


さらに、居合わせた一般のお客さんたちも、そのあまりの美しさに魂を抜かれたように釘付けになり、誰も帰ろうとしません。


プチプラ服屋さんは、一瞬にして、熱気溢れる「プチ・パリコレ」の会場へと変貌を遂げてしまったのです。


そして、その中央にポツンと置かれたパイプ椅子。


「さあ素戔スサちゃん! あんたが審査員じゃ! 誰が一番プチプラの服を着こなしているか、厳正に審査せよ!」


天照大御神様に指名され、素戔嗚尊様は逃げる間もなく審査員席へと拘束されてしまいました。


天棚機姫神様の高級ドレスの時とは違い、今度は現代の日の本の民が愛する、親しみやすく可愛らしいカジュアルなカジュアルウェアやワンピースの数々。


それが、究極の美を完成させたイザナミ様とアリアドネの完璧な肢体にまとわれることで、逆に破壊的なまでの「ギャップの美」を生み出していたのです。


瞳を輝かせ、現世の少女のような服に着替えて恥ずかしそうにポーズをとるアリアドネ。


ふんわりとしたシアー素材のブラウスに、動きやすいプリーツスカートを合わせた等身大の愛らしいフレンチカジュアルの装い。


漆黒の髪を揺らし、シックでありながらどこか大人の可愛らしさが同居する普段着を完璧に着こなして微笑むイザナミ様。


シンプルなリブニットにあえてオーバーサイズのカーディガンを肩掛けし、シックなモノトーンに抜け感を演出する大人の着こなし。


お手頃な衣服であっても、彼女たちがまとうだけで息を呑むようなハイファッションへと変貌を遂げていました。


「素戔の反応を楽しむ」というレベルを遥かに超越した、三柱の女神たちが放つ、とてつもない純粋な美のオーラ。


それが、店内の大歓声と共に、真っ正面から素戔嗚尊様の精神を激しく木っ端微塵にし続けます。


素戔嗚尊様はもはや、顔が赤いとか照れているとかいう次元を通り越し、その圧倒的な美の光圧の前に、パイプ椅子の上でただただ呆然と硬直するしかないのでした。


審査員席の素戔嗚尊様は、目の前で繰り広げられる絶世の美という名の「煩悩」と、愛する「奇稲田姫」への忠節の間で激しく心が引き裂かれ、魂が口から抜けかけてました。


プチプラ服屋さんの店内は、もはや一店舗の枠を超えたお祭りのような騒ぎになっていました。


素戔嗚尊様が美の光圧の前に硬直している間にも、美しさに心を奪われたお店のスタッフやお客さんたちが勝手に大団結。


「おい、今のポーズ見たか!」


「黒い服の御方が最高だ!」


「いや、青いドレスのあのお嬢さんも捨てがたい!」


などと熱く語り合いながら、手際よく即席の投票箱を用意して、一斉に票集めを始めてしまったのです。


「ハッ……!」


スタッフやお客さん達のどよめきに素戔嗚尊様は我に返り、冷や汗を拭いながら立ち上がると、審査員席を飛び出しました。


「 ……おい、そこの票集めをしてる奴ら! 俺も混ぜろ! 一緒に集計するぞ!」


美のオーラから物理的に距離を置くため、必死の形相で一般のお客さんたちに混ざり、猛烈な勢いで紙の票を数え始める素戔嗚尊様。


その姿は、ある意味で誰よりも真剣そのものでした。


そうして、賑やかに行われた集計の結果が、ついに発表されます。


三柱の女神たちのあまりの美しさに、プチプラ服屋がまさかのパリコレ会場に……!


プチプラ服の女神たちの爆買い『私も爆買いさせて欲しい…」、「俺が出してやる!』と思った方は、【評価(★)、ブックマーク登録】をお願いします。。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ