主人公補整
「なんだ!?」
白雪達と別行動をしている俺は、周囲の様子が見れるビルの上に移動していた。この場所も三人で話し合って決めた場所で、全てとまで言わなくても街の中が一通り見渡せる場所だ。
辺りはまだ真っ暗……まだ深夜を回って少ししか時間が経過していないため、ほとんど人の気配を感じることが無いため、俺はショッピングモールで見つける事が出来た札の魔力に変化がないか、集中している時だった。
「急激に魔力が増加した……」
見つけてから今まで一切変化を見せることが無かった札が、ジャックが予想した三日後に、急激に魔力が増加した……これは、〝幻獣創造〟が現われたと見て行動した方がいいのだろうか?
召喚者である俺は周囲に灯りが無くても、昼間のように街を見渡すことが出来る。それに合わせて人の気配も察知することが出来るので、街の様子はほど把握していると言っても過言ではないはずだ。
しかし、街に目立った様子は一切ない。〝幻獣創造〟はジャックから聞いた説明では〝幻獣〟を無限のように創造することが出来る召喚者だと聞いている……そうであれば今頃街には大量の〝幻獣〟が闊歩していても可笑しくはない。
だが、現状は札の魔力が増加した事と、青い光を放っている事だが、それも異常事態と言えど〝幻獣〟が街中を闊歩するよりかは遥かにマシだ。人が少なく、静かな深夜だからこそ余計に目立つ異質な存在になる。
「どう動くべきか……」
札の様子を見たら、どちらからか連絡が入る予定だったが、緊急事態なのか全く連絡が入る気配はない。まだ、札に辿りつく前に起こった出来事なのかと思ったが、二人の魔力も感じる事が出来るので消去する。
「とりあえず何が起こったのか整理しないと……」
今、現状で出来ることが無い俺が慌てても仕方が無い。札の近くに居る二人が一番焦り、予想外の展開に動揺しているはずだ。二人の場所に移動することも可能だが、この場を任せられたのだ。二人を信用して移動する訳には行かない。
「けれど、戦いの準備はしていた方がいいだろ」
苦渋八苦、〝幻獣創造〟が現われた……いや、札は何かの罠だったのだろう。別の召喚者が現われた気配は全くないので、札が何かの罠だったと考えるのが一番妥当だろう。
だが、その札にどのような罠が仕掛けられていたのか分からない今、待機場所から動く訳には行かない。札から感じる魔力がさらに増加しているが、俺に出来ることは現状無い……いつでも起こった現状に対処出来るように心構えをしておくだけだ。
一度深く深呼吸をした。どのような予想外な出来事にも落ち着いて対処出来るように深呼吸をして落ち着かせるのだ。一回……二回……三回……四回目の深呼吸に入ろうとした所で現状は大きく変った。
街に大量の気配が姿を現したのだ。だが、人間の気配ではない……この時点で相手は確定し、行動すべきことは決まった。
「俺は本体を叩く!」
街に大量の〝幻獣〟が姿を現し、二体強力な魔力も持つ〝幻獣〟も感じる事が出来るが、俺は真っ先に本体を探すことにしたのだ。そのためにジャックと白雪は俺の外に待機させていたのだろう。
深夜の静かな街に響き渡る咆哮が、俺達の戦いの合図だった。
**********
聞こえた咆哮を合図に白雪は〝三日月雷鎌〟を召喚し、鎌で札を切断した。増え続けた魔力に、白雪はそれ以上の魔力をぶつけて切断することが出来たのだ。
札からは完全に魔力反応が消え、青く光輝いていた光も完全に消えた……白雪は無事に切断出来たことに安心したが、すぐに気を引き締める。相手が本格的に動き出した今、のんびりする事など許されない。
「海人は大丈夫そうね!魔力を放ちながら別街の中心部に移動しているわ……私達の事を信頼して行動してくれているのよ」
「ああ、充分に理解している……だから俺達も俺達の仕事をする」
ショッピングモール内には既に警報が鳴り響いていた。いや、〝幻獣〟が街に召喚させたことにより、街全体から警報が鳴り響き、人間の悲鳴もその中には混じっている……まだ、召喚されて数分も経過していないにも関わらず、既に死者は出ている。
「そうね……それじゃ移動しましょ」
「おう!」
窓ガラスを割り、ショッピングモール内から素早く移動した二人は、街に放たれた巨大な魔力……〝幻獣〟の中でも強力な〝幻獣〟を目指す。二人はこの二体が何か握っていると踏んでいるのだ。
だが、二体とも一緒の場所に居る訳ではない。〝幻獣創造〟は〝第三次開放〟の使い手である召喚者だ……一緒の場所に配置するという愚行を行うことなど絶対にしない。間反対側に一体づつ居るのだ。
「たぶんだが、〝魔術閉鎖空間〟を封じているのはこの二体だろう……一体づつ倒しに行っていたら何人死者が出るか想像も付かない。ここは二手に分かれて倒しに行こう」
「その方が良さそうね……こいつらを放置していたら被害が想像も付かないわ……それに、こいつらかなり強いわよ」
「そうだな……魔力だけでも並の召喚者は凌いでいる……勝てるのは〝第三次開放〟に至っている召喚者だけだろう」
二人は理解していた。普通、相手が強いとなれば二人で一体づつ倒した方がリスクは少ない。確かに倒すのに時間はかかるが、二人で行った方が確実に倒せる……だが、これは普通の召喚者の意見なのだ。
確かに人間は大勢死ぬことになるだろう……けど、自分達が死ぬ可能性は押さえることが出来る。それは結果的に人間を救うことになる……だが、これも普通の召喚者の意見……〝第三次開放〟の使い手である二人は違う。
「そうね……それなら余計に一人ずつ行った方がいいわ。無闇に二人で行かなくてもいいわ」
「ああ、そうだな。二人で行くよりも一人で行った方が確実だな」
本来であれば敵同士の二人……協力しあうこと事態が無理難題であるのだが、今回はそれが理由ではない。白雪もジャックも一定の信頼はしている。だからこうして同じ目的の敵と戦うために協力している。
しかし、今まで一度も組んだことの無い召喚者と一緒に戦うという事は、一人で戦う以上に厳しい戦いになる。今、ジャックが海人だとすれば白雪は安全性を考えて、二人で一体ずつ倒しに行ったかもしれない。
全く関係の無い人間を無碍に殺すことはしたくないが、まずは自分達が生き残るのが最優先だ。二人で行くのであれば間違いなく安全策になる。しかし、相手の動きや癖……タイミングなどが一切理解出来ない相手と組むというは自殺行為だ。
相手が〝第二次開放〟程度であれば話は別だが、魔力的に実力は〝第三次開放〟と互角に近い。二人で噛み合わないコンビネーションを取るよりも、一人で自分の戦いをするほうが何倍もいい結果に繋がる。
だからこそ、無闇に一緒に行動しない。倒すべき敵が決まっているのであれば、一緒に行動する意味など皆無なのだ。リスクしか存在しないのに、一緒に居ることなど意味が無い。
「それじゃ、私は東の外れに行くわ……ジャックは西の外れをお願い」
「わかった。倒し終わったら、海人の場所に集合でいいか?本体はそれほど苦労しないかもしれないが、山ほど〝幻獣〟が居るはずだ」
「了解したわ。片一方が倒してなくても、援護は無しね。理由は説明しなくても理解出来るわよね?」
「あたりまえだ。俺は〝正義者〟だぞ?」
「そうね。それじゃ、お互いに無事を祈りましょ」
それだけを言うと白雪は背中を見せて、姿を消した。速度が速い事で有名な〝雷光武具変生〟だが、実際に目の前で見ると目で追う事は難しかった。聞いていた話だったが、自分の目で見ると違っていた。
「二人が協力してくれてほんとに良かったよ……戦闘になっていたら、俺は確実に殺されていただろうな……って、そんな事考えても仕方が無い。俺も向かうか」
こうして停止している間も、“幻獣”に多勢の人間が襲われている。助けに行きたい気持ちは大きいが、街に溢れるように現れている“幻獣”を一人で相手にするのは腕が折れる。
それに〝幻獣〟は“幻獣創造”が居る限り、居なくなることは決してない。魔力を使わずに無限の様に創造することが可能なのだ。〝魔術閉鎖空間〟を使えるようにした方が、多勢の人間が助かる可能性は高い。
地面を強く蹴り、一瞬で加速する。その速度は白雪ほど早いわけではないが、並の召喚者では姿を追うことは困難だ。
町の西に居る〝幻獣〟まではほんの数秒で到着する。だか、その数秒という間に様々な音と、人間の悲鳴が聞こえる。ゆっくりしている暇などまるで無かった。〝正義者〟と呼ばれる男は本当に偽り無く、世界を救いたいと思っている召喚者だ。
だからこそ、〝第三次開放〟と呼ばれる高みに上ることが出来た。海人と白雪が本当の想いに気が付き、〝第三次開放〟に上った時と全く同じだ。本当に願っているからこそ、至れた実力だった。
しかし、今目の前で起こっている出来事は、〝正義者〟が望んでいる願いとは掛け離れている。人間の悲鳴が聞こえ、街が破壊されて、大勢の人が助けを呼ぶ声が響いている。深夜だという静けさは全く感じられず、皆が死にたくないという気持ちで逃げ回るという地獄のような光景。
人間がいかなる兵器を使おうとも〝幻獣〟に勝つことは不可能だ。人間が生き残る術は他人の利用して逃げ回るしか方法が残されていない。警察などが動いているが、人間である警察にも事態を改善させる力は持たない……そんな〝正義者〟が望んでいる願いとは掛け離れている光景。
〝正義者〟とは召喚者より弱い人間を守る存在で在り続けたいのだ。だからこそ、今移動している内に見える光景には心を痛めていた。だが、どうする事も出来ずに目的の存在の前に到着した。
「お前か……」
西の外れに、強力な魔力を持つ〝幻獣〟が、ジャックを待ち構えているかのように存在していた。ここに来るのを理解しているように……〝幻獣創造〟の魔力で創造された目の前の〝幻獣〟は、自分自身の意思を持っている。
周辺に居る魔力をい使わずに創造された〝幻獣〟は、目の前にある物を破壊し、動く者を殺す……本能だけで動いている存在。だからこそ、意思を持つ〝幻獣〟は厄介で極まりない。
「それに想像以上に大きいな……」
ジャックは召喚者だが、身長は人間の平均と変化はない。対して〝幻獣〟の大きさは十メートルを越える大きさだ。種類は人間型と呼ばれる種類で、簡単に言えば巨人のような〝幻獣〟だ。
目は二つで手も二本……二足歩行であり口も鼻も存在する……色が灰色な事と、大きさ以外は人間と見た目は大差ない。だが、魔力も持ち、魔法も唱える事も可能だ。力も人間とは比べ物にならないのは言うまでもない。
口の端を上げて、笑う〝幻獣〟は余裕の表情を浮かべているようにジャックは見える。圧倒的に大きさだけは負けているが、〝幻獣〟もそれだけで召喚者を舐める事がどれほど危険かを充分に理解している。
余裕な表情を浮けべて居るように見えるが、その裏で警戒している事はジャックにも充分に理解出来ていた。それだけにジャック自身も目の前に居る〝幻獣〟を舐める事など出来なかった。
だが、それでもジャックは楽しげに笑みを浮けべて居る。相手を一切舐めてはいないが、〝正義者〟と呼ばれる召喚者は全く負ける気がしなかった。そもそも、〝世界融合〟相手でなければ簡単に負けるような能力ではない事はジャック自身が一番理解していた。
そう、下手をすると世界で最強と呼ばれている召喚者……〝零世界〟よりも便利で強力な能力も持っているかもしれない……それほどジャックの能力は使い所が良く、便利だった。
「さて……あまり時間をかけている暇はない……さっさと殺すぞ」
言葉を理解出来る〝幻獣〟は体に魔力を込めて殺気の込められた視線を向けてくる。同時にジャックも殺気の込めた視線を向けると……片一方が行動をはじめた。
初めに動いたのは〝幻獣〟の方だった。殺気が込められた瞬間に巨大な足を振り上げ、ジャックを踏み殺そうとする。体は大きいが、予備動作がない状態からの攻撃……速度は〝第二次開放〟の召喚者以上だった。
ジャックが居た場所を踏みつけた〝幻獣〟だったが、そこにジャックが居ない。自分の足でジャックが見えなくなった瞬間に移動し、攻撃を回避した。
だが、〝幻獣〟は回避された事を理解して次の手を打つ。ジャックが攻撃に入る前に体から魔力を放出して、タイミングをずらす。咄嗟の行動で、動きが読めなかったジャックは攻撃動作の途中でバランスを崩し、再び回避にする体制をとる。
足に魔力を流し、地面を蹴り足元に逃げる。ジャックより数十倍も大きな〝幻獣〟は足元に逃げられると小さなジャックを捕らえることが困難になる。足元は弱点になるのだ。
足元に魔法陣を浮けべ、武器を召喚する。白いシルエットが右手に浮かび上がり、実態化される。ジャックが手に握っていたのは身長以上もある巨大な大剣だった。
波のような青い模様が描かれている大剣を足目掛けて振るう。振るっている本人以上に大きな剣を片手で、軽々と振るうジャックの姿はまるで、鬼のような印象を浮かべる。
体の中心を回すように振るった剣は足に直撃する直前で、見えない何かに弾かれる。ジャックから見ると何もないように見える足元には、しっかりと対策が施されていたのだ。
「初めから〝幻獣創造〟は予想していたのか……」
人間型の巨人は、小さい相手になればなるほど不利になるのは常識だ。なぜなら、足元に逃げ込まれた小さな人間を捕らえることは非常に困難だからだ。人間で例えるなら、足元に小人が逃げ込んだような感覚だ……手を伸ばしても届き難いのもあるが、動き回られると捉えるのは大変なのが一番の理由になる。
真っ先に弱点として浮ぶ場所が足元であるのなら、そこに対策を施しておくのは至って普通の考えだろう。〝幻獣創造〟も足元が真っ先に狙われると予想していたための対策だった。
巨人の足には、見えない〝幻獣〟が潜んでいる……だが、その〝幻獣〟は巨人のように意思を持っている訳でもなければ、動き回る事が出来る訳でもない。ただ単純に、足元を守るためだけの〝幻獣〟だ。そして、それは召喚した本人以外見ることが出来ない。
「めんどくさいことしやがる……」
再び体から強力な魔力を噴出すと、巨人は足に力を入れて上に飛んだ。飛んだ方向を見上げると、地上から数十メートル以上高く飛び跳ねており、空中でとび蹴りの体勢を取っている。
「この攻撃はまずい……回避することは難しくないが、回避することが出来ない」
巨人の力は人間の比ではない。高層ビルなどでも殴れば一瞬で崩壊するほどの力を持っている。そんな〝幻獣〟が勢いを付けて地面に攻撃をすれば大惨事は避けれない。大勢の人間が死ぬだけではなく、街そのものが全て破壊される可能性もある。
「仕方ないか……」
ジャックの方向に向かって降下してくる巨人を見据えて、魔法陣を展開する。〝幻獣〟から放出される魔力とは比べ物にならない魔力がジャックを中心に吹き荒れる。周囲の建物が崩れそうになるが、今のジャックには気にならなかった。
「〝正義者(ヒーロー〟……それは全てを守りたいと願う皆の憧れの存在」
ジャックは詠唱を唱える。そう、自身がヒーローという存在に生まれ変わるために〝第三次開放〟と呼ばれる高みを開放する。
「ヒーローであり、主人公である。そして、物語は全てヒーローを中心にして展開させる……何かに道を導かれている如く」
〝幻獣〟の攻撃がジャックに直撃するまでの時間は後一秒ほどだ。回避すると街に大きな被害が出て、大勢の人間が死ぬという望まない展開になってしまう……だが、ジャックは詠唱だけで、攻撃を受け止めようともしていない……いや、必要が無いのだ。
ヒーローというのは主人公だ。戦隊物では必ずしも物語の中心に存在し、そして全てが主人公の都合のいい方向に物語が展開される。ヒーローとは昔からそういう都合のいい展開を望んでいる。
そして、またジャックも〝正義者〟と呼ばれる召喚者……常に物語の中心に居るために〝第三次開放〟を使う。
「物語よ。全て中心に回れ」
唱えると同時に巨人の攻撃がジャックを直撃した。直撃した感触に巨人は笑みを浮かべたが……刹那、驚きの表情に変化する。
ジャックは自分の何十倍もの大きさがある巨人の攻撃を片手で受け止めていた。手には魔力が集まっているが、巨人の一撃を受け止めるほどの魔力は集まっては居ない。だが、ジャックは何も受け止めていないかのように涼しい顔をしている。
「全て無駄だ……」
反対方向に持っていた大剣を巨人の足に振るう。一度は見えない〝幻獣〟に防がれた攻撃だが、今のジャックには全てが関係なかった。
振るった大剣は何事もなく足を切断し、巨人の咆哮が街全土に響き渡る。足を切断された痛みを感じながらも、巨人はすぐにジャックとの距離をとるために片足だけでバックステップをするが、無駄だった。
足に力を入れて飛ぶ瞬間に、巨人の反対方向の足が宙に舞った。緑に近い色の体液を周囲に飛び散らせながら地面に足が着地する。再び痛みで叫ぶ巨人だが、時間をかけていられないジャックは畳み掛ける。
足を失った巨人は腕で支えようと地面に手を伸ばすが、その瞬間、ジャックから見える景色は急激に遅くなる。まるで、一秒が三十秒ほどに伸びたような間隔の速度……これはジャックだけがそう見えている訳ではなく、本当に時間の流れが遅くなっているのだ。
だが、ジャックの時間だけは変化していない。つまり今のジャックは何よりも速く動ける状態であるということだ。
「消えろ!!」
伸ばした腕を真っ二つに切断した勢いで、体も切断する。時間の進みが遅くなっている巨人からは叫び声も上がらない。今起きている出来事は巨人は、まだ理解出来ないのだ。
切断した体を踏み台にして、腹を駆ける。そして、真顔で巨人の顔を切断し、地面に着地すると同時に時間が動き出す。だが、既に体を切断されている巨人が動き出すことは無かった。
「今の俺に勝つことは不可能だよ。だって俺は今主人公だから」
主人公というのは全ての物語において中心に居るべき人物なのだ。主人公の居ない物語など、カセットがあるのにゲーム本体が無いような物だ。物語が進むことはない……それほどに大事な存在なのだ。
そして〝正義者〟もまた物語の中心に居るべき人物……つまり主人公だ。そして、数々居る主人公が、物語を進めるために働く力を〝主人公補整〟と呼ばれる。
〝主人公補整〟というのは主人公が有利に働く力で、その力は物語を無理やり曲げるほどに絶大な力を発揮する。無敵な主人公……急に覚醒する主人公……挙げてしまえばきりが無いほどに多い……ジャックの〝第三次開放〟はそれを操るのだ。
だから、巨人の攻撃を簡単に受け止めることが出来た……あの瞬間だけ、普段発揮することが出来ないほどの力を手に入れていたから。見ない〝幻獣〟が居るにも関わらず切断することが出来たもの、あの瞬間だけ〝幻獣〟は居なかった。そして、時間の流れが遅くなったのは、主人公であるジャックが相手を殺す場面……見せ場だったからだ。
ジャックの〝第三次開放〟はあらゆる場面で絶大な効果を発揮する。だが、欠点も存在する。それは、決められたことには干渉出来ないことだ。
例えるなら、太陽が昇る場所は定められている……その法則をゆがめることは出来ない。死んだ人を蘇生させる事も当然することが出来ない。、死んだと決められたこだからだ……だが、それ以外なら自分の好きな展開に物語を進めることが出来るという協力な能力なのだ。
「さて、後は桜が〝幻獣〟を倒すまで、人を助けるか」
召喚した大剣を抱え、ジャックは移動する。




