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過去Ⅲ 誕生

人生に置ける最も重要な決断をしたニコルの言葉に周囲に居る貴族達はさらにざわめき始める。ローラ家の娘が一般人とそのような関係にあったこと事態で驚きの出来事なのだ。それのさらに上の行く発現をしたニコル……今まで育ててくれた家を捨てるといったのだ。それも、自分達とは住む世界が違う一般人を愛しているという理由だけで。


 当然、貴族達からは発言が正気ではないと汲み取られる。事実、ニコルも自分が逆の立場で、貴族側に居るとすれば自身の発言を正気ではないと考えるからだ。家を捨てて……それも名家であるローラ家を捨てて一般人と一緒になるといったのだから至極当然反応といえる。


 しかし、ニコルは理解が出来ない。自分の思いに嘘をついてまで家のために好きでもない貴族と結婚するなど正気の沙汰とは思えない。結婚というのは好きな者同士でするのであって、言えのために存在するのではない。これを否定するような人達とはどう考えても結婚出来ないと考えながらも、貴族達の考えも理解は出来ないが、わかる。


 小さい頃から外敵から守られて、お金には困らずに生きてきて、結婚というのは貴族達にとっては家の関係を広めるためのものだと小さい頃からなんとなくだが教えて来られていた。ニコルも白雪と出会う前は政略結婚することに否定はしていたが、最終的にはするものだと考えていた。


 だが、白雪と出会って、心の底から人を好きになったニコルにはもう政略結婚など考えられない。白雪という一般人と極普通の家庭を築いて、老いて死んでいくという誰もが願う幸せな人生を送りたいと考えている。


「私はもう決断しました。誰にも否定はさせないし、自分で選択して生きていきます」


 誰もが感じる強い想いがこもった声に誰も否定など出来ずに、騒がしかった貴族達は一斉にニコルの祖父に目を向ける。自分で用意した舞台でまさか娘に家を出ると言われるとは思っていなかった祖父は少し周囲を見た後、ニコルの方に目を向けて口を開く。


「……わかった。それなら勝手にするがいい!」


 舞台の袖に戻っていく祖父を眺めながらニコルは舞台から降り、ドレスのスカートを持ち上げて走り出す。貴族達はそれを邪魔せずに見守る中、ニコルは貴族としてローラ家を捨てたことに後悔など一遍もなく、むしろ正直に言えたことに清々しさを覚えながら会場を後にする。

 

 自分で選択して自由を得るニコルは真っ先に向かいたい……会いたい白雪も元に急ぐ。今この胸の中にある気持ちと覚悟……そして、一緒に居てほしいということを伝えるためにある場所に向かう。


 白雪の家など知らないニコルだが、確かに感じていた。今、貴族と一般人だった関係が普通の人……恋する二人となった関係で心が通じ合うかのように居場所がわかるニコルは近づくに連れて速度を上げる。


 それは二人が始めてであった場所……互いに運命を感じあった場所である公園で、出会った時は夕暮れだったが、今は周囲は闇に包まれている。だが、公園に入った瞬間に二人は暗い中に灯りが灯るもを感じる。


 半年間毎日のように会って話しをしていた二人は一日会えないだけで心に穴が空いたような気分になっていた二人が……今、視線が重なり、そして互いに近づき人影が一つになる。


「白雪!」


 胸の中には今まであった感情など比較にも値しないほどの熱を持った感情。体験したとがない感情……だけど、決して嫌な気持ちにならない感情……押し込めていた感情はそっと言葉になって流れる。


「私……白雪のことが好き!大好き!!」


 強く抱きしめられる白雪は初めは耳を疑った。貴族と一般人で恋愛など出来る訳もなく、こんな話がうまく行くのなんてドラマの中だけだと想っていたのだが……けれどこうなって欲しいと願っていた白雪は、強く抱きしめるニコルとは対象的に優しく抱きしめる。


 強く抱きしめてしまえば壊れてしまいそうな体をそっと優しく包み込むように抱きしめる。そして、抱きしめたことによってニコルから漂う甘い香りに脳がしびれる。白雪も気持ちは決まっていた。出合った時から決まっていて、こうなることを毎日のように望んでいたのだ。


「俺も好きだ……例えニコルが貴族で俺が一般人でも……いや、その考え方が間違っていたんだ。愛に身分なんて関係ない……」


 身分は違えど気持ちを持つ、感情を持つ同じ人間である限り惹かれあうことは否定出来ない。そして惹かれあった者達を引き離す方法など物理的手段ではまるで意味がなく、心は常に繋がっている。同じ人間である限り身分など些細な問題なのだ。


「そうね……それに私はもうローラ家の娘ではないです……だから身分の違いなど関係ない。だからこれは私個人として受けとってください。大好きです……結婚してくだい……」


 暗闇の公園の中に灯る二つの灯りはやがて輝きに変化する。抱き合っていた二人はそっと体を離し、再び距離を縮めていく重なる手と手。伝わる想い。そして出合った公園で二人はそっと口付けをした。


 優しく口付けをすると距離を取り一言。


「俺もニコルが好きだ……結婚しよう」


 二人は運命を感じた公園で、二人一緒になることを決意する。






**********







二人が結婚してから一年という月日が流れる。結婚式は本当に身内だけの披露となり、元ローラ家に居たニコルとは思えないほどの小さな式だったが、二人に幸せに包まれていた。式に祖父は出席しなかったが、屋敷で世話をしてくれていたクリスは参加し、今でもたまに家に遊びにくることがある。


 今まで世話をしてくれたクリスに頭が上がらないのと同時に少しだけ罪悪感が芽生える。クリスは将来ニコルがローラ家に残ると考えていたので、色々と教えてくれたりしたのだ。好意が全て水の泡に変ってしまったので罪悪感が存在した。


 だが一方。結婚してからは本当に幸せな暮らしをしていた。家を出たあの日、お金も持っていなかったニコルを泊めてくれた白雪の部屋で口付け以上に深く結ばれたあの日から毎日が幸せが溢れていた。


 屋敷に住んでいた時のように贅沢は一切出来ずに、自分で料理などを作らなければならないという状況自体が初経験だったニコルにとって、それは自給自足のような生活だったが、隣に居る白雪のためだと思えばなんだって出来た。


 それから一年が流れたある日、家事も出来るようになってきたニコルは仕事から帰ってきた白雪に料理を作るために台所に立っていた。エプロンをつけて鼻歌を歌いながら料理を作っているニコルの見ていると自分は幸せだという実感をかみ締めながら椅子に座って出来るのを待っている白雪。


 そこに流れていたのは出合った時に感じていた貴族と一般人という身分の差などなく、互いを心の底から愛し合う一組の夫婦の姿だった。


「今日は何を作ってるんだ?」


普段から毎日のように家の家事などをしてくれるニコルは当初に比べてかなり料理の腕も上がった。初めは包丁やフライパンに触ったことすらないと言われた時には悩んだが、本屋などで料理本などを買い込んで勉強を重ねたのだ。


 全ては大好きで愛している夫である白雪のためを想っての頑張り。一生懸命頑張っている姿を目の前で見えてきたが故に白雪はニコルのことが余計に愛しく感じてしまう。


 最愛の人が一から自分のために頑張ってくれたと考えるだけでも幸せになれる。通じ合っている気持ちを確かに感じ取れるから互いは互いのためを思い頑張れることが出来るのだと白雪は思う。


 その結果、初めは焦げた匂いしかしなかった部屋がいつの間にか空腹をそそる良い匂いに変化していた。味の方も初めは色々変っていたが、今では大概同じ味になり、おいしく食べられる程度になった。


 しかし、それだけではなく最愛の人が愛を込めて作ってくれる手料理がおいしくないと感じる訳がなく、焦げていた物を二人で一緒に食べていた時も白雪は幸せを感じ、おいしいと心の底から感じていた。


 鼻歌を中断させたニコルは火を止めて、くるりと回り、白雪に目を向けると、桜が咲いたかのような満面の笑顔を向けた。その笑顔に頬が緩むのを感じながら白雪も笑いかける。


 誰がどう見ても普通の夫婦……いや、普通以上に見える幸せな夫婦は互いに自分達が一番幸せだと自覚している。貴族と一般人という壁を越えて結ばれたという事実も想いに大きく変動する。壁があった方が恋愛は燃える……それを乗り越えると普通の人と違った強い愛が生まれる……と感じさせるほど幸せに満ちた家庭。


「秘密だよ♪」


 お玉を抱えながらウィンクするニコル。そして、再び火をつけて料理を再会させるニコルに白雪はそっと近づき、背中から抱きしめるように優しく包み込んだ。


「きゃ!」


 可愛らしい声を上げて火を消すニコルにお構いなしに顔を近づける。背後から首元に近づけた顔には料理とは違う、甘くて色々そそられる女の香りがするニコルの首にそっとキスをする。


 気持ちがいいのか理解は出来ないが、体を少し震わせたニコルは抵抗せずにそのまま白雪のされるがままになる。しばらく、匂いを嗅いだり、首元にキスをしたりを繰り返していたが、それ以上のことはしない。


 盛りのついた犬ではないと自覚している白雪は自分で欲望を制御出来る為、これ以上はしない。それをニコルも理解していかたらこそ抵抗をせずにさるがままになっているのかもしれない。


 幸せな空気に当てられて、大好きな人が……愛しく愛している人が傍に居る。自分のために色々頑張ってくれているという幸せをかみ締めるらめに。幸せな気持ちを二人で共有しあうように二人はそっと口付けをする。


「えへへ……」


 照れたような恥ずかしいような笑みを浮べたニコルの頭をそっと撫でて、椅子に戻る白雪はエプロンをつけて料理を作ってくれているニコルに感謝をしながら……それと同時にこんなお嫁さんを持った自分が嘘のようだ、夢のようだと思い頬を抓るが、痛みだけで目の前の光景は変らない。


 この光景は自分が望んだ幻でもなく、一夜の夢でもないことを確認できた白雪はそっと微笑む。こんな幸せがいつまでも……お互いが思いやる気持ちを忘れないまま老いて死んでいけたらと強く願った。






*********









 それからさらに一年が経過した。相変わらず付き合いたてのカップルのように仲の良い二人は近所でも有名になっている中、ニコルと白雪は幸せな中にさらなる幸せが舞い込んできた。


 それはある日、いつも通りにニコルが料理を作ってくれいた時の出来事だ。エプロンをつけて鼻歌を歌いながら慣れた手つきで料理をするニコルを幸せを毎日かみ締めながらその姿を見ている白雪。


 いつも通りの光景で、二人にとっては毎日、お腹が空くように当たり前の光景と化した幸せな空間に異変が起こった。先ほどまでリズムを刻みながら料理をやっていたニコルがお腹を押さえながら膝を付いた。


 今まで一度も経験したことがなかった事態に焦りを覚えながらも近づく白雪。火を消してお腹を押さえて、気持ち悪そうにしているニコルの背中を撫でながら言う。


「大丈夫か?どうしたんだ?」


 一瞬、昨日の夜の出来事が激しかったのかと思ったが、今までも何回もしている行為なのでそれはないだろうと可能性から排除し、毎日家事をやってくれていたため、疲れが来たのだろうと納得させると同時にニコルは催す。


 そこで白雪はある可能性を思い浮かべたが、確認が取れないので保証もない状態で期待するのはやめて、もし、何かの病気だったら危険なので、肩を貸して寄り添って徒歩数分で行ける病院まで駆けつけた。 


 そして状況を話し、専用の機会で体に異常がないか調べるといい始めて数分で原因がわかったといい、ニコルをベットに寝かした。今は落ち着いている様子だが、何かあってからだは遅いので慎重に扱う。


「ごめんね……お腹空いてるよね……」


「何を気にしてるんだ。そんなことよりもニコルに何かあったら方がよっほど気にするよ……」


 自分のお腹が好いているかどうかなど気にしてくれるニコルを愛おしく思いながらそっと頭を撫でると、専用の機械を片付けた医師が戻ってきて、椅子に座る。


「心配することはありません……というか良いニュースですよ」


「良いニュース?」


 不思議そうに聞き返すニコルだが、白雪は確信した。この医師が言う良いニュースならきっと……。


「おめでとうございます。妊娠三ヶ月ですね」


 その医師の言葉に俺は予想通りだったが、ニコルは想像もしていなかった様子で目を見開いている。しかし、驚いた様子の中にも、自分のお腹に二人の愛の形である命が存在することに対しての喜びが勝った様子だった。


「あかちゃんだって……」


「ああ。俺達の子供だ」


 二人はそっと笑いあって、手を繋ぐ。その握った手から自分達に子供が出来るという喜びを共有しあるように。しかし、人生は何もかもうまく行くはずもなく、大きな幸せに包まれる中で大きな不幸が訪れる。



*******







 白雪が仕事中に倒れたという連絡が家で家事をしていたニコルの元に来たのだ。白雪はそのまま仕事先から病院に運ばれたらしいので、病院の場所だけ聞いて、すっかり大きくなったお腹に負担を変えずに急いだ。


 病院に着いたニコルは仕事先人と合流して、白雪が運ばれた病室の前に来た。緊急治療室というプレートが赤く光る中で、ニコルは治療室から出てくる白雪を五時間以上待ち続けた。


 そして治療室から出てきた白雪を追いかけたが、医師などに病室の中に入ることを拒否されてしまい。けれど、心配だったニコルそのまま病室の前で待ち続けていると、医師が部屋に案内してくれた。専門の機械を取り付けられた白雪は顔色悪く、朝仕事先に向かった時とは大違いで、何がどうなっているのかと医師に聞くと、想像以上の言葉が返ってきた。


「末期のガンです……それも予想以上に進行が進んでおり、全身に転移しているため私達には出来ることはありません」


 一瞬何を言われたか理解出来なかったニコル。だが、聞こえてくる言葉は残酷で自分の幸せを……これから生まれてくる自分達の子三人との普通で、楽しい未来を奪われる言葉だったが、それは間違いだと否定して欲しくて、聞き返す。


「夫は……白雪は朝までいつも通りだったんですよ?……それなのにどうして……」


 朝、朝食を作って食べていた時は普段通り元気だった。顔色も悪くなく、食べる量もいつも通りだった白雪がどうして末期のガンを患ってしまったのか理解出来なかった。


「私達にも理解出来ません……普通ならもっと早く症状が出るはずなんですけど……」


 それは、ニコルという幸せが目の前にあったからこそ実現出来たことだった。身分の違いに愛は関係ないと気が付き、可愛い奥さんを持って、毎日幸せな生活を送って、最終的には子供までお腹に宿して本当に幸せだったからこそ可能だったのかもしれない。


 人というのは誰かを思いやる想いなどは自分の欲望よりも大きく、そして想い。白雪はただ、ニコルと長く幸せな生活をしていたいというありふれた幸せを心の底から望んでいたから何も出なかったのだ。


 だが、人を大切に思う想いなどでは病気は治らない。進行を止めることなど出来ない。そして、幸せなという想いに支えられてた白雪の体は想いとは裏腹に限界を迎えてしまったのだ。


「覚悟していてください……たぶんですが……お腹のお子さんが生まれる少し前まで生きていられる保障はありません……我々の力が及ばす、本当に申し訳ございません」


 深く礼をする医師の姿など目に映らず、ただ、ベットで眠っている白雪のみに視線が向けられていた。そして、今まで出会ってからまだ三年しか経過していないのにたくさんの思い出があふれ出てきて……一つひとつの思い出が楽しかったということを思い出し、そしてこれからその楽しい思いが出来なくなってしまうと考えると、瞳から大量の涙があふれ出てくる。


 

 そして、この日、ニコルは人生初めて誰かのために泣き、辛い現実……どうして白雪なのだと何度も神を呪った。




 再び時は経過し、ニコルは陣痛に襲われ、病院に居た。夫である白雪は一ヶ月前に目を覚ましたきり、意識は戻らない。そして、今日が白雪の余命の日だった。


 あれから幾度も涙を流したニコルだったが、昨日も涙を流した。愛おしい人の余命が迫っていることを自覚すると今までの思い出がこみ上げてきて、それと一緒に涙も出てくるのだ。止めることは出来ない。ニコルが白雪を好きであるように流れてくる涙を止めることは出来ない。


 ニコルが泣いている姿を無言で見守るクリス。ローラ家を捨てた今でも様子を見に来てくれる大切な存在。だが、今はクリスに構っている余裕など存在せず、ただこみ上げてくる思い出を涙に変えることしか出来なかった昨日。


 何とか泣き止んだ今日、医師が言っていた通り陣痛が始まった。自分の体に命……自分の子供が宿っていて今日、生まれてくると考えれば嬉しい気持ちになるが、隣に白雪が居ない事実がどうしても余命のことを思い出させる。


 緊急で運ばれたニコルは直ぐに病室に運ばれ、子供を生む準備に入る。病室にあるベットに寝かされると同時に今までも思い出が蘇ってくる。出合った日のこと初めて結ばれた日のこと、そしてニコルのお腹に命が宿ったこと。


 その幸せだった瞬間、瞬間には常に隣に白雪が居て、ニコルも白雪の隣が居場所だと思っている。隣に居ない今だって居場所だということは疑ってはいないニコルは白雪のことを考えると寂しい気持ちになるが、それより、胸の中に熱が宿る。


 それは、好きな人、愛していて愛おしい人に感じる感情だと気が付いているニコルはその感情を持てたことに感謝をしている。出合った時から運命だと感じた出会いして、身分の壁を越えて結ばれた二人の絆は普通の人には計り知れないほどの想いが存在する。


 たとえ、傍に居なくても感じることが出来る互いの思い。寝ていても、起きていても常に幸せを感じ続けることが出来る存在を見つけたニコルは誰がどう見ても幸せ者と答えるだろう。事実、ニコル自身も自覚している故、こんなに辛い想いをしているのだ。本来なら子供が生まれるという瞬間では感じるはずのない想いを感じているのだ。


 数時間経過した病室では泣き声聞こえていた。それは初めて空気を吸い込んだ時に出る泣き声で、うるさくても幸せだと感じることが出来る泣き声だ。だが、隣に……生まれたら一番初めに抱きかかえると言っていた白雪が居ない。そのことが重く、そして今日という日が最も人生の分岐点といえる。


 白雪の担当医に生まれたという報告をしようと疲れた体で電話を掛ける。だが、番号を押す瞬間に向こう側から電話が掛かってきて、子供が生まれたという幸せは一瞬にして消え去る。


 ただ、ひたすらに嫌な予感がする。今日は余命の日……そして医師は初めに子供が生まれるまで持つかどうか……と、予感が確信に変る。それは自分の人生で最も大切な人の瞬間……半身以上の存在が……。


「もしもし」


 電話に出る。出るなと脳が警戒を鳴らしていたが、もしかしたら意識が戻ったなどといういい知らせかもしれないと淡いを希望を持ちながら電話に出たのだが……世界というのは残酷で全てを奪っていく。


「ただいま白雪さんは亡くなりました……」


 この日、ニコルは自身の半身以上の存在だった白雪を亡くし、代わりに二人に愛が育んだ一人の女の子が誕生した。






 読んでくださりありがとうございます!

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