練習
楽しかった休日が終わり、一週間ほどが経過した。俺達は体育祭に向けて今練習をしている。昼休み前の三時間目と四時間目を使って二時間ほど全体練習をやる予定だ。
行進の練習やプログラムの確認。入退場の練習などを主にやっているが、暑いので皆集中できずに何回もやり直しがくらい、それでも先生達は行進をし続ける。これが成功すれば休憩をさせると言っていたのだが、本当かどうかはわからない。
(それにしても暑いなぁ)
前後や左右の人と足を合わせて行進しながら目線だけを動かして周囲を確認する。みんな汗を流して必死にやっているが、少し前をある居る白雪は全く汗を流さずに涼しげな顔で歩いている。
魔力を調整してあまり暑さを感じないように歩いているのだ。もちろん俺にはそんなこと出来ないのでみんなと同じ暑さの中を行進している。
五回目の行進でやっと先生が納得の行く内容だったらしく、十分間の休憩を貰った。みんなは疲れた様子で運動場に設置された暑さ対策のテントに下に入り、汗を拭いたり飲み物を飲んだりしている。
俺は白雪が少し前に居るので、小走りで近づいて隣に並んだ。白雪が俺の接近に気付かないはずがなく、隣に並んだ瞬間、俺以外に聞こえない声で口を開いた。
「海人は暑そうね。召喚者で、しかも第二次開放まで使えるの汗なんてかくの世界中探しても海人だけよ?よかったじゃない。世界で一人の存在よ?」
全く汗をかいていない白雪は着ている体操服が重くなるほど汗をかいている俺にそんな皮肉を言った。別に俺だって汗をかきたい訳ではないし、細かい魔力の調整が出来るならとっくにやっている。
「そんなことで世界初になりたくない」
「そうかしら?でも、いいじゃない。私は世界初のパートナーも持って嬉しいわよ?」
右腕を軽く見せるように掲げた白雪の手の甲には俺と結んだ約束の魔法陣が描かれている。これは約束を結んだ俺達二人にしか見えない魔法陣。絆の証だ。
俺も白雪と同じように右手を掲げて魔法陣を見せる。そうすると何がおかしいのかわからないが、可愛らしい笑みを浮べてうなずいた。
二人の絆は魔女を倒したことで確実に強くなっている。同じ死線を潜ったのだから仕方ないのだろうが、漫画やアニメ見たいな展開なので少し楽しかったりする。
「……二人して何やってるの?他の人から見るとおかしな人に見えるよ?」
隣に駆け寄ってきた凜奈がジト目でそんなことを言ってきた。その言葉に反抗したように白雪が口を開く。
「二人の絆を確かめあってたのよ」
笑みを浮べる白雪。その笑みは明らかに相手を挑発する時の顔だ。
「……あっそ」
それだけを言い、友達の方に走りだした。少し拗ねているような顔をしていたが、あまり気にしないようにしておく。
白雪と歩きながらテントに入ると、ローネが他のクラスメイトと仲良く会話をしていた。まだ転校してきて二週間ほどなのだが、既に周りに溶け込んでいる様子だった。
見た目は幼くて可愛い。それに性格も明るいので友達など直ぐに出来るだろう。逆に白雪はあまりクラスメイトと話すことはしない。必要最低限の会話しかしない割に、俺と凜奈とは良く話したり毎日昼食を取っているのでクラスメイトからは不思議がられているが、そのことについては誰も本人には聞かないのだ。
まぁ、白雪が学園に転校してきた理由は、俺の傍に居るためだとか言っていた。初めは驚いて、少しだけ顔が赤くなったが、そんな嬉恥ずかしい展開なのではなく、いつ襲われても近くにいた方が効率がいいからとかが理由だった。
そんな白雪だが、俺達以外とも話して友達が増えたらいいと思っている。
クラスメイトと話をしていたローネは俺達に気が付くと、クラスメイトと話すのをやめてこっちに駆け寄ってきた。
「お疲れです!今日も暑いですね」
体に体操服が張り付くほどに汗をかいているローネ。みっちり張り付いている体操服のせいで、体のラインがはっきり見える。少し幼い体付きだが、しっかり女の子らしい体をしているので、少しの間目が離せなくなった。
すると、横腹に激痛が走った。
「いっった!」
白雪にされたのだと気が付いて、横を見るとジト目で俺を見ていた。
「海人……さすがに男だからってローネの体を見すぎよ。気持ち悪いわ」
しかも、見ていることまでしっかりばれていた。
白雪の言葉にローネは顔を赤くして自分の体を抱きしめるようにして隠した。
「えっと…その……えっち」
「ごめんなさい……」
俺は深く頭を下げて謝り、許してくれたので水分補給をしてから二人と話、休憩時間が終わった。
全体練習がうまくいったので次は全体でやる競技の練習をやることになった。これはクラス対抗戦なので、人数が今までより多くなるので、個人種目より面倒な動きをしなければならない。
今回の体育祭でやる競技は綱引きだ。クラス事に戦って、何年のどこのクラスが一番強いのかを競う競技だ。去年は俺のクラスは優勝候補といわれていたが、本番になってアクシデントのせいで優勝することが出来なかった。だが、そのおかげで綱引きは盛り上がり、今年も何かしらのアクシデントがあると予想だれる。
俺と白雪と凜奈の三人が本気で綱を引けば優勝は間違いないので、どれぐらい力を入れるかが難しい所だ。均等に見せかけて一気に引き、クラスを優勝させることもできるが、面白くないので却下になった。
まぁ、本番までに考えてい置けばいいか。
そういう訳で俺達はクラス事に集まり、入場口に並び、入場をした。駆け足気味で走り、運動場の中心に向かい、そしてクラスで話し合った並び方で綱引きをした。
一番初めに綱引きをやった俺達のクラスは終わるとすぐにテントに戻っていいと言われたので再びテントに戻ってきた。後は他のクラスが終わるまでテントの中に居るだけなので、一番初めにやって良かったと心から思った。
「ねぇ、海人?」
「?」
ローネの声がしたので振り返るとそこには少し顔を赤くしたローネがこちらを見ていた。瞳が揺れていてとても可愛らしいが、それよりも気になることがあった。
召喚者である俺がローネが近づいてきていることに気付かなかったことだ。普通ならば足音などで判断出来るのだが、ローネの場合そういったものではなく、気配すらしなかった。
だが、ローネ本人に聞いてもわからないか答えてはくれないどろうから確かめようもない。もしかしたら俺が気付かなかっただけかもしれないからだ。
「海人ってさ、私の体に興味があるの?」
「っ!」
ローネは一体何言ってるんだ?周りに居たクラスメイトが驚いた顔でこちらを見ている。周りにクラスメイトがいる状態で普通の声で話せば聞こえることに気が付くだろう普通。
問題発言に凜奈と白雪が近寄ってきた。
「ローネちゃん!何言ってるの!?」
「え?だから海人が私の体に興味があるか……」
「だからなんでそんなこと聞いてるの!?」
珍しく取り乱す凜奈。こんなに取り乱している姿を見るのは初めてかもしれない。
「ローネってもしかしなくてもあほだわ」
白雪が呆れた声で呟いた。白雪がここまで呆れている姿を見るのも始めてかもしれない。今日は初めてが多い日だ。ローネに言われた言葉だって始めて言われた……言われたことがある人などなかなか居ないだろうけど。
他のクラスが終わるまで、俺達はくだらない話をし続けた。ローネの体に興味がある、ないの話はクラスメイトの痛い視線に気が付いたローネが照れながら終わりにしてくれた。実際に興味があるかは言わないでおくけど。
こうして、体育の時間や、授業の一環として練習を続けて、二週間。明日はついに体育祭本番を迎える。
読んでくださってありがとうございます!ことりちゃんの覚醒、可愛いですねー
ー癒されます。
早く二次元にいける日を楽しみにしています!ラブライブ二期も楽しみです!
後、新しいのを書くことにしました!!読んでくれると嬉しいです!




