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そこは暗く広い空間だった。あたりが暗く明確な広さはわからないが、とにかく広い。学園の運動場など比べるにも劣らないほどに。そんな空間に何人かの人の気配がする。


 大きさが明確にわからなく、暗い空間だが、コンクリートに囲まれている空間の一番奥に椅子が一つだけ置いてある。左右統一されている椅子は派手な施しはないが、ただならぬ気配と座っている者からとてつもない力を感じる。両端には椅子の周囲だけ照らされるようにつけられた灯りも存在する。


 そこに座っているのは一人の男だった。もちこん人間ではなく召喚者だ。年は二十後半あたりで顔に髭を生やしていて、鋭い目つきに均等の取れた顔立ちをしている。いうなれば女の子にモテそうな顔立ち。しかし、何もないのに笑顔を浮けべて居る男は危険な感じがする。


 腰には一本の剣が携われている。鞘に収められている状態なのでどのような形をしているのまではわからないが、こちらの剣からもただならぬ気配を感じる。ひと目で強力な武器だとわかる。ただ、それは剣だけが強いのではなく、男が持っていることで強く感じる。


 そんな男に一人の女の子が近寄った。背は小さく十代前半のように見える。ショートヘヤーで亜麻色の髪がゆらゆらとなびかせながら危険な気配がする男に近づく。


 女の子が近づいてくる気配を感じると男から感じていた危ない気配が感じられなくなった。そして、まるで家族を見るような優しい目と声で少女に話し掛けた。


「どうだった?」


「お兄様の言う通りでしたわ」


 二人の会話から察するに兄弟のようだ。だが、女の子の方からも魔力を感じるのでやはり召喚者。それに右手には約速エンゲージを結んだ証として魔法陣が描かれている。この二人は兄弟で約束を結んだようだった。


「そうか……やはりな」


 瞬間、男の気配が優しい物から先ほどと同じ危ない……いやおぞましい空気に変化した。そして、笑みを浮べる男は間違いなく狂っているように見える。しかし女の子はそれが当たり前かのように平然としている。普通の召喚者なら空気に当てられて全身が動かなくなるほどなのに。


「ええ。お兄様」


 おぞましい空気を発する男の膝に座り、笑顔を浮べる女の子。その笑みもやはり普通の人とは違い狂ったような笑顔。二人とも楽しみなおもちゃを見つけたようなそんな笑顔。だが、何かが決定的に違う。


「良くやった……偉いぞ」


 そう言って女の子の頭を撫でる男。撫でられて気持ちよさそうに頬を緩め、瞳を揺らす女の子。そんな二人の兄弟は見つめあってキスをした。


 情熱的なキスだった。舌を絡めせて互いに熱っぽい息を吐きながら相手の唾液を体の中に入れる。それが十分以上続いて口を離した。二人の間を唾液の橋が架かり、二人の服に掛かる。


「はぁ、はぁ、お兄様……」


 女の子が熱っぽい声で言う。そして視線は暗闇の向こうにある何かに目を向けている。そこにあったのは二人は寝られる広いベット。何をしようとしているのかは容易に察することが出来る。この二人は体を結ぶ関係なのだ。


「待ってくれ。後で可愛がってやるから……それより今は魔女狩りと三日月雷鎌ライトニングムーンについてだ。第一回の戦争だけではなく、百年たった第二回の戦争にも出てくるのか……」


「はい、お兄様。それに覚醒した魔女狩りと共に魔女を倒しています」


 海人と白雪の激戦を誰にもわからないように観戦していた女の子はその事実だけを口にする。


「だけど、まだ弱いです。先代に比べるとゴミのように弱いです。お兄様が出ると十秒も持たないほどに」


 この女の子は伝説のパートナーである魔女狩りと三日月雷鎌を使う海人と白雪を一人でわずか十秒未満で倒すと口にする。普通ならば狂って居る発言をしているのだが、男は否定しない。


「そんなことはどうでもいい。でも気になるだろ?先代はあの二人に負けているんだ」


 この男の先代はあの二人に負けている。それは男の武器も有名であるという証だ。


「そうですね……ですけど、今はまだ早いですわ」


「そうか……お前がそんなに言うなら……」


 男は女の子のことを完全に信用しているようだった。それもそのはずだ。約束エンゲージまで結んで体の関係もあり、何より二人は血の繋がった兄弟なのだから当然だ。


 だが、男は二人に興味があるようだった。


「それなら私がお兄様の代わりに行きますわ。それでどうですか?」


「本当にいいのか?お前が負けるとは思えないが、魔女狩りとは相性悪いぞ?」


「大丈夫ですわ。それに何かあったらお兄様が居ますのも……それよりお兄様?早く私を可愛がってほしいですわ……もう、濡れて我慢できません……」


「ああ。わかった。それじゃ、ベットに行こうか?」


「はい。お兄様!」


 笑顔を浮べて男に抱きつく女の子。男は女の子をベットまで運び、そして優しく押し倒した。


 白雪や海人が知らないところで新たな敵が動き出そうとしていた。

 

読んでくださってありがとうございます!

 ここからは違う話になっていきます!魔女編?だったのが次は英雄編?になりそうです!これからもお願いします!

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