71.悪の手先 アナザー19 Take Control
-人気のない 公衆トイレ-
気を失っている少女の周りで3人の少年が騒いでいる。
少女は、学生服を着ているが、だいぶ汚れており、
所々に切り傷、焼け焦げた痕がある。
少年の一人は、長身でツンツン頭、WAXのつけすぎで髪に白い物が見える。
一人は、茶髪のウルフヘアー、他の二人に比べて身長が低い。
最後の一人は、目が隠れる程の長髪、眼鏡をかけてややオタクっぽい。
『今度は、僕が最初でしょ!』
ウルフヘアーの少年が主張する。
『男らしくジャンケンで行こうぜ。』
『ふざけんなって、”かみやん”と”ヤナ”ばっかじゃん!』
『待てって、”タッキー”、”かみやん”。
僕の”初花”の後にしてくれよ。
処女じゃねぇと発動しないんだからさー。
剥がれよ現世の仮面(フェイス/オフ) 初花!』
”ヤナ”と呼ばれたオタクっぽい少年が、ポケットからスマホを出し、
右手を少女の下腹部に当てる。
”ヤナ”の右手が赤く発光するが、何かの力に弾かれる。
『………げっ!こいつ、中古だ!』
自らの手が弾かれ、”ヤナ”は、顔をしかめる。
『おーし!では、恒例のじゃんけん大会で~す。』
”かみやん”と呼ばれたツンツン頭の少年が指をポキポキと鳴らす。
『信じらんねー…中二だろ?
こんな顔してもうヤッてんのかよ!』
”ヤナ”は、少女に軽蔑の眼差しを向ける。
『中古なら問題ないっしょ!勝負!勝負!!』
”タッキー”と呼ばれたウルフヘアーの少年もにんまりと笑う。
『じゃあ、行きますか!最初は、グー…』
3人の少年がそれぞれのフォームで構えた。
-次の日-
『いやぁ~、最近の中学生は怖いね。』
学ランを着た”タッキー”が、
ジッポライターをカチカチ鳴らし、通学路を歩いている。
『お怖いなら、ヤらない方が良かったんじゃね?
病気持ちかもよ?ひひひ。』
後ろから”かみやん”が近づき、”タッキー”の頭をポンポンと叩く。
『また、僕だけ経験値なし。そっちの方が深刻。
課金するかな~。なんでこんな能力になったんだか。』
自分のスマホをイジリながら、嘆く”ヤナ”。
『『HENTAIだからだろ?』』
”タッキー”、”かみやん”の声がハモル。
『神谷さん、聞きました?
柳井さんのところの長男坊、処女厨らしいですよ。』
『えぇ。町内では、その噂で持ちきりですよ。滝澤さん。
夜な夜なJS,JCを狙って徘徊してるそーですよ。』
『『怖いわねぇ~w。』』
ババアの世間話のように”タッキー”、”かみやん”が陰口を叩く。
『えっ?僕、そんなにHENTAI?』
スマホの画面から顔を上げて、”ヤナ”が首を傾げる。
『えっ?自覚なし?』
『そっちの方がヒクわ!』
”タッキー”、”かみやん”がそれぞれに追撃する。
『でも、マジな話、おめーら、Lv.いくつよ?』
『23。』
『17。』
『ほらな?僕だけ、5だぞ、5!雑魚キャラかよ!』
”ヤナ”が地団駄を踏みながら、キレる。
『まぁまぁ、気にするなよ。仲間がいるじゃないか、スライム君w。』
『そうそう、僕達はこれっぽっちも気にしてないよ。足手まとい♪』
笑いながら”タッキー”と”かみやん”が”ヤナ”と肩を組む。
『お前ら…本当に良いヤツらだよ。』
こめかみをヒク突かせながら、”ヤナ”は眼鏡をかけ直した。
-昼休み 学校の食堂-
『お疲れ~。お前らん所にも”A”からの指令来た?』
”ヤナ”、”タッキー”を見つけ、”かみやん”が近付いてくる。
『おう、来た来た。』
『同じく。』
『えっ?”ヤナ”にも来たの?』
”かみやん”が意外そうな顔をする。
『なんだよ、なんか文句あんのか?』
『いや、雑魚キャラだし、Lv制限的な物が入って、
メール来てないんじゃねぇかなってさ。』
”かみやん”が自慢のツンツン頭をいじりながら笑う。
『てめぇ……見るか?ほらっ、来てるだろうが!』
スマホの画面を印籠のように突き付け、”ヤナ”が怒鳴る。
『まぁまぁ、いいじゃん。来てるなら、3人でやればさ。』
”タッキー”が二人をなだめる。
”A”からのメール
FROM : A
TO : B,C,D,E,F,G,H,J,K,N,O,R,S,V,W,Z
件名 : A's order #17
本題 : 以下のクエストを発令します。
目標 : ”濵口 浩志”の殺害
特殊な戦闘スキル所持者である目標を殺害して下さい。
方法は問いません。
目標写真 : http://image.search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%8…
現在地 : http://maps.loco.yahoo.co.jp/maps?p=%E3%81%BE…
1時間毎に更新致します。
期間 : 本日 15:00 ~ 目標達成まで
成功報酬 : ①追加経験値、スキルLv. up
②6,000,000円
追加報酬 : 目標の左腕と引き換えにアナザースキル追加
『これの宛先さ、”B”は、”タッキー”。”G”は、”ヤナ”。
”D”が俺だろ?あとのメンバーは、誰なんだろうな?
それと、アルファベット順なのは分かる、すげぇ分かる。
でも、所々、抜けているのはなんでだ?』
”かみやん”がスマホの画面を指で操作しながら、素朴な疑問を口にする。
『誰だろ?ワカンネ。』
考える事もなく、”タッキー”が即答する。
『例えば、”I”が抜けているのは、死んだから。とか?』
『『………』』
”ヤナ”の口から思わず出た言葉に、”タッキー”、”かみやん”は沈黙する。
『まぁ、でもよ!600万だぜ、600万!
3人で割っても、一人頭、200万!!』
Vサインを作り、”ヤナ”がゲスな笑みを浮かべる。
『確かに、魅力的だな。』
沈黙から一転、”かみやん”もスマホの画面を凝視しながら口元を綻ばせる。
『”かみやん”の”ドッペルング・ギャンガー”か~ら~の~、
僕の”ブレイズ・オブ・グローリー”のコンボで瞬殺っしょ!』
”タッキー”がガッツポーズをする。
『だとすると、役立たずがいる訳だが……。
分け前は、俺、250万。”タッキー”が250万。”ヤナ”、100万だな。』
”かみやん”は指差し、冷静に指摘する。
『ちょっ、おまっ!友達だろ!?』
”ヤナ”は、ずり落ちた眼鏡を直し、2人に必死に話しかける。
『友達だから、100万はくれてやろうって言ってるだろ?』
”タッキー”が”ヤナ”の手を握る。
『そうそう、追加報酬を狙いたいから、
”ヤナ”、ノコギリかなんか準備しとけよ。切断役は、キミだ。』
”かみやん”が親指を立てて、”ヤナ”にスマイルを送る。
『マジかよ。』
”ヤナ”が顔をしかめる。
『この”濵口”、見た目は、チャラい優男っぽいな。
特殊な戦闘スキルってなんだ?
剥がれよ現世の仮面(フェイス/オフ)じゃないのか?』
『どうだろ?でも、同類ならもう少し、情報公開するんじゃないの?』
”かみやん”の疑問に”ヤナ”が気を取り直して答える。
『場所、愛知県だって、ちっと、遠いね。
帰りは、”かみやん”の”ドッペルング・ギャンガー”があるからいいけどさ。』
『いつ行く?』
”タッキー”が目を輝かせ、二人に聞く。
『今日の放課後。先手必勝。』
”かみやん”が即答する。
『一度帰っていい?今日、Amazonからジャケット届くんだよ。
アビレックスのさ。』
『おいおい、役立たずの癖に、主張だけは、一丁前だな?』
『ノコギリもいるだろーがっ!』
『イオンモールで買いなよ。新品の方がいいだろ?』
3人は騒ぎながら、教室に戻る。
若い鴉が、獲物をついばみに飛翔する。
-マイナーな掲示板の一つ AZ速報クオンタム-
Z:『今、いい?』
A:『オケ』
Z:『#17。B,C,D,G,N,Vに動きあり。』
A:『見込みは?』
Z:『何名かは脱落すると思われ、成功率は低い。』
A:『kwsk』
Z:『目標は、百鬼夜行と呼ばれる能力者。
ガチ系+チート有り。
以前、I,R,S,Vが戦闘、I、先代SがBANされた。
黒、白、中、老害からも指名手配なう。』
A:『orz』
A:『orderに難易度要?』
Z:『次回から、記載しれ。脱落した空席は、補給。』
A:『5人以上脱落者が出た場合、中止。』
Z:『オケ、監視に→。また、連絡する。』
A:『thx』




