表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/107

35.悪の手先 その十三 No, thank you!

 

 今日は、学校の課外授業で名古屋行きだ。


 ところが、僕は、バスが苦手。


 吐きそう。


 窓際の席で遠くを見てもダメ。


 なぜだ、このシートの臭いなのか…。


 早く、次の停車場所へ、サービスエリアへ。


 出ちゃう、出ちゃう。


 バスが止まると、口を両手で押さえダッシュでトイレへ。


 『+*?><#$%~!!』


 ………


 いやぁ~、やばかった。


 ギリギリだったね。まじで。


 


 『キィン!』


 ハンカチで口元を拭う左手が急に痺れる。


 何かいる!


 何だこの感覚?


 こんな昼間から、しかもサービスエリアに妖怪?


 グロックがあるから、丸腰ではないが…マズイ。


 流石にこんな場所で、多くの学生、客もいる中で…


 どこだ?どいつだ?


 左手の痺れが増してきた。


 近づいてきている?


 宇梶か高橋に連絡を…


 その時、サービスエリアに一台のバイクが入ってきた。


 『ドドドドドド…』


 真っ赤なバイクだ。


 アレだ。アイツが…間違いない。


 バイクはゆっくりと駐車場の端に止まる。


 どうする?戦闘になるか?


 僕は、ゆっくりと制服の内側にあるグロックに手を伸ばす。


 バイクに乗っているライダーも僕に気付いたようだ。


 ヘルメットを被ったまま、こちらを見ている。


 『柊!早く来い!集合や、バス出るで!!』


 林が大声で僕を呼ぶ。


 今は、退く…か。


 


 大型のバスが4台。


 サービスエリアを出て行く。


 赤いバイクのライダーは、それを見送りヘルメットを脱ぐ。


 『なるほど。彼が柊君ね。


  勘が鋭い。 

 

  こんな場所で出会うのはびっくりだが。』


 ライダーが笑う。


 『主程の”力”の持ち主であれば、妖気はどうしても洩れますからな。』


 『人気者はツライな、だんな!』


 自らの左手から声が聞こえる。


 『この感覚…彼も百鬼夜行テラーテイルという事かな?』


 バイクにもたれ、景色を眺めながらライダーはつぶやく。


 『恐らくは…』


 『門脇さんの情報だと陰陽士だったはずだが…成長した…のかな?』


 まぁ、いい。


 ”口裂け女”を探しに来たが思わぬ収穫があったな。


 ライダーは、首を鳴らし、伸びをした。




-自宅-


 なんも収穫のない課外授業を終え早めに帰宅する。


 隙を見て、例の騎士を高橋に相談したが見た事もないと言われた。


 逆に情報収集して連絡しろと余計な注文が入った。


 本当に人使いが荒い。


 あぁ、もう。


 『ヤッホーッ。』


 陽気な声でカラスがやって来る。


 人の苦労も知らんと…


 『なんじゃい?』


 『アルバイトのお知らせ!』


 『間に合ってます。では、失礼します。』


 僕は、カラスに背を向ける。


 『ちょっと、冷たくない!』


 カラスが嘴で僕の肩をつつく。


 『痛い!痛い。本当にもういっぱいいっぱいなんだよ。


  これ以上、仕事増やすんじゃねぇ!』 


 『そこをなんとか、新進気鋭の柊様に!』


 『それ、この前も聞いたし、もうマジ無理、なんだっつーの。』


 僕は、まとわりつくカラスを手で払う。


 『非常事態なの。お願い、助けてプリーズ。』


 カラスは、器用に羽を顔の前で合わす。


 だが、どことなく余裕があるような気がするのは、なぜだ。


 僕の悪意か、被害妄想か。


 『聞くだけでも、なんとか~。』


 カラスは、僕の肩に乗り離れない。


 『聞くだけな!』


 僕は、念を押す。


 『あのね、抗争。黒連vs白鞘&黒連vs例の中国人グループ。


  被害甚大。要治療術者。』


 『僕、スパイ。顔広めてどうする。』


 僕は、鋭くカラスの額を指でつつく。


 『そこは、覆面でオケ。』


 『白鞘とダブルブッキングするかもしれんし。


  そもそも、体力的に限界なんだって。』


 『黒連特製の滋養強壮剤がございます!』


 『僕、まだ、15。こんな年からドーピングしたくない。』


 『大丈夫!若いんだから!』


 『物には、限度がございます!』


 『若い内は、買ってでも苦労しなさいよ!』


 『なんでお前が、キレてんだよ!普通、僕だろ!キレるのは!』


 『いつやるの?今でしょ!!』


 『無理でしょ!!』


 お互い一歩も譲らない。


 『仕方ないじゃない!治療術者ってレアなんだから。


  私の知り合いだと柊君しかいないの!


  女の子のお願いくらいどんと受け止めなさいよ。』


 『どんな理論だ!つーか、お前が女なのも今日初めて知ったわ!』


 『あら、そう?自分で言うのもなんだけど、結構、カワイイわよ。』


 『女の言う事は信用しない事にしている。』 


 『もう、いい加減にしなさいよ!時間は、別途指定するわ!』


 カラスは、言い放ち飛び立った。


 『えっ?』


 僕は、その場に呆然と立ち尽くすしかなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ