【第35話】「母の休暇と女子の休日」
今回は少し特別なお話。
お母さんが“温泉の街”へ羽を伸ばしに出かけたことで、ルミとあーちゃん、そしてポムは街でのんびりお買い物&食べ歩きを楽しむことに。
いつもの「異世界焼肉」とは少し違う、女子の休日をお届けします。
◆ 朝のルーティン
いつも通りの朝。
私、ポム、お姉ちゃん、そしてお母さん。
それぞれの場所から繋がる、いつものルーティンで一日が始まる。
けれど今日は少し違った。
お母さんが少し疲れた顔で、私たちにこう言った。
「ちょっと疲れが溜まったねぇ……三日ほど休もうかね。温泉でも行ってくるよ」
私は驚き、そして少し心配になった。
けれどお母さんもたまにはのんびりしたいはずだ。
そこで、御者のヒョウさんにお願いして、温泉の街まで送ってもらうことにした。
「無理はしないでね」
「大丈夫だよ、温泉に浸かってくれば、少しは若返るかもしれないしね」
お母さんは笑って手を振った。
私とお姉ちゃん、そしてポムは門まで一緒に見送り、旅立ちを見送った。
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◆ 女子の街歩き開始
「さて、今日は私たちだけの休日だよ!」
お姉ちゃんは珍しく楽しそうに声を弾ませた。
ポムも「ワン!」と尻尾を振り、散歩気分で跳ねている。
最初に訪れたのは、新しくできた雑貨屋さん。
店内は、冒険者が使うちょっとしたアクセサリーから、日常を彩る可愛い小物まで並んでいた。
お姉ちゃんは髪飾りを手に取り、私に押し当てて笑う。
「ルミ、これ似合うんじゃない?」
私は少し照れながらも鏡を覗き込み、「悪くないかも」と笑った。
ポムは首輪用の飾りを店員さんに付けてもらい、ご満悦。
次に向かったのは、新しくできたカフェ。
お昼時、私たちはスパイスの香りに誘われて入店した。
「辛いもの食べたい!」というお姉ちゃんのリクエストで、スパイシー焼きそばを注文。
私は汗をかきながら食べ、「ひぃー辛い!」と悶絶。
一方のお姉ちゃんは涼しい顔で「全然辛くない」とケロリとしている。
ポムは足元で大人しく座りながら、水を飲んで舌を出していた。
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◆ 甘いものは別腹
「次は甘いものね!」
お姉ちゃんが向かったのは、噂のパンケーキ屋さん。
ふわふわに焼かれたパンケーキが山盛りで出てくる。
私は「一枚で充分……」と思いながらも、甘い香りに誘われて結局ペロリと平らげてしまった。
「甘いものは別腹ね」
そんな私を見て、お姉ちゃんは得意げに笑いながら、なんと五枚を完食。
「やっぱり別腹って大事!」
横でポムは鼻をひくひくさせていたけど、砂糖は犬に良くないからとお水で我慢してもらった。
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◆ 夕暮れの帰宅
街を歩き回り、雑貨も食事も堪能して、私たちは少し疲れ気味。
「今日はもう早めに帰ろっか」
「そうだね、ポムも疲れたみたい」
家に帰り、残り物のお肉を使って「モツ鍋」を作った。
ぐつぐつと煮え立つ鍋を前に、エールを片手に乾杯。
お姉ちゃんと私はアルコールに弱く、すぐに顔を赤らめてしまい、そのまま眠りに落ちてしまった。
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気づけば夜。
テーブルの上には空になったグラスと、半分残ったモツ鍋。
そして……ポムの姿がなかった。
「ポム……?」
夢の中で名前を呼びかけた気がした。
けれど、その時はまだ——私もお姉ちゃんも気づくことができなかった。
異世界焼肉三連休初日
第35話「母の休暇と女子の休日」お読みいただきありがとうございました!
温泉へ旅立つお母さんを見送り、ルミとお姉ちゃんの街歩きと食べ歩きが描かれた回でした。
雑貨やカフェ、パンケーキにモツ鍋……少し日常回らしい雰囲気の中、最後にはポムが姿を消すという伏線も。
次回、ポムはどこへ……?




