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異世界焼肉  作者: 天坂 透真


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35/48

【第35話】「母の休暇と女子の休日」

今回は少し特別なお話。

お母さんが“温泉の街”へ羽を伸ばしに出かけたことで、ルミとあーちゃん、そしてポムは街でのんびりお買い物&食べ歩きを楽しむことに。

いつもの「異世界焼肉」とは少し違う、女子の休日をお届けします。

◆ 朝のルーティン

いつも通りの朝。

私、ポム、お姉ちゃん、そしてお母さん。

それぞれの場所から繋がる、いつものルーティンで一日が始まる。


けれど今日は少し違った。

お母さんが少し疲れた顔で、私たちにこう言った。

「ちょっと疲れが溜まったねぇ……三日ほど休もうかね。温泉でも行ってくるよ」


私は驚き、そして少し心配になった。

けれどお母さんもたまにはのんびりしたいはずだ。

そこで、御者のヒョウさんにお願いして、温泉の街まで送ってもらうことにした。


「無理はしないでね」

「大丈夫だよ、温泉に浸かってくれば、少しは若返るかもしれないしね」

お母さんは笑って手を振った。

私とお姉ちゃん、そしてポムは門まで一緒に見送り、旅立ちを見送った。


⸻


◆ 女子の街歩き開始

「さて、今日は私たちだけの休日だよ!」

お姉ちゃんは珍しく楽しそうに声を弾ませた。

ポムも「ワン!」と尻尾を振り、散歩気分で跳ねている。


最初に訪れたのは、新しくできた雑貨屋さん。

店内は、冒険者が使うちょっとしたアクセサリーから、日常を彩る可愛い小物まで並んでいた。

お姉ちゃんは髪飾りを手に取り、私に押し当てて笑う。

「ルミ、これ似合うんじゃない?」

私は少し照れながらも鏡を覗き込み、「悪くないかも」と笑った。

ポムは首輪用の飾りを店員さんに付けてもらい、ご満悦。


次に向かったのは、新しくできたカフェ。

お昼時、私たちはスパイスの香りに誘われて入店した。

「辛いもの食べたい!」というお姉ちゃんのリクエストで、スパイシー焼きそばを注文。

私は汗をかきながら食べ、「ひぃー辛い!」と悶絶。

一方のお姉ちゃんは涼しい顔で「全然辛くない」とケロリとしている。

ポムは足元で大人しく座りながら、水を飲んで舌を出していた。


⸻


◆ 甘いものは別腹

「次は甘いものね!」

お姉ちゃんが向かったのは、噂のパンケーキ屋さん。

ふわふわに焼かれたパンケーキが山盛りで出てくる。


私は「一枚で充分……」と思いながらも、甘い香りに誘われて結局ペロリと平らげてしまった。

「甘いものは別腹ね」

そんな私を見て、お姉ちゃんは得意げに笑いながら、なんと五枚を完食。

「やっぱり別腹って大事!」

横でポムは鼻をひくひくさせていたけど、砂糖は犬に良くないからとお水で我慢してもらった。


⸻


◆ 夕暮れの帰宅

街を歩き回り、雑貨も食事も堪能して、私たちは少し疲れ気味。

「今日はもう早めに帰ろっか」

「そうだね、ポムも疲れたみたい」


家に帰り、残り物のお肉を使って「モツ鍋」を作った。

ぐつぐつと煮え立つ鍋を前に、エールを片手に乾杯。

お姉ちゃんと私はアルコールに弱く、すぐに顔を赤らめてしまい、そのまま眠りに落ちてしまった。


⸻


気づけば夜。

テーブルの上には空になったグラスと、半分残ったモツ鍋。

そして……ポムの姿がなかった。


「ポム……?」

夢の中で名前を呼びかけた気がした。

けれど、その時はまだ——私もお姉ちゃんも気づくことができなかった。

異世界焼肉三連休初日

第35話「母の休暇と女子の休日」お読みいただきありがとうございました!

温泉へ旅立つお母さんを見送り、ルミとお姉ちゃんの街歩きと食べ歩きが描かれた回でした。

雑貨やカフェ、パンケーキにモツ鍋……少し日常回らしい雰囲気の中、最後にはポムが姿を消すという伏線も。


次回、ポムはどこへ……?


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