【第31話】「日常のざわめきと、それぞれの想い」
厄災との戦いから数日。
日常に戻った「異世界焼肉」ですが、確実に何かが動き出している気配があります。
今日は、ナオさんからの手紙、周囲のざわつき、そして常連たちの心境が描かれる回です。
いつもの朝のルーティン。
ルミ・ポム・お姉ちゃん・お母さん、それぞれの動きが織りなす日常。
穏やかな朝の空気の中、ルミは市場へ仕入れに出かける。
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◆ 香辛料屋ナオさんからの手紙
香辛料屋へ行くと、ナオさんの姿はなく、店番から封蝋つきの手紙を渡される。
「ルミへ。
しばらく旅に出ます。
この前の厄災の件、あれは偶然ではなく、もっと大きな流れの始まりかもしれない。
私なりにいろいろ調べてみるつもりです。必ず戻るから、それまで日常を大切に過ごしてほしい。」
ルミは胸がざわつきながらも、ナオさんらしい気遣いの言葉に少し安心した。
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◆ 風雷の決意
市場では噂も耳に入る。
風雷のメンバーは「守られるだけではいけない」と痛感し、毎日訓練に励んでいるという。
リーダーのエイトは「いつか俺たちが守る側になる」と仲間に語っていたらしい。
その話を聞いて、ルミは心が熱くなった。
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◆ ヒョウさんの達観
肉屋の前では、ヒョウさんが御者仲間に語っていた。
「命があっただけで十分だ。御者ってのは死と隣り合わせだしな」
そう達観しながらも、ルミに気づくと「でもルミちゃんには笑っててほしいな」と優しい言葉を添える。
その言葉に、ルミの胸は少し温かくなった。
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◆ えーさんの含み
店に戻り仕込みを終えると、七輪に炭を入れ、暖簾を掲げる。
「異世界焼肉、本日もオープンです!」
最初のお客はやはりえーさん。
落ち着いた仕草で肉を焼き、エールを傾けながらふと呟いた。
「……周辺がざわついているな」
「あんた、どういうことだい?」とお姉ちゃんが首を突っ込むが、えーさんはニヤリと笑い、
「ほら、たんかつらみ追加ね」と話をそらす。
——だが、その一言には確かに“含み”があった。
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◆ クローズ
夜更け、より坊がまたドワーフ腹で千鳥足。
片付けを終えたあと、お母さんが腕をしっかり伸ばしてポムに干し肉を差し出す。
「今日もよく頑張ったわね」
ポムはしっぽを振りながら干し肉を頬張り、満足げに目を細めた。
その姿に笑い合いながら、ルミは心の中でそっとつぶやいた。
「秘密を抱えながらも、異世界焼肉は続いていく。異世界焼肉、本日もクローズです」
第31話「日常のざわめきと、それぞれの想い」お読みいただきありがとうございました!
ナオさんの旅立ち、風雷の決意、ヒョウさんの割り切り、えーさんの含み……
日常の中に漂う“不穏”を積み重ねながら、次への伏線を仕込みました。
次回もどうぞお楽しみに!




