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異世界焼肉  作者: 天坂 透真


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【第24話】「新人冒険者チーム風雷、初来店!」

いつもの朝のルーティン。

そして今日はお姉ちゃんの仕入れの日。

私ルミは山芋のキムチを仕込みながら、新しいお客さんを迎える準備をしていました。

その日やってきたのは、初めて稼いだお金を手にした新人冒険者の4人組。

彼らとの出会いが、新しい常連客を生むことに……!


◆ 朝のルーティン


朝。

私の布団に潜り込んでいたポムは、お母さんが扉を半分ほど開ける前に必ずお姉ちゃんの布団に戻る。

そして「ワン」と短く吠えて挨拶。

お母さんは相変わらず少しだけ開いた扉から「起きなさいよー」と声をかける。


ポム、お姉ちゃん、お母さん、そして私。

この光景が、すっかり我が家の朝のルーティンになっていた。


⸻


◆ 山芋のキムチ


今日はお姉ちゃんの仕入れの日。

眠そうに背中を丸めながら出かけていく姿を見送ると、私は開店準備に取りかかった。


今日の仕込みは「山芋のキムチ」。

山芋は皮を剥いて拍子木切りにし、軽く塩を振って水分を出す。

そこに唐辛子粉、にんにく、生姜、ナンプラー、少量の砂糖を混ぜたヤンニョムを絡めれば完成。

粘り気と辛味が絡み合い、シャキシャキ食感がクセになる一品だ。


仕込みを終える頃には、お母さんの今日の一品「チヂミ」も焼き上がっていた。


七輪に炭を入れ、暖簾を掲げる。

「異世界焼肉、本日もオープンです!」


⸻


◆ 新人冒険者チーム「風雷」


最初に現れたのはいつものえーさん。

今日も変わらず、たんを一枚ずつ丁寧に焼いて食べている。

そんな中、店の入り口で賑やかな声がした。


「おまえが先に入れよ!」

「いや、そっちが行けって!」

「ここは俺が先陣を切ろう!」


入ってきたのは、4人組の新人冒険者。

どうやら初めて自分たちで稼いだ金で、うちの店に来たらしい。


お姉ちゃんはすぐに気づき、瞳に¥マークを浮かべながらも豪快に声をかけた。

「あんたら新人かい? ようこそ、異世界焼肉へ!」


4人は少し威張りながらも嬉しそうに入店した。


⸻


◆ 風雷の面々


リーダーは攻撃魔法使いのエイト。しっかり者で財布をきちんと確認しながら注文する。

剣士のシオンはひょうきん者で、下ネタを飛ばしてはお姉ちゃんにげんこつをもらっている。

僧侶のレイナは豪快な飲みっぷり。

武闘家のチュンはやんちゃで元気いっぱい。


姉はソムリエごっこ全開で、肉と酒を次々におすすめ。

「いいことがあったなら、まずはエールからだろ?」

新人たちは言われるがままに注文しながらも、気持ちよく酔い始めていた。

冒険者としての自信と誇らしさが、表情ににじんでいた。


⸻


◆ 山芋キムチとナオさんの名


私はそっとサービスで山芋のキムチを出してあげた。

すると、4人は驚いたように声をあげた。


「これ、ネバールの特産ですか?」

「そうよ。Sランク冒険者のナオさんから仕入れたの」


その名を聞いた瞬間、4人の目が輝いた。

「ナオさんかぁ……いつかあの人みたいに強くなりたい!」

「俺たちもネバールまで行けるくらいになろう!」


彼らにとってナオさんは憧れの存在らしい。

——やっぱりナオさん、すごい人だ。


⸻


◆ より坊とオチ


宴もたけなわの頃、より坊がふらりと現れた。

「若者よ、死ぬなよ」


その瞬間。

「縁起でもないこと言うな!」

お姉ちゃんのげんこつ、ポムの吠え声と甘噛み、そして私の激辛キムチが同時に炸裂。

より坊は涙目になり、他のお客は大笑い。

新人冒険者チーム「風雷」も腹を抱えて笑っていた。


その後、より坊はいつものようにレモン酎ハイを延々と注がれ、ドワーフ腹になって帰っていった。


⸻


◆ クローズ


片付けを終えると恒例のシーン。

お母さんが腕をしっかり伸ばし、ポムに干し肉を差し出した。

「今日もよく頑張ったわね」

ポムはしっぽを振りながら頬張り、満足そうな顔をした。


その姿に笑いながら、私は心の中でつぶやいた。

「異世界焼肉、本日もクローズです」


第24話「新人冒険者チーム風雷、初来店!」お読みいただきありがとうございました!

今回は新しいお客さん、冒険者チーム「風雷」が登場。

ナオさんへの憧れと、異世界焼肉での大盤振る舞いが、彼らを新しい常連へと導きました。


次回からは、風雷の4人も加わり、さらに賑やかな日常が描かれます。お楽しみに!


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