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異世界焼肉  作者: 天坂 透真


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第15話「ポム、初めての買い出し大冒険!」

いつもの異世界焼肉の日常。

けれど今日はちょっと違う。

看板犬ポムが、ついにルミと一緒に街の買い出しへ!

タッさんを驚かせたり、コージーさんから特別なお肉をもらったり……そして夜には、より坊とアーちゃんの掛け合いにまで一枚かんでしまうのです。

朝。ルミが市場へ向かおうとすると、ポムが「わふっ!」と玄関から飛び出した。

「え、ポムも行きたいの?」

尻尾をぶんぶん振る姿に、ルミは苦笑しつつ首輪をつけて一緒に街へ。


⸻


■ 八百屋ターザン

「お、ルミちゃん今日も仕入れか!」

「はい、ターザンさん。キャベツと大根を」


ポムが箱に鼻を突っ込んで「わふっ!」とくしゃみ。葉っぱが宙を舞い、ターザンは豪快に笑う。

「ははは! いい犬だな!」

「もう、ポムったら……」


⸻


■ 飛脚屋タッさん

縄を編んでいたタッさんの背後に、ポムが忍び寄り――「ワンッ!」

「うおっ!? な、なんだっ!?」

腰を抜かすタッさんに、周囲は大爆笑。

「犬にまで驚かされるなんて!」

タッさんは真っ赤になりながら「う、うるさいっ!」とむくれていた。


⸻


■ 肉屋コージー

「おや、今日はお供がいるのかい」

「はい、ポムです!」

「わふっ!」


コージーさんは笑って、特別な肉の塊を差し出した。

「これは干し肉にするといい。お母さんに渡しておきな」

「ありがとうございます!」

ポムには骨を一本。満足げにしっぽを振る姿に、ルミも笑顔になった。


⸻


夕方。七輪に炭を入れ、暖簾をかければ本日も開店。

異世界焼肉オープンです


思ったより客足は静かで、のんびりした空気。

けれど少し経つとカランカランと扉の音がして、お姉ちゃんのいつメン一行十二人がどやどや入ってきた。

「より坊! 耳ひっぱられてでも来ちゃったよ!」

お店は一気に満員御礼。商売上手な姉の強引さに、ルミは内心で苦笑する。


⸻


宴が始まれば、恒例のソムリエごっこ。

アーちゃんが「今日のおすすめはこちら!」と張り切る横で、より坊がまた余計なことを言いかけたその瞬間――


「ワンッ!」


ポムが吠えた。


場が一瞬静まり、みんな「おっ?」とそちらを見る。

より坊は口をつぐみ、代わりに爆笑が店中に響いた。

「お前よりポムの方が空気読めてるじゃん!」

叩かれる前に止めてくれたポムに、ルミは思わずサムズアップ。


その後も、より坊はレモン酎ハイをひたすら飲まされ、ドワーフ腹になるまで付き合わされていた。


⸻


夜も更けて、最後のお客さんを見送ったあと。

コージーさんからもらった肉は干し肉に仕立てられ、ポムにはご褒美に一切れ。

「今日もありがとね」

お母さんは腕をいっぱいに伸ばして、ビクビクしながらもポムへ差し出した。


——タッさんも、ターザンも、コージーさんも、より坊も。

今日もいろんな人に助けられて、この店は続いている。


「明日もきっといい日になる」

そう願いながら、異世界焼肉クローズです。


第15話「ポム、初めての買い出し大冒険!」をお読みいただきありがとうございます。

今回はポムが大活躍の回。買い出しについてきてはタッさんを驚かせ、コージーさんから特別なお肉をもらい、より坊の余計な一言を吠えて止めてくれる。

小さな看板犬の存在が、店にとってどれだけ大きいのかを描いてみました。


次回もまた、笑いと騒動に満ちた一日をお届けします!

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