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かるさば  作者: 茅原遥希
追想
9/12

救助

「ルーカス!!」


アリスの光によって俺たちの目に入ったのは、さっきより巨大なゴーレム、そして地面に横たわるルーカスだった。


「大丈夫、気を失ってるだけよ。」


アリスがほっと胸を撫で下ろした。


安心してる場合ではない、すぐにルーカスを避難させないと。


「リナリア、ルーカスを頼んだ。」


「はいっ」


リナリアはルーカスに浮遊魔法をかけようとしている。


倒せないにしてもせめて時間稼ぎをしないと。


ダリアはどうやら魔力を集中させている。


俺は水の球を召喚し、まだこちらに気づいていないゴーレムに向かって2つ発射した。


1つは惜しくもゴーレムを掠め、外したがもう1つが左足にヒットした。


表面の土が剥がれ落ちたが、魔力で強化されているのであろうか、大きなダメージを与えられなかったようだ。


ゴーレムはこちらに気づき咆哮をあげる。


しかし、ダリアが間髪入れずに魔力をゴーレムの左足に集中させると、破壊音とともに、爆発的に湯気が辺り一面に広がった。


少なくともこれで、ゴーレムは動けないはず、充分時間は稼いだはずだ。


リナリアとルーカスはもういない。


少し気が緩んだ。


この時を敵は待っていた。



突如砂埃が舞い、あっという間にこちらを包み込んだ。


俺たちは視覚を失い、ただ迫り来る砂と風から身を守ることしかできなかった。


そして、ゆっくりとゆっくりとおさまっていき、そこにただ1人立っていたのはパーティーから離脱していたニコルであった。


「ゴーレムを排除してくれてありがとう。

このでか物は私の能力とは相性が悪くてな。

おかげで強力な魔鉱石を手に入れることができた。

これでシオンに対抗する力が手に入った。」


「シオンに!?」

俺は訳がわからなくなった。


ニコルがスパイ?


「シオンを捕まえるつもりか?」


「あぁ、そうだ。

なんでも覚醒の情報を握っているらしい。

私は力のためならなんでもする。

例え学園と友人を裏切っても。」


ダリアが不意を突き、疾風を放った。


しかし、ニコルが同様に疾風をぶつけ、力を相殺した。


「そんな…」

アリスは絶望し、その場に座り込んだ。


「今度はこちらの番だ。」

ニコルは右腕でこちらの戦闘要員であるダリアを指すと、砂を含んだ竜巻が発生し、一瞬のうちにダリアの身体を投げ飛ばした。


「くそっ」


俺は砂と相性がいい先ほどの水の球をニコルに放った。


けれどもニコルの繰り出す疾風の前に、球は飛沫となり跳ね返される。


ニコルが透明な結晶を掲げる。

「立ち上がれ、ゴーレム、やつを叩き潰せ!!」


すると、動かなくなっていたゴーレムの左足が再生し、立ち上がる。


ルーカスはもちろん、リナリアは避難し、アリスは相変わらず動けず、ダリアは竜巻の衝撃で気を失っている。


俺たち自身の魔力も残り少ない。


絶対絶命だ。


「とどめだ。」


ゴーレムが右腕を振りかぶり、俺を目掛けて振り下ろす。


俺は目を閉じた。


バキッ


目を開けるとゴーレムの腕が崩壊していた。


「危ないところだったね。」


「やれやれ手がかかる。」


そこには2人の人物、


アヤメさんとシオンが立っていた。

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