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かるさば  作者: 茅原遥希
追想
4/12

疑惑

「転校生にダリアという女の子がいると思う。彼女には気をつけた方がいい。

彼女の魔法からは微かに闇の力を感じる。

精神的にストレスを感じると闇の力に目覚めることがある。

よく支えてやるべきだ。」


ダリアが?確かに人と好んで接しようとはしないが、悪いやつではない。

容赦ないやつだが…


待てよ、ダリアは今学期から転校してきたはずだ。

それにあの対人魔術の腕前から察するに、上位のソーサレスだ。


信じたくはないが可能性はある。


「はい。気をつけます。ですが、彼女が俺達に危害を加えることはまずないでしょう。」


「だといいけどね〜。」


いつもの調子に戻った。


「じゃあ、また。さっきも言ったけど、追われている身だからここに長居はできないんだ。

なお、このドアノブは証拠隠滅のため爆散呪文を施しました。危険ですのでお下がりください。」


彼は悪魔のような笑みを浮かべた。



意識が戻る頃にはとうに部屋は暗くなっていた。


リナリアの献身的な回復術のお陰で痛みが取れたが、シオンへの怒りは収まらなかった。


いたずらにも度が過ぎるっ


確かに彼が俺だけの意識に入り込んだということは、爆発によりばれなかったようではあるが。


ちゃっかり女性陣には防御魔法をかけているし。

いや、それはいいんだが気に食わない。


よし、もう先輩と呼ぶのはやめよう。


リナリアは俺に大丈夫?と心配してくれたが、アリスは上の空のようだ。


かなりシオンを心配しているんだな。


個人的には心配する気にはなれないが。


窓から真っ赤な西陽が部屋全体を照らしていた。



シオンの失踪は彼の自己責任だ。


俺にはあんなふざけた人に構ってる暇はない。


まず、日々の演習、また、2週間後の野外演習の準備を確実にこなさなければならない。


早く単位を取ってこの高校を卒業する。


俺達には時間がない。


卒業してこの退屈な世界から抜け出すんだ。

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