第18話 ふたりの好きなもの
10月26日。
この日は繋が家族と一緒にお出掛けしていた。
私は一緒ではなかったけれど帰ってきた繋から嬉しいお土産をもらった。
「はい、お土産!」
そうして渡してくれたのは猫をモチーフにしたイヤリングと私の大好きなプリンだった。
……えっ
嬉しい!
可愛い!!
しかもプリンまであるじゃん!♡
私の耳はピアスの穴を開けていない。
だからアクセサリーを選ぶならピアスではなくイヤリングになる。
繋はそれをちゃんと覚えていてくれたのだ。
しかも話を聞くと妹ちゃんにもアドバイスをもらいながら選んでくれたらしい。
……なにそれ。
めちゃくちゃ可愛いんだけど!
私が猫好きなこともピアスの穴を開けていないこともちゃんと分かってくれている。
それに家族と出掛けている間にも私のことを考えて、お土産を選んでくれたんだと思うと、なんだか胸が温かくなった。
ありがとう繋♡
ちなみにプリンはというと……。
これがまたすっごく美味しかった!
あまりにも美味しかったから、また買ってきてほしいと思ったんだけれど。
「ねぇねぇ!このプリンどこで買ったの?」
「……忘れた(笑)」
ガーーン!
忘れちゃったの!?
せっかくこんなに美味しいプリンに出会えたのに!
また食べたいのにぃ(泣)
……まぁ繋らしいと言えば繋らしいけど。(笑)
お店の名前は分からなくなってしまったけれど、プリンの美味しさとイヤリングを選んでくれた優しさはしっかり覚えている。
大切にするね。
ありがとう♡
10月31日。
この日は友達と飲みに出掛けていた。
友達との時間を楽しんだあと帰りは繋が迎えに来てくれることになっていた。
…こういうところ優しいんだよね。
夜遅くなっても迎えに来てくれる人がいるってなんだか嬉しい。
そして繋と合流。
普通ならそのまま家に帰るところだけれど……。
私たちはそうならなかった。(笑)
なんとそのままカラオケへ!
だって私たちカラオケが大好きなんだもん!(笑)
一緒に歌って好きな曲を楽しんで。
友達と過ごした時間も楽しかったけれど繋と過ごす時間もやっぱり楽しい。
特別な予定がなくてもこうやって二人で好きなことを楽しめる。
それってすごく幸せなことだと思う。
迎えに来てもらってそのままカラオケ。
……我ながら元気だなぁ。(笑)
でもそんな時間も私たちらしくて好きだった。
11月1日。
今日は繋と二人でお出掛け!
目的のひとつは繋のお洋服を買うことだった。
お店を見て回りながら繋に似合いそうな服を探していく。
せっかくなら本人が気に入るものを見つけてほしい。
私がいいと思うだけじゃなくて、繋自身が着たいと思える服。
そして無事にお気に入りが見つかった!
よかったぁ!
気に入る服が見つかると嬉しいよね。
自分の買い物じゃないのになんだか私まで嬉しくなってしまった。
……ねぇ繋。
次のデートではその服を着てきてね♡
楽しみにしてるから!
お買い物を楽しんだあとはいつものケーキ屋さんへ。
今回は柿のタルトとチョコレートのタルトを買ってもらった。
……ふふふ。
柿のタルトもチョコレートのタルトも美味しくてすっかりご機嫌な私。
繋と一緒にいると美味しいものを食べる機会が増えている気がする。
……これは幸せ太りに気をつけなきゃいけないかも?(笑)
でも美味しいものを食べている時間って幸せなんだよねぇ。
そしてこの日はまだまだ終わらない。
次に向かったのは歴史ある神社だった。
繋と手を繋いで境内を歩く。
……えへへ♡
こうやって手を繋いで歩くの好きなんだよね。
別に特別なことを話しているわけじゃなくてもいい。
隣に繋がいて、手を繋いで、一緒に歩いている。
それだけでなんだか嬉しくて自然と気分も足取りも弾んじゃう。
まさにルンルン気分!(笑)
そして近くのお店でジジのぬいぐるみを見つけた。
可愛い……!
ジジって本当に可愛いぃ。
猫好きな私にはたまらない。
すると繋がそのぬいぐるみを買ってくれた。
……えっ、良いの?
嬉しい!
数日前には猫のイヤリングをもらったばかりなのに、今度はジジのぬいぐるみ。
なんだか猫づくしだね。(笑)
でも、私が好きなものを知っていてくれることが嬉しい。
そして、それを一緒に楽しんでくれることも。
ぬいぐるみを買ってもらったことはもちろん嬉しかったけれど、それ以上に私の好きなものを繋も大切にしてくれているような気がした。
振り返ってみるとこの数日間は嬉しいことがいっぱいだった。
猫のイヤリングに大好きなプリン。
友達との飲み会のあとに迎えに来てくれた繋、そのまま楽しんだカラオケ。
一緒に選んだ繋のお洋服。
美味しいタルトに手を繋いで歩いた神社。
そしてジジのぬいぐるみ!
どれも特別に大きな出来事ではないのかもしれない。
でも、私にとっては一つひとつが大切な思い出だった。
繋は私の好きなものを知っている。
私も繋の好きなものをもっと知っていきたい。
何が好きで何をすると楽しくてどんなときに嬉しそうに笑うのか。
そういう小さなことをこれからも少しずつ知っていけたらいいな。
そして何より。
一緒にいない時間にも私のことを思い出してくれること。
一緒にいる時間には二人で笑って楽しめること。
そのどちらも私はすごく嬉しかった。
恋人同士だからって毎日何か特別なことが起こるわけじゃない。
でも、こういう何気ない日々の中にも幸せってたくさん隠れているんだと思う。
……あ。
そういえば、あのプリン。
結局どこのお店だったんだろう?
やっぱり、もう一回食べたいなぁ……。(笑)
――第18話 ふたりの好きなもの 終
ほのぼの回続きます。




