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新たな宝物
竜の頸の五色の玉の在り方はわかった。
あとは竜にあって交渉し、交渉が上手くいかなければ斬り捨てて奪い取るだけ。
神在國の海に出て、竜の出方を待った。
「…お出ましか」
「そなた、我の頸の玉を奪おうとしておるな?」
ぎくりとする橘に、竜は笑った。
「そなたら矮小なる人間の企みなど、我は気にせん」
「…そうか」
「くれてやっても良いぞ」
「…!」
「ただし条件がある」
なるほど、それはそうだろう。
「条件とは?」
「あの双子に、これを渡してほしい」
「…鱗?」
「竜の逆鱗である」
「…!」
いやはやどうも、と竜は笑った。
「歳になったら自然と抜けてしまってな」
「それをなんで双子に?」
「まあ、ひ孫だからな」
「!?」
「あれらは竜たる我の血を継いでいる。側は人間だが、竜の炉心があればこそのあの呪力よ」
とんでもない話になってきたと、橘は頭を抱えた。




