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14 頂上決戦(破壊の使徒)

 14 頂上決戦(破壊の使徒)



 破壊の使徒……コールドアースに存在する人外の一人である。

 彼は破壊と再生を司る超越者だ。175cmの長身に均整の取れた無駄のない痩躯。

 その破壊の力はありとあらゆる全ての者を砕く。その破壊の力に反して高い再生能力を持つ。

 破壊の使徒は喉の渇きを覚えるように飢えていた。

 自分を凌駕する強者の存在に。何処かにいない者であろうか。

 超越者たる自分を楽しませてくれる存在を常に探し、コールドアースを踏破する。

 行きついた先は聖地と名高い世界の中心に位置する氷の居城。

 そこにいるのはコールドアースの絶対的な存在である氷巫女……。

 彼女を倒し、この世界の頂点に立つのだ。抑えきれない破壊衝動が暴発する。

 氷の居城に辿り着いた破壊の使徒はその辺の有象無象を、ガラスを砕くかの如く粉々に潰した。

 プチっと潰した氷巫女の使徒の死骸に一瞥もせず、彼女が存在する超越者の間に辿り着く。

 氷巫女は氷の居城を荒らされて大変不快な様子であった。それでも破壊の使徒は意に返さない。


「破壊の使徒よ、私の聖域を荒らすとは言語道断……罰を受けて貰います」


 氷巫女は氷でできた杖を構えて臨戦態勢に入る。破壊の使徒は無表情で伺う。

 破壊の使徒とは言え、氷巫女の恐るべき力を十二分に理解している。

 何も無策で挑むわけではない。破壊の使徒にはそれなりの勝算があるからこそ、

 世界の主である氷巫女に挑むと言う暴挙に出られる。その秘策は取って置きのとっておき。


「氷巫女……破壊させてもらうぞ。破壊のオーラ!」


 破壊の使徒は全身に凄まじき超常エネルギーを身に纏う。

 これぞ、破壊の使徒の切り札……発動すれば無敵である攻防を兼ねる破壊のオーラだ。

 このオーラを身に纏えば、触れた者を全て粉々に砕くことが出来る。

 それが、圧倒的防御性能を誇る氷巫女でさえもダメージは通るのだ。

 破壊のオーラを身に纏った破壊の使徒は超速で氷巫女に接近する。

 破壊の力を纏った拳が、氷巫女の顔面を粉々に砕いた。勝負は一瞬だった。

 だが、氷巫女の身体は永久不滅の液体金属で出来ている。それは破壊の使徒も百も承知。

 氷巫女の顔面は見事に美しく再生を果たす。氷巫女もまた、類まれない再生能力を持つ。

 今度は氷巫女が仕掛ける。氷巫女は杖を天高く掲げて詠唱を始める。


「クリスタルレイン!」


 夥しい数の水晶の塊が無数に飛び散り、破壊の使徒へと降りかかる。

 破壊の使徒は、微動せず、破壊のオーラを全身に纏って無効化する。

 破壊のオーラは攻防一体……圧倒的な防衛機能と破壊の力を兼ねているのだ。

 言わば無敵と言える。この力を使いこなせば、氷巫女でさえも相手取れる事が証明された。


「私のクリスタルレインを完全に無効化しましたか。

 恐るべき防衛機能ですね。ですが、私に勝てる道理はない。

 ですが、所詮は闇属性のスキル……抜け道があるのです。聖属性のスキル『神聖なる波動』」


 氷巫女は杖先から、眩い聖なる光を放出させる。

 それに当てられた破壊の使徒が身に纏っていた破壊のオーラが、いとも簡単に消え去る。

 これで圧倒的防衛機能は完全に失われた。破壊の使徒は一転してピンチに陥る。


「この俺様が……破壊の使徒様が敗れる筈はないのだ!」


 怒り狂った破壊の使徒が神速の如き速さで氷巫女に何の策もなく突進する。

 破壊のオーラを失って虚を突かれて動揺を重ねた。それが敗因に繋がるのかどうか。

 破壊の使徒を迎え討つ氷巫女は表情一つ変えない。確実に破壊の使徒を葬り去ることに集中していた。


「破滅の防御幕ミラーバリアー!」


「何!? この俺様の身体が砕け散っていく……がああーッ!」


 聖なる防御幕が氷巫女を覆う。氷巫女に触れた破壊の使徒の身体は粉々に砕け散る

 ガラスのように砕け散った破壊の使徒の破片を氷巫女は容赦なく踏み潰した。

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