ロサンゼルスの戦い
その頃海岸では、、、
「第二波は工兵を中心とした要塞破壊の為の部隊だ、これで要塞を突破する、」
銃弾と迫撃砲が飛び交う戦場で船坂分隊長の穏やかな声が妙によく聞こえる、
「この要塞を?そんな無茶な‼︎」
彼の部下と思わしき人が反論する、
「すぐに要塞を突破する訳じゃ無い、第二波から第三波までこれが続く、」
だが船坂分隊長は依然として穏やかな声で返す、
そして後ろからガコンと言う音が聞こえた、
「さぁ、やるぞ、」
ドゴォォン!!!!!
後ろを振り返ると同時に轟音が聞こえた、
「よっしゃ!!!!!当たったァァ!!!!!」
上陸艇からそんな声が聞こえる、
放たれたのはおそらく日本軍の九八式五糎投擲砲である、
火薬を詰め込んだ弾が要塞に当たり、要塞の一部が崩れる、
順調に見えた、その時だった、
エンジンの唸り、鈍い鉄色、それは戦場のブルドーザー、
「敵戦車だァァァ!!!!!」
アメリカの戦車M26パーシングの群れである、
ドガァン!!!!!
「撃てぇぇぇ!!!!!撃てぇぇぇ!!!!!」
誰かが恐怖を振り払う様に叫ぶ、
次々に九八式五糎投擲砲を撃とうと戦車の強大な装甲を貫徹するまでには至らない、
「クソッ!!!!!無理だ!!!!!」
そんな言葉さえ聞こえる、
「もう無理だ‼︎一旦撤退して「どこに?」
船坂分隊長にそんな事を言ったが自分の考えの甘さに気づいた、
ここは海岸、上陸艇は壊れた、帰る手段は、、、無い、、、
「泳いで帰るのか?、それも良いだろう、出来たらの話だが、」
そんな言葉が戦場の喧騒の中ではっきりと聞こえた、
「総員、全弾撃ち尽くせ!!第三波が来るまでに出来るだけ仕留めろ!!!」
その声と同時に肉薄攻撃が開始した、
「ウォォォオォォォォオオオオオオオ!!!!!」
そんな声と共に弾丸と爆発の雨が戦車を飲み込む、
「隊長‼︎弾が切れました!!!!!」
弾は無限に持てる訳じゃない、すぐに無くなった、
「弾をかき集めろ!!!!!第三波まで耐えるんだ!!!!!」
戦車は初めは混乱していたが、
ドガァン!!!!!
50口径の90mm主砲が唸る、
「クソッ‼︎あと何分だ!?!?」
その時だった、
「第三波!!!!!増援だ!!!!!」
上陸艇から袋に包まれた爆薬を持った人が出て来る、
「おい‼︎竹下!!!!」
いきなり名前を呼ばれて何か分からなかった、
「鉄条網にその手に持ってる爆薬を仕掛けろ!!!!!」
そう言われてやっと理解した、
「了解!!!!!」
鉄条網に爆薬を括り付ける、
そして、
「点火するぞ!!!!!離れろ!!!!!」
「退避!!!!!退避ィ!!!!!」
ドガァァン!!!!!!!
ある物の上陸を阻む鉄条網は消えた、、、
「通信兵、ニイタカヤマ、送れ、」
隊長が隣に居た通信兵に話す、
「りょ、了解!!!!!」
そしてそれは来た、
ガゴンと言う木のボートでは無い、鈍い鉄の陸にぶつかる音、
日本の輸送艦、二等輸送艦だ、
そして輸送艦と言う事はつまり、
ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、
鳴り響くエンジン音、強大な主砲、
戦車を運ぶ船である、
「日本のチハだ!!!!!」
味方がそんな声を出して歓喜する、
日本軍は戦車競走で初期は装甲の有用性を分からずに居た、
開戦当初はアメリカの戦車にすら敵わずにいたが今は新しい戦車がある、
だが上層部は思った、2000両以上の大量のチハをどう処分するか、
そして行き着いた、処分するくらいなら使い潰せば良い、
そして二等輸送艦100隻を1945年から用意していた、
それによりこのロングビーチに800両以上のチハが雪崩れ込んだ、
ドガァァン!!!!!ドガァァン!!!!!ドガァァン!!!!!
1発でパーシングの装甲さえ貫徹出来ないチハでも集まればどんな物も貫いた、
パーシング達が火を吹いて爆発する、
瞬く間に要塞を57mm主砲が破壊する、
それに合わせて歩兵が流れ込んだ、
だが敵兵の多くは市街地に逃げ込んで居た、
そして要塞の突破により第五波が来た、
第五波は衛生兵を中心とし負傷兵などを治療した、
自分は怪我をしていなかったので市街地に行き、市街戦に加わろうとした、
だがチハの侵攻によりただ1人もいない捨てられた街を進軍するだけだった
我々はロサンゼルスの戦いに勝利した、
勝利したんだ、なのに夢にまで見た勝利に
余韻なんて無かった
ただ静かな現実と海岸に捨て置かれた死体だけが
この戦争を物語っていた
次回、サンフランシスコ電撃戦




