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夜明け 2-5
「依頼主は一人になってしまったマオさんをいつも心配していました。結果、マオさんは心を壊し、夢に囚われ自ら命を投げ出そうとするほど追い詰められてしまっていた」
アリウス様は並ぶ扉のうちの一つで足を止めました。
依頼主は怖い人だと思っていましたが、私の身を案じて、護衛をつけてまで護ろうとしたそうです。
怖い人ではないのでしょう。
ただ、どうしても"なぜ"と言う疑問が拭えないのです。
「自分の代わりに護って欲しい。依頼主はそう仰いました。ですが依頼主のことを伝えようにも夢に囚われたままでは、あなたが夢と現をどちらを現実とするかわからない。ですから隠してきたんです」
アリウス様はこんこんとノックをしてから、依頼の報告がありますと言って扉を開けました。
入らずに横にずれて、アリウス様は見馴れたお辞儀をします。
「あなたの目覚めを、彼はずっと待っていました」
アリウス様は病室に入らず、私はその病室に足を踏み入れました。
きょろきょろと、清潔に保たれた部屋は、必要最低限のものしか置かれていません。




