96/101
夜明け 2-2
「おはようございます。もう起きてたんですね」
アリウス様がひょこっと顔を出しました。
家の中でもあの仮面はしっかり着けています。
「肯定。アリウス、おはよう」
アリウス様がキッチンに立ち、カチャカチャと何かを作り始めました。
私はソファーから立ち上がり、邪魔にならないようアリウス様の隣に立ちます。
「わたし手伝う」
「助かります。朝食を終えたら、依頼主のところに行きましょうか」
私はその言葉に心臓がぎゅうっと締め付けられるのを感じて、頷きました。
アリウス様が朝食を作り、私はお皿やカトラリーを準備します。
ほどなくして簡単な朝食が出来上がり、食べ始めました。
「アリウス、朝食食べず?」
アリウス様は私の分だけハムエッグトーストやスープ、サラダを用意して、自分は新聞に視線を注いでおりました。
「朝はあまり食べませんから、寂しくさせてすみません」
新聞から視線を放し、見えませんが仮面越しに目が合います。
私は一人ではないだけでもありがたくて首を横に振りました。
「寂しい、否定。誰かのいる食卓、久しい」
会話はそれだけしたが、寂しさのない食事を終えて一息ついたらアリウス様は出かける準備をします。
お姉様達に書き置きと食事の作りおきを残していたので、私は書き置きに"お姉様方、お世話になりました"と書かせて頂きました。




