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安らぎの夜 1-1
差し伸べられた手を取り、アリウス様は私を引っ張って立たせてくださいました。
その手に一抹の不安を覚えなかったわけではありません。
私を探るように依頼した方、それだけを聞くとどうしても怖い方に聞こえてたまりませんでした。
私は寂しさや不安からくる涙を、アリウス様が差し出してくださったハンカチで拭います。
アリウス様は懐から懐中時計を取り出して時間を確認しました。
「さて、依頼主に会わせるにしても今日はもう遅いです、明日の朝会いに行きましょう。今日は俺の家で休んでください。姉達がいて少し騒がしいですけど」
アリウス様の家に招いてくださることを聞いて、私ははしたないですが内心すごくほっとします。
今はとにかく一人になりたくなくて、帰ろうにもあの家では一人であることをまざまざと突きつけられてしまうから。
本当に一人になってしまって、どうすれば良いかわからないのです。
「了承、わたしとても感謝。一人寒い、痛い」
私はぎゅっとアリウス様のハンカチを握りしめました。
心細くてたまらない。
そんな私を見透かして、下を向く私を前にアリウス様は膝をついて目線を合わせます。
小さい子どもを相手にしているようでした。




