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うつろのゆめ  作者: 狛ノ上緒都
現実編:第五話「夢の終わり」
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夢の終わり 5-3



マオさんはロザリオを握り、自国の言葉で食前の祈りを呟く。

小さなサンドイッチを、小さな口で食べ進めるけれど、ただ作業の様に咀嚼して飲み込む様に見えた。


今日はいつもより浮かない顔をしているのがわかる。

彼女は包みを綺麗に畳むと、夜が来るのを待って、下を向いて耐えていた。


ふと、彼女がぱっと顔をあげて隣を見る。

見えない家族が来てくれたんだ。


でも、今日はいつもより早い気がした。

マオさんは虚空を見つめると、途端にぽろぽろと涙を溢し始める。


自分でも驚いたのか、慌てて涙を拭おうとするも、涙は止まらない。

初めて見た彼女の涙に俺も驚いてしまった。


マオさんは震える声で"寂しい"とか細い声で呟く。

その後に聞こえたのは"一人は苦しい"そして、"同じところへ連れていって"と言う言葉だった。


なんだか嫌な予感がする。

幻覚が何を言ったかわからないが、マオさんは安堵の表情を浮かべていた。


ゆっくり立ち上がり、何かに誘われる様に黒い森へ入る。

見つからない様に、且つすぐにでも出られるようにある程度距離を保って彼女の後ろをついていった。


虚ろな目で一人でくすくす笑いながら、森の中をたどたどしく歩く姿を初めて恐ろしいと感じる。



長い間森を歩いた気がした。



マオさんは楽しそうに喋りながら森の深くまで歩いていく。

ひゅうっと、森の中に冷たい風が通り抜けた。

その風は潮の匂いを運んできて海が近いことを俺に知らせる。



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