夢の終わり 5-1
「長居する訳にもいきません。今日はこのくらいにしておきますね」
積み上げられた廃材と瓦礫の前で、俺は両手についた煤を払う。
空はオレンジ色に染まって、休憩こそ挟んだけれどこんな時間まで瓦礫の撤去を手伝ってしまった。
首筋を伝う汗が不快で、腕でぐいと拭う。
「それでは、失礼します。瓦礫が残っているのでまた手伝いに来ますね。くれぐれも一人で無理しないようにお願いします」
マオさんにお辞儀をしてから一言釘を刺す。
今日みたいに廃材を動かそうとしてケガされたくないからだ。
俺は早々に帰り支度を済ませる。
「早々帰宅?休憩推奨。わたしお茶入れる」
「お気遣いありがとうございます。ですが仕事がありますから」
せっかくの厚意だけども、俺は断ってしまう。
彼女を見守るのが仕事だから、厚意に甘えるのもいいけど単純に仮面を外すのが恥ずかしいからだ。
それを言ってしまうと彼女に気を使わせるから俺は口を閉ざす。
「アリウス、わたしとても感謝。しかし如何なる礼するべきかわからず」
ただ瓦礫を運んだだけなのに、純粋過ぎるのか借りを作りたくないのか、マオさんはどうお礼をしていいかわからずに深く頭を下げた。
どうすれば彼女が気負わなくて良いか思考を巡らせる
「マオさん、神様は喜んでおられますか?」
俺が投げ掛けた言葉で、マオさんはぱっと顔を上げた。
言葉の意味を考えているけれど、俺は言葉を続ける。




