交わる 4-9
「アリウス、ちゃんと家族ある。暖かい家ある。とても良いこと。アリウス仮面身につける。怖い人思うしてた、わたし」
俺はやっぱりかと納得して、あーと気の抜けた声を出した。
「何てこと無い理由なんですけど、ちょっと仮面をつけてないと落ち着かない性分なんですよね」
ただ目を見られたくないだけ。
それも昔両親に目を見ると石になる、心臓を奪われる。
なんて嘘を信じた結果だ。
「恥ずかしがり?」
「ははは、そう言うことです」
どちらにせよその延長で、顔を見られる事が恥ずかしいのには違いない。
俺は乾いた笑い声を漏らした。
ただ、少しずつマオさんは俺に慣れて来たのか警戒されていたのが薄れてきたかのように思える。
「もし仮面が怖ければ、明日から他の仮面を検討してみます」
「仮面、他にも所有?」
「はい。前にも怖いと言われたことがあったので、 いくつか揃えたんです。ただ、ねこちゃんやうさぎさんは姉達に止められました」
子供に好かれるような仮面なら大丈夫かなと思ったけど、いざ被って見ると姉達には大不評だったし俺も自分でわかるくらい不味いと思ってやめた。
彼女もそれを想像したのか、くすくすと柔らかく笑う。
「子供、それ見ると怯える。恐らく」
「はは、俺もそう思ってやめました。さて、休憩は終わりにしましょう。もう少しで一画が片付きそうです。今日はそこまでにさせて頂きますね」
俺はゆっくり立ち上がり、ぐっと腕を伸ばした。
俺が廃材を運びだしにいくと、マオさんも立ち上がり、俺の邪魔にならないように、気を使いながら、彼女でも運べる小さな廃材を探して運び出し始めた。
第四話 「交わる」終了




