交わる 4-7
「すみません、それは言えないんです。言ったとしても、今のマオさんは知らない方がいい」
俺は口元の前で、これ以上聞かないで欲しいと言う意味を込めて人差し指を立てた。
彼女の夢が覚めるまで知らない方がいい。
夢と現実がぶつかって、彼女がどちらを"現実"とするかわからないからだ。
それは彼女のためにも依頼主のためにもならない。
「ただ、少し時間を頂ければこちらから話します。それまでどうか」
俺は彼女の脇をすり抜けて、軽く頭を下げる。
瓦礫を片付け、 マオさんもなるべく危なくない、小石ほどの瓦礫を運び始めた。
それ以上何も聞かず、お互い何も喋ることもなくただ時間だけがすぎる。
「あ、アリウス!」
お互い背中を向けて廃材を運ぶ作業を繰り返していると、マオさんが口を開いた。
俺は手を止めて、彼女の方へ振り向く。
「どうしました?どこか手が足りないところでも?」
マオさんは俺に声をかけたは良いものの、何かを躊躇しているようだった。
アイスブルーの瞳に戸惑いを映して、視線がうろうろとさまよう。
「ひ、否定……。わたし対話望む。しかし不要と判 断……」
「対話……。ああ、気まずくさせてしまったのなら失礼しました。ですがお話ですか……。俺もあまりしゃべる方ではありませんからね……」
何か気まずく感じたらしく、ただどうしていいかわからなかったそうだ。




