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交わる 4-2
「マオ・シャオマオ。この教会のシスター兼、孤児院院長」
聞いていた情報と何も遜色はない。
俺はもう一つの依頼である、幻覚を幻覚だと認識させるために、少しだけ揺さぶりをかける。
「マオさん、改めてよろしくお願いいたします。実は俺、町で噂を聞いてこちらの様子を見にきたんです」
彼女は噂の事を何も知らないらしく、首をかしげた。俺は続けて説明する。
「なんでも、こちらに悪霊憑き、あるいは気が狂ったシスターがいると言う話を聞きました。俺はある方に、その件でここに来るように依頼され、この教会にいるシスターの様子に探ってほしいと頼まれたんです」
彼女は驚き、ショックを受けた様子で口を覆った。
悪い噂を聞かされて心が傷んだのか、顔に暗い影を落とす。
演技ではなさそうで、自分が幻覚を見ているなんて思ってもいなさそうだ。
「ひ、否定。わたし悪霊憑き違う。精神安定、思考正常。きっと何かの勘違い」
俺はそれ以上は口を閉じる。
やはり彼女は心を壊して、夢に逃げ込んだんだ。
口を閉じると言うよりも、何も言えなくなって"そうですか"と答えるしかなかった。




