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うつろのゆめ  作者: 狛ノ上緒都
現実編:第一話「手紙」
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手紙 1-1



少し前に、大きな落雷と火事があったらしい。

その火事で町の外にある森と教会が焼き付くされたと言う話だ。


今朝の新聞の一面に書かれた記事を見ながら、俺ことアリウス・アルトリウスはコーヒーを飲んでいた。

大通りに近い窓からは、火事なんて気にもしていない人々の楽しそうな喧騒が聞こえてくる。


そんな喧騒の一部が、玄関からどたどたと聞こえてきた。

俺はコーヒーを飲むためにはずしていた仮面を一応つけて、玄関に向かう。


「ただいま~!っは~疲れた!」


きらびやかで上品なナイトドレスに、とってつけただけの合わないぶかぶかのコートを羽織った女性が騒がしく入ってきた。

俺と同じ真っ白の髪を結い上げた、夜の蝶だ。


「お帰り、アイリス姉さん。今日は随分遅かったね」


夜の店で働く姉から、小さなバッグを受けとる。

アイリスと言う名前の似合う綺麗な女性は、品もなく乱雑にハイヒールを脱ぎ捨てた。


「ちょっと色々あってねぇ。もー眠いしお腹空いた!アリウス、今日のご飯なに?」


アイリス姉さんが脱ぎ散らかしたハイヒールを揃え、その背中を追ってコーヒーの匂いの残るリビングに入る。


「胃に負担かけないためにクリームスープや軽食は用意してるよ。ちょっと、着替えるなら部屋に行きなってば」


姉のバッグを棚の上に置き、スープを温めなおすためにキッチンに立って背中を向けた隙に、姉は恥ずかしがる様子もなく繊細なドレスを乱暴に脱ぎ捨てた。



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