虚ろの夢 9-4
「マオさん!夢に逃げたって、覚めれば惨めになるだけだ!」
子供たちの姿が、消えたり、現れたり、不安そうな顔が、遊んでいた頃の笑顔に見えたり。
シャオランだって、そこにいるのに。
こんなに、はっきりと見えているのに。
私はおかしくなんて──
『だったら目覚めなければいいのです!一人ぼっちの朝日よりも、私は子供たちといた夜の夢見ていたいのです!』
私はつい叫んでしまいました。
その声に驚く子供たちはいつの間にかいません。
怒りに満ちているからでしょうか。
それとも子供たちがいない絶望からでしょうか。
両目から涙がぼろぼろと落ちています。
『あなたが目覚めないと、あなたに会えない人がいるんです!』
アリウス様の言葉に、私は驚いて声を失いました。
その言葉の意味を理解したからではございません。
アリウス様が使われた言語です、それは私の故郷の言葉。
彼が理解出来ないと思っていた国の言葉でした。
「マオさん、どうか夢から覚めてください。子供たちが本当はいないこと、気づいていたのでしょう」
アリウス様は小さな子供に語りかけるように私を諭します。
私はその場にへたりこんで、泣くしか出来ません。
降り注ぐ月の光がつくるのは二人ぶんの影だけでした。
「肯定……肯定……。しかし認められず。認めれば、わたし一人ぼっち。子供たちわたしの家族。例え夢でも、わたしの家族」
夢でも良かった。
寂しい時に寄り添っていてくださいましたから。
ですが私の欲が夢から覚める引き金になってしまった。




