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うつろのゆめ  作者: 狛ノ上緒都
夢編:第八話「明けない夜」
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明けない夜 8-3



『今日はサンドイッチにしましょうか。子供たちも一緒に食べてくださるなら良いのですが、一人ですとどうも作る気が起きなくて困りますね』


家の中をゆっくり歩きながら、テーブルに指を這わせます。

いつ子供たちが帰ってきても良いように綺麗にしていますから、埃が指先につくことはありませんでした。


『夕食はお外で頂きましょう。ここは酷く冷たくて痛い』


家に長居するのがだんだん辛くなって来て、この家のどこにも子供たちの姿が無いこと。

子供たちの笑い声の聞こえない静寂が、辛くて辛くて仕方ありません。


私はキッチンで卵や野菜を挟んだだけのサンドイッチを作り、包みを持って外に出ました。

空は薄い紫に染まっており、もうすぐ日が暮れて、夜がくる。


子供たちに会える夜がくるのです。



私は昨日シャオランと話した倒木に腰掛け、サンドイッチの包みを開きます。

ロザリオを握り、食前の祈りを唱えました。


『父よ、あなたの慈しみに感謝してこの食事をいただきます。ここに用意されたものを祝福し、わたしたちの心と体を支える糧としてください』


祈りは大切です、信仰だって薄れてはおりません。

ですがいつも唱えるたびに子供たちの事ばかり考えてしまうのです。


私は一人で祈りを済ませると、サンドイッチを食べ始めました。

スポンジを食べてるかのように、ただ柔らかいだけのものを咀嚼して飲み込みます。



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