昼と夜 7-6
「依頼主、何者?」
私は努めて邪魔にならないように、瓦礫を運ぶアリウス様の後をついてまわります。
アリウス様が先ほどの廃材に寄り添わせるように瓦礫を置いたあと、手についた汚れを払い、こちらに振り向きました。
表情の見えない仮面が私を射抜きます。
それがなんだか怖くて、私は一歩後ずさってしまいました。
「すみません、それは言えないんです。言ったとしても、今のマオさんは知らない方がいい」
アリウス様はそれだけ述べると、瓦礫を運ぶ為に私の横を通り抜けて行きました。
シャオランからアリウス様に対して警告されても、彼は悪人なのか善人なのかも判断つきません。
アリウス様は足を止めて、振り返ります。
「ただ、少し時間を頂ければこちらから話します。それまでどうか」
これ以上この話に触れるな、そう願うような懇願する口調でした。
アリウス様は普段誰かに仕える仕事をしているのか、執事の様に優雅に一礼したあと、自分の役割を果たしにいきます。
私はアリウス様の話してくれる時を待つ他ありませんでした。
私も作業に戻り、お互い何も喋ることの無い気まずい時間が流れました。
「あ、アリウス!」
私は沈黙に耐えきれず、集めたガラスや石壁だったものの欠片をまとめ、黙々と廃材を移動させるアリウス様に声をかけます。
アリウス様はわざわざ手を止めて、私の方に向きました。




