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うつろのゆめ  作者: 狛ノ上緒都
夢編:第六話「来訪者」
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来訪者 6-2



私はまず高い場所にある煤を手箒や雑巾で落とし、拭っていき、黒く汚れた布も洗濯するためにまとめて行きました。

バケツで水をくみ、居住区の床を水で満たすとブラシでごしごしと磨きます。

水が真っ黒になるころ、いつもの明るい木の色が見えてきました。


『次はお洗濯ですね。たくさんありますから、先に御神にご挨拶しましょう』


私は家中の黒くなった布を持って、雨ざらしの聖堂に向かいました。

外へでると、昨日の悪天候が嘘のように清涼な空気と暖かな陽光があたりを照らしています。


雨ざらしにされてしまった神の像も、憂いなど漂わせず雄々しく天を仰いでいました。


『神よ、今日だけはその寛大な御心に甘えさせていただくことを、どうかお許しください』


一度洗濯籠を置いて跪き、ロザリオを握りしめ私は神へ祈ります。

しん、と空気が静まりかえり、私は目を閉じて心の中で神と対話しました。


冷たい風が頬を撫でて、私はようやく目を開き、立ち上がります。

神への祈りをすませ、挨拶をしてから私は立ち去りました。


教会の外に出ると、変わり過ぎた焼け野はらが広がります。

兵士様の立てた石も変わらずそこにありました。

それを見ると、ぎゅっと胸が締め付けられます。



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