神様のいない日 4-3
「キミ」
ずっとそうしていると、兵士様が帰ってきました。
私はゆっくり顔をあげて、教会のあった場所に目を向けます。
弱まっていたとは言え、ずっと雨が降っていたのが幸いしたのか炎はもうほとんど消えかけていました。
それとも燃やすものがなくなったからかもしれません。
「聞くのは辛いと思う。それでも知らせた方がいいと思って……」
地面は濡れていると言うのにそれも気にすること無く兵士様は膝をつけて、私の目を覗くように語り始めます。
ですが、その言葉でどんな話かは察しがついてしまいました。
「まず、子供たちは溺死体で亡くなっていた。井戸の中にいたんだ、キミと同じ毛色の青年と」
ああ、シャオランが子供たちを助けるために深い井戸に飛び込んだのでしょう。
シャオランがいてくれてよかった。最期まで護ろうとしてくれていたのを知れただけでも良かった。
それでも深い井戸に地上と同じ量の空気があるとも限りません。
加えて炎が酸素を奪っていたのです、それだけでも私を絶望させるに十分でした。
「彼らにお別れを言うかい」
私は首を横に振りました。
お別れは言いたいです、ですが最後に見たのは出かける前の子供たちの笑顔が良いのです。
「それがいい……。それと、青年の方は、あっ!」
その先はもうわかりきっていました。
ですからもう聞きたく無くて、頑張ってくださった兵士様に何も言わずその場から逃げ出してしまいました。




