尊ぶべき日に祝福を 3-9
などと考えていると、店主様はカウンターから小さな瓶も出しました。
それは砂糖でも蜂蜜でもなく、ピンクや薄い緑色、黄色に水色の飴玉が詰まった小瓶です。
「ご主人、これ……」
私は不思議そうに店主様と小瓶を見比べますと、口を閉ざしていた店主様が重い口を開きました。
「アンタ、丘の上の孤児院のシスター先生だろ。ガキ共の土産にでもするといい」
低く、感情の表れにくい声です。
私が値段を聞くと、無粋な質問だったのか砂糖と一緒に瓶を籠に入れてくださいました。
「ご主人、深く感謝!」
私は深くお辞儀とお礼を述べます。
籠を持って、笑顔と共に店を出ようとしました。
店主様は新聞を読み始め、私の事を知らんぷりしています。
「待て」
ドアノブに手をかけたところで呼び止められました。
振り返り優しい店主様の顔を見ると、突然鈍く光る何かを投げられます。
私は慌ててそれを受け止めると、私が先ほど出したお金のほんの一部でした。
「ご主人?」
支払いは多かったわけでもなく、ぴったり支払った筈。
不思議に思い店主様に問いかけると新聞から目を話さず「教会の募金だ」と答えました。
私は心が暖かくなって、もう一度深くお辞儀をしてから店をあとにします。
ドアに取り付けられた窓越しに手を振ると、店主様はちらりと一瞥するだけでした。
クッキーが焼けたらお裾分けに来よう、と決めて再び必要なものを探し始めます。
次は子供たちの喜びそうなものです。




