1. 異世界の迷い人
少しだけ冷静になった頭で、狼が現れる前に引き返そうとした『大きな木がある場所に続く山道』から『元の場所』に戻ることができないかを確認していなかったことに気付いた。川や河原、橋がなかったことで、『違う場所』であると判断してしまっていたけれど、生垣のような低木はそのままあって、一箇所だけ途切れているのだ。
「あの、すみません。街に行く前に少しだけ行きたいところがあるんですけど、行っても良いですか?」
「あぁ、いいぞ」
男性に許可を取り、生垣のような低木の間を通って先に進んだが、そこに山道はなく、片側が斜面になっているわけでもなく、定間隔で木が生えているだけだった。
山道も消えている。念のため周りを見渡してみたけれど、生垣が途切れているのはここだけ。一縷の望みをかけて15分程歩いてみたけれど、視界が開けることも、大きな木が見えることもなかった。
これでは裏山に戻ることは出来ないだろう。私達が帰ってこなくて、おばあちゃんが心配しているかもしれないのに、どうすることもできない……。
まだどこか現実として受け入れられていないが、見知った場所がないという現実が心に重くのしかかる。玲央や玲奈は裏山に戻れないことに気づいているのだろうか。いつもと変わらない感じの双子の様子を窺っていると、男性から声が掛かった。きっと私の様子が変だと気づいたんだと思う。
「大丈夫か?」
「あ、大丈夫です。……すみません、探し物が見つからなかったので、ここから街に向かえますか?」
「あぁ」
どこも見渡す限り空と草木だけで街の方角もわからないけれど、今いる場所から街までは少しだけ距離があるらしい。
「もし、途中で疲れたら遠慮なく言ってくれ。休憩を挟もう。俺が抱えて運ぶこともできなくはないが、森の中はまだグレイウルフや他の魔物も出てくるからな」
「じゃあ、まものがでなくなったら、だっこしてー」
「こら、玲央」
「あぁ、いいぞ。後でな」
そう言って男性は玲央の頭を撫でた。マジックバッグを見せてもらって興奮した玲央は、既に男性に懐いていて、興味津々に男性に話しかけている。
「ねぇ、おじさん!」
「お、おじさん……? 俺はまだ25なんだが」
「おじさんのなまえをおしえて」
「俺はデュークだ」
「デュークおじさん!」
「くっ……まぁ、この子達から見たらおじさんなのか……」
玲央からおじさんと言われてダメージを受けたようで胸元を手で押さえている。男性もといデュークさんを改めて観察してみると、おじさんではないと思う。清潔感のあるサイドパートショートの琥珀色の髪、切れ長の翡翠の瞳を持つ精悍な顔立ちに鍛え抜かれた体。アニメや漫画でよく見る冒険者とか戦士のイメージにピッタリ。ただ、子供からは近寄りがたく、少し怖がられることもありそうな見た目だとは思った。助けてもらったからか、玲奈も特にデュークさんを怖がってはいないようだ。5歳の双子から見ればおじさんになってしまうのは仕方ないと思う。
「で? デュークおじさんは何をしてるひと?」
「職業で言うなら冒険者だな。でも、色々なところを旅しているんだ」
「たび?」
「あぁ。美味しいものを食べたり、いろんな景色を見たり、新しい発見もあって楽しいぞ。他の種族に会って、彼らの文化に触れるのも面白いんだ」
「ぼうけんだね! たのしそう」
「そういえば、レオ達は髪も瞳も黒で珍しいな。身に着けているものや服も初めて見るものだが、どこの出身なんだ?」
「にほんだよ!」
「ニホン? 聞いたことがないが、大陸のどの辺りにあるんだ?」
「え? ここ」
「ここ……?」
「うん、デュークおじさんも、いなかにあそびにきたんじゃないの?」
「いなか? ここはエルバ国側のオルトキアの森だが。この辺りにニホンという街や村があることは聞いたことがないな。ジェンマで聞いてみるか」
「ジェンマってなに?」
「これから俺たちが向かう街の名前だよ」
「おばあちゃんがすんでるところ?」
「君達の祖母はジェンマに住んでいるのか?」
「ジェンマってはじめてきいた。きゅーしゅーにすんでるってきいたことあるよ!」
「キューシューとは別名か? それなら、君たちはこれからジェンマに住む祖母に会いにいくのか? オルトキアの森を経由しているからフィオーリ国から来ているんだろうが、フィオーリからエルバには森を抜けなくてももっと安全な道が幾つかあるだろう。なぜ森を抜けることにしたんだ?」
「フィオーリ? ちがうよ。とーきょーだよ」
「とーきょ? それも初めて聞くな。もしかして、君たちは大陸外から船に乗ってきたのか?」
「にほんは、たいりくじゃなくて、しまぐにだよ。ふねはのってない。しんかんせんで、きた」
「そうか……」
デュークさんは東京も日本も知らないという。デュークさんと玲央の会話は噛み合ってるようで微妙に噛み合ってないし、玲央の回答によって、デュークさんも混乱しているようで、考え込んでしまった。
どんどん異世界にいる可能性が高まっている。……いや、おそらくここはもう異世界だということで間違いないんだろうと考えをまとめたところで、ハッと気が付いた。
デュークさんにこのまま街まで連れていってもらったとしても、ここが異世界だとすると、その後はどうすれば良いのかわからない。異世界のことは何も知らないし、家もない。身分証やお金も持っていない。デュークさんから情報を色々と聞く必要がある。
さっきはデュークさんを不審者みたいだと思ったけれど、デュークさんからしたら私達の方が不審者だ。街に行くまでに出来る限りデュークさんと話をしようと思ってデュークさんを見る。
「迷い人……」
デュークさんがポツリと呟いた。
「もしかして、レオ達は迷い人、なのか?」
「……まよいびとってなに?」
デュークさんは自問していたようだが、それに玲央が反応した。
「迷い人について詳しくはわかっていないが、確か学生の頃に読んだ本に迷い人についての記述があったんだ。俺は昔から他の国にも興味があって、様々な国の本を読んでいたんだが、この世界には稀にこことは違う別の世界から人や物が迷い込むらしい。迷い込む理由や原因、原理——どうやって迷い込むのかについてはわかっていないが、それを迷い人や迷い物と呼ぶって話だ。その本には、過去に迷い人としてこの世界にきた人がいたってことと、その人の功績について軽く触れられていただけだが。君たちの反応からすると、ジェンマもエルバもフィオーリも知らないんじゃないか? 見た目からしてもこの辺りの出身ではなさそうだから、迷い人の可能性もあるかもしれないと思ってな」
デュークさんの情報はとても有用だった。違う世界から迷い込む、まさに私達の状況に一致している。この流れで伝えるしかないと思って、玲央とデュークさんの話に割って入ることにした。
「あの、デュークさん。私達はその迷い人かもしれないです。自宅の近くの山に遊びに出かけたはずなのに、見たこともない場所に出て、狼に襲われそうになって、そこでデュークさんに助けられました。来た道を戻ったら裏山に戻れるかもしれないと思ったけど、道がなくなっていました……。デュークさんから聞く地名も情報も初めて聞くものばかりで、私たちの世界とは違う場所にいるんじゃないかと思いました」
「えっ! ちがうせかい?」
「おばあちゃんちに、かえれないの?」
「私も状況がわかってないの。だから、あとでゆっくりお話ししようね」
玲央と玲奈は異世界については理解していないかもしれないけれど、なんとなく家に帰れないということがわかったらしく、不安そうに私にギュッと抱きついた。
「そうか……君たちは、迷い人なのか。俺が知っているのは違う世界から迷い込むという情報だけで、申し訳ないが、元の世界に帰る方法についてはわからない」
「……」
「すまない……。君たちが元の世界に戻れるように迷い人の情報は探してみるつもりだが、元の世界に帰れる方法が見つかるのかは約束できない。もしかしたら、帰る方法がない可能性もある……」
「はい、わかってます。デュークさんが謝ることでもないです。誤魔化さずにちゃんと教えてくれてありがとうございます」
デュークさんは、迷い人については学生の頃に読んだ本に書いてあったと言っていた。それなら、一般的に知られているものではなく、情報を探すのも相当大変かもしれない。召喚ものの作品では元の世界に戻れないという展開はよくあるが、気づいたら異世界に居て、元の世界に戻る方法がわからないなんて、そんなことが自分の身に起こるなんて……。
「君たちが元の世界に戻れるように色々と出来ることはするつもりだ。そうだ。君たちの名前と年齢を教えてもらえるだろうか?」
そういえば、玲央しか自己紹介をしていなかった。
「私は今野杏奈で、14歳です。杏奈が名前です。この子は玲奈で、玲央と双子の5歳です」
「アンナとレナだな。アンナは14か……まだ未成年だな。ここでは成人は16なんだ。君たち3人以外には一緒にきた人はいないんだよな?」
「はい。私たち3人だけです」
「そうか」
話しながら街に向かっていたのでだいぶ街には近づいていたらしく、木々の隙間から遠くに建物らしきものが見えてきた。
森を抜けると街まではまだ距離があり、森との間には平行に石塀が築かれていた。見える範囲にある門は一箇所だけのようで、そちらに向かっていたが、デュークさんは足を止めて振り返った。
「街に入る前に話をしたいんだが良いか?」
「は、はい」
「では、そこの岩に座ろう」
道から少し外れて、大きめの岩が幾つか置かれている場所に移動し、座りやすい岩に腰掛ける。玲央と玲奈にはお菓子を渡して、少しだけ大人しくしているように伝える。
「君たちは3人だけで、おそらく別の世界からこの世界に来た迷い人だろう。ただ、迷い人については情報がなさすぎる。おそらく一般的には、特に平民は迷い人を知らないだろう」
「あの、平民って、この世界は王族とか貴族とか平民みたいな身分制度とかがあるのでしょうか?」
「あぁ、詳しいな。その通りだ。基本的には王族、貴族、平民と身分が分かれている王国が一般的だな」
「そうなんですね……」
「国にもよるが、平民は識字率が高くないから、本を読むことはあまりない。迷い人が頻繁に現れる国なんかがあるとしたら、もしかしたら、情報を秘匿している可能性はあるが、そもそもそんな情報が存在するのかもわからない。俺が読んでいた本を取り寄せて、本に書かれていた国に関する本を探したり、その国に行って探すことも出来るかもしれないが、時間は掛かるだろう」
「はい」
「それで君たちが元の世界に帰ることが出来るまでは、この世界で暮らしていくしかないが、今、未成年の君たちには選択肢が限られている。だから希望や意見を聞かせてくれないか」
「わかりました。どんな選択肢があるのでしょうか」
「まず、一つ目。これから行くジェンマで後見人を探す。オルトキアの森に近い街にいれば、何らかの条件で元の世界にも戻りやすいかもしれない。もし、後見人が見つからない場合は、アンナが成人するまでは孤児院に入ることになるだろう」
「後見人って見つかりやすいのでしょうか?」
「すまない。実はジェンマは初めて行く街なんだ。だから、後見人が見つかりやすいかは、わからない」
「そうですか……。あの孤児院というのは?」
「主に教会が管理していることが多いが、その地域の貴族の寄付によって運営されている。親がいない子供達を成人するまで保護してくれる施設だ。教育や孤児院の方針、状態については直接確認しないとわからないな」
「あの……すぐに判断しないとダメでしょうか?」
「いや。君たちの将来に関わる話だからな。ジェンマで孤児院なども訪問してみよう。ゆっくり時間をとって考えて決めれば良い。もし、ジェンマで納得できないのであれば、別の街に行けば良いしな」
すぐに判断しなくても良いと聞けて良かった。初めて行く場所で何もわからないのに決めることなんて出来ない。玲央や玲奈には辛い思いはさせたくないし。今のところ、唯一のメリットは森に近いということだけで、後見人が見つかるのは賭け、見つからないなら孤児院。創作物で出てくる孤児院は衛生環境が良くなかったり、運営が悪どいやつだったり、街の人からの差別を受けるイメージが強い。当たり外れもありそうなので、ちゃんと見極めてからでないとリスクが高そう。
「あの、2つ質問していいですか? 後見人が見つかった場合は、その後は何をすれば良いのでしょうか? あと、孤児院に行った場合ですが、成人したらどのような仕事に就けますか?」
「後見人次第だが、例えば富豪や貴族なら、学校に通ったり、家庭教師から色々教わって、将来的には家業に関わる仕事をするだろう。しっかり条件を決めておかないと、家のための結婚もあるかもしれない。孤児院では成人までは、シスターのお手伝いや小さい子達の面倒を見たり、街の人から簡単な仕事を頼まれたりすると思う。成人後は、読み書きができれば近くの店とか商会で働いたり、男の子であれば騎士や冒険者を目指す者も多い」
家の都合での結婚なんて絶対無理だよ。価値観どころか文化も違うのに納得できる後見人なんて見つからないかもしれない。そうなったら孤児院だけど。万が一生活水準も高くて良い孤児院だとしても、小さい子供達の面倒を見るのかぁ。双子の世話は確かに慣れてるけど、保育士を目指したいわけでも、子供の世話がやりたいことでもないからなぁ。あまりこの選択肢には惹かれないのが正直なところかな。
「わかりました。ありがとうございます。あとで質問が出てきたら、その時に質問しても良いですか?」
「あぁ、いつでも気軽に聞いてくれ。次の選択肢だが、一つ目に近い。俺の家族に後見人になってもらうという案だ」
「デュークさんの家族?」
「あぁ。俺の両親は子供好きでね。君たちの話をすればきっと後見人になってくれるはずだ。俺は冒険者をやっているが、ソーレ王国のガーランド伯爵家の生まれなんだ。現伯爵は兄さんで、カントリーハウスの本館には兄さんの家族が住んでいるが、別館には俺の両親が住んでいる。貴族だから身分も保証されている。お金の心配もいらない安全な生活になることは約束できる。学びたいものがあれば家庭教師を雇ってくれるだろう。ただ、辺境で魔物が出るから、自分の身を守るために、ちょっとした武術や剣術を学ぶ必要があるかもしれない」
デュークさんて貴族だったんだ…。このデュークさんの両親や家族であれば良い人そうだけど、貴族ってなんか窮屈そうなイメージがある。
「あの、デュークさんのご家族ってどんな方々なのでしょうか?」
「うちは辺境だから、王都みたいに上品だったり、洗練されてはいないな。あと、ガーランド家は皆戦える」
「魔物は結構出るんですか?」
「あぁ。有事の際には総出で戦うが、定期的にガーランド家の騎士団が間引いたり、日々領内の巡回と警備をしているから、領民が危険に晒されることはほとんどない。アンナ達が行っても魔物と戦うようなことは、ほぼないだろう」
「なるほど。あのソーレ王国はここからどのくらい離れているのでしょうか? あと、どういう国ですか?」
「ソーレ王国はここから国が5つも離れているから、ソーレ王国に行く場合、時間は掛かる。ソーレ王国は隣国との関係は悪くない。強いていえば、暑いのが苦手だと少し大変かもしれないな。年中暖かいが、日差しが強くて暑い時期もあるからな」
「ソーレ王国までここからだとどれくらいかかりますか?」
「馬車で2ヶ月くらいだな」
2ヶ月も掛かる5つも離れた国。治安はまだ良さそうだけど、年中暖かいというのはどの程度なのだろうか。日本の夏みたいな暑さがずっと続くような国であれば、体がもたない気がする。出来るなら現地に行って体感してから決めたい。でも、一つ目の選択肢よりは安全性や生活水準で言ったら、絶対に良さそうな気はする。
「それで最後の選択肢だが、初対面で、人柄もわからず信用も何もないが、良かったら俺と一緒に来ないか? 旅をしているから、一箇所にずっと留まることはないが、すぐに移動しているわけでもない。行く先々を楽しみながら、冒険者として魔物を討伐したり、ギルドで依頼を受けて稼いでいる。冒険者としては一応Aランクで稼ぎもあるから、君たちの面倒を見ることは出来る。迷い人の情報も見つかった時にすぐに伝えられるしな。ソロの冒険者だから、君たちに要望があれば柔軟に対応もできると思う。それに帰るまでにこの世界の色々なものを見たり楽しんでもらえたらと思う」
「もし、デュークさんと一緒に行くなら、冒険者になるということですか?」
「身分証代わりになるから、冒険者登録はしておいた方が良い。一番低いGランクでも3ヶ月に一回はギルド依頼を達成する必要はあるが、子供達でも出来るようなお使いや掃除、薬草の納品だから難しくはない。冒険者登録をしなくても、俺の家族として登録することもできる。本物の家族じゃないが、養子は一般的だからな。君たちが魔物と戦いたいのであれば戦い方も教えるが、そうじゃないなら、出来る限りにはなってしまうが、安全でいられるように色々と整えるつもりだ」
「ありがとうございます。色々と考えてくださって。でも、初対面なのにどうして私達にそこまでしてくれるんですか?」
「俺は貴族の堅苦しい生活が嫌で、自由な冒険者に憧れたんだ。ただ、家族との仲は良いから、ガーランドの領地や家族に何かあれば帰るつもりでいる。幼い頃から冒険者になることを両親に伝えていて、婚約者も作らないでもらった。この年になって少しは結婚に興味は出てきたが、実家の関係もあるし、冒険者だって安全な仕事なわけじゃないから、結婚は意外と難しいと思っている。だが、両親と同じく子供は好きだから、養子をとるのも良いかと考えたことはある。そんな中で君たちと出会ったんだ。俺の直感で、君達となら楽しい冒険ができるんじゃないかと思ったんだ」
「ぼく、デュークおじさんとぼうけんしたい!」
「ありがとう。選択肢としては今のところその3つにはなるが、この世界について色々と教える必要があるから、当面は一緒に行動する、で良いかな? この街にも長く滞在することになるから、焦って決める必要はないよ」
「ありがとうございます。ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします」
「迷惑ではない。君たちは未成年なんだから、気にしなくていいんだ。遠慮なく俺たち大人を頼ってくれ」
私達には3つの選択肢が与えられた。もしかしたら、これから選択肢が変わったり、増えたりすることもあるかもしれないけれど、じっくり考えよう。ただ、デュークさんと冒険するという選択肢については、玲央がすごく乗り気だけど。デュークさんはとても良い人で信頼できると思う。一緒に旅をするのも楽しそうだけど、冒険者が実際どれくらい危険なのか想像が出来ない。だから、今の時点では何も判断はできない。
デュークさんから遠慮なく大人を頼ってと言われたけど、私は今まで両親から家事や双子の世話を任せられることが多くて、あまり大人を頼ったことがない。おばあちゃんは甘やかしてくれるけど、身内だから頼ることはできる。赤の他人で会ったばかりのデュークさんにはこれからも迷惑を掛けてしまうと思う。何か恩返しにできることがあればいいなと思う。これから考えよう。
必要な話し合いは一段落したので、街に向かうことになった。森を抜けたから安全だろうと、玲央はデュークさんの左腕に抱っこしてもらっていて楽しそうだ。玲奈は私と手を繋いだまま、一緒に歩いている。ジェンマの街まであと少し——




