ひろし、爆発させる
ー 翌日のお昼すぎ ー
おじいさんたちはG区画の家に集合して、作戦会議をしていた。
家にはおじいさんたちの他に、ロビ、ミツ、ゆぅ、ライラ、海、マユ、ナミ、ルル、ベンドレも来ていて、戦法などを話し合っていた。
ベンドレはホワイトボードに陣形を描いて説明した。
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【偵察】ルル
【前】
ミツ ゆぅ ベンドレ マユ
ロビ ナミ
茂雄 ライラ 海 大熊笹
【後】
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「ここに書いてあるメンバーは試合の無いメンバーです。試合のあるメンバーは後から合流して援護します」
するとベントレはルルを見て説明を続けた。
「まずはルルが正体を隠しながら先に潜入し、敵のアジトを見つけてもらいます」
「まかせて!」
「アジトが見つかったら我々4人が先陣を切って突入しますので、ロビさんは背後から回復と防御魔法をお願いします」
「はい」
「おそらく敵は仲間を呼び、外から敵の応援が入ってくるはず。ライラと海は、最後列で後ろから来る敵を防いでくれ」
「「はい!」」
「ライラ、海。後ろが破られたら一気に劣勢になる。頼んだぞ」
「はっ! お任せを!」
「は、ははは、はい! がんばります!!」
「大熊笹さんと茂雄さんはライラと海の補助をお願いします」
「はい」
「承知しました」
「アジトの敵は強いと聞きます。ナミさんはロビさんと共に行動し、支援が必要な所へララガをお願いします」
「ゎかった」
「試合が終わってアーボンたちが帰ってきましたら、ひろしさん、黒ちゃんさん、アカネさん、めぐさん、イリューシュさんはダンジョンの外でアーボンたちを迎え撃ってください」
「「はい」」
「我々もそれまでにアジトを制圧して加勢に行きます。撮影はキャプチャーできる方々全員でお願いします」
「「はい」」
「では、日程を決めましょう。ひろしさん、アーボンたちの試合のスケジュールは出ていますでしょうか」
「あ、はい。エストンレルト代表の方々は……、いつでも試合可能になっています」
するとそれを聞いたアカネが立ち上がって言った。
「なら、今日やろうよ! 善は急げだよ!」
「ちょっとアカネ! みなさんのご都合があるでしょ!」
めぐが慌ててアカネに言うとライラと海が言った。
「私は大丈夫だ。今すぐにでも行きたい」
「ぼ、ぼくも大丈夫です」
するとおじいさんと大熊笹と茂雄も続いた。
「わたしも大丈夫です」
「わたしも、いつでも良いですよ」
「はい、大丈夫です」
そして残りのメンバーも賛同した。
「ぼくも大丈夫です」
「僕も。午前中に用事は済んだから……」
「大丈夫です……」
「わたしも溶岩キノコ集めたから、ひま」
「わたしも時間はあります」
「大丈夫です」
「あたしも、ぜんぜんオッケー」
最後にめぐも言った。
「わ、わたしも大丈夫だけど……」
それを聞いたアカネは嬉しそうに言った。
「おっし決まった! 今日やろう!」
こうしておじいさんたちは、午後3時に試合と作戦を同時に進めることになった。
◆
みんなは席から離れてアイテムの確認や弓の調整を始めると、めぐがみんなに言った。
「わたし、ちょっとイークラトの道具屋に行ってきますね」
それを聞いたアカネがめぐに尋ねた。
「めぐ、買い物?」
「うん。たぶん、わたし試合のメンバーで一番弱いから、アイテムで工夫して戦おうかと思って」
「あ! なら、あたしも行く!」
「行く? じゃあ一緒に行こう」
「おー!」
めぐとアカネは家の外に出ると、イークラトに転移していった。
ー イークラト ー
2人はイークラトの町の入り口に転移してくると、とりあえず土産物屋でドラゴン大福を買い、道具屋へ歩いていった。
途中、アカネがめぐに尋ねた。
「なぁめぐ、魔法騎士になって何か変わった?」
「え? う~ん。どちらかと言えば弱くなったかなぁ」
「まぁ、そうだよなー」
「でも、盾の安心感ってすごいよ。これは大きいかも」
「そっか。あたし素手に慣れすぎて逆に邪魔に見えるよ。ははは」
「アカネはそうよね。あ、でもわたし、ボイトレの先生と一緒に詠唱の練習したんだ」
「詠唱? あの魔法使うときの呪文?」
「そうそう。今、すっごく早く詠唱できるようになったの。10倍くらい?」
「10倍!? ってか、早口言葉じゃん! でも早く詠唱できたら魔法が早く出るもんね」
「もしかしたらアカネが投げるよりも早いかもよ」
「え、まじで? おっし! 帰ったらリングで勝負しようぜ!」
「よーし、勝負ね!」
2人はお喋りしながら道具屋にたどり着くと、攻撃や防御アイテムを買い込んだ。
そして道具屋を出ると武器と防具の店にも立ち寄って、あの無職にオススメのアイテムも沢山買い込んだ。
ー G区画の家 ー
「ただいまー」
「戻りましたー」
アカネとめぐは家に帰ってくると、アカネがおじいさんと大熊笹にバナナの皮や目潰し、抜群に滑る油など、無職にオススメのアイテムを沢山送信した。
おじいさんと大熊笹は驚いてアカネに言った。
「アカネさん、よろしいのですか?」
「アカネさん、アイテムをこんなに!」
「うん! あたちたち、無職仲間だからね」
「ありがとうございます」
「これは、助かりますな」
その会話を遠くで聞いていたベンドレは、思い出したようにみんなに言った。
「あ、忘れいていました。わたしもアイテムをたくさん持ってきたので、ぜひ使ってください」
ベンドレはそう言うと、大広間の床に豪炎の壺や氷結の壺、痺れナイフや火薬玉など、たくさんのアイテムを出現させた。
「「おおーーーー!!」」
おじいさんは、ちょうど野球ボールくらいの大きさの火薬玉を見つけると、拾い上げてベンドレに尋ねた。
「ベンドレさん、これは……」
「あ、それは火薬玉です。投げつけて敵に当てれば爆発し……、あ! ひろしさん、もしかして投げられそうですか?」
「はい。少し重いですが、投げられそうです」
「もしかしたら、ひろしさんに最適な武器になるかもしれません! 外のリングに来てもらえませんか?」
「あ、は、はい」
おじいさんはベンドレと一緒に庭のリングへ向かった。
それを見たみんなもゾロゾロと庭に出ると、ベンドレとおじいさんはリングの上にあがった。
そしてベンドレは剣を構えると、おじいさんに言った。
「ひろしさん、その火薬玉を私に思い切り投げつけてください」
「あ、はい、わかりました。……では行きますね」
おじいさんはコーナーぎりぎりまで下がると、腕をしならせて剛速球を繰り出した。
シャァァアア、ドガァン!!!
「!!」
「うわっ!」
「きゃっ!」
「爆発しましたな!」
「これはすごい」
火薬玉はベンドレに当たると爆発してHPを3分の1以上減らした。
ベンドレはあまりの速さに剣で弾く事ができずに火薬玉の直撃を食らうと、嬉しそうにおじいさんに言った。
「ひろしさん、すばらしいです! リングの効果でステータスが調整されているとはいえ、かなりの大ダメージです!」
するとベンドレはリングを飛び降りて庭の外へ走りながら、おじいさんに言った。
「家で少し待っていてください、火薬玉をたくさん買ってきます!」
「あ、ベンドレさん……」
ベンドレは庭の外へ出ると、どこかへ転移していった。




