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ひろし、誇りに思う

 ー ベイリゲンの鍛冶屋 ー


 その頃、おじいさんたちはレッドドラゴンの素材を沢山(たくさん)集めてベイリゲンの鍛冶屋に戻って来ていた。


 アカネはカウンターに乗り出すと一番乗りで鍛冶屋に言った。


「おっちゃん、赤龍のトレーナーおねがい!」


「あいよ! 1万プクナだ」


「はい、1万プクナ」


「おし、待ってろよ!」


 カンカンカン! キンキンキン!


「あいよ! 赤龍のトレーナーだ」


「もうできたの? ありがと!」


 アカネは赤龍のトレーナーを受け取ると思わず声をあげた。


「え、かわいい!」


 赤龍のトレーナーには背中に80年代風のイラストで赤いドラゴンがウィンクしている絵が描かれていた。


 めぐも赤龍のトレーナーを見ると笑顔になって言った。


「あ、ほんと! ドラゴンかわいい!」


「へへへ、装備してみよ」


 アカネはそう言うと赤龍のトレーナーを装備してみた。


 ボワン


「やっぱ、かわいい!」


 女性用の赤龍のトレーナーは(たけ)の長いトレーナーとショートパンツのセットで、トレーナーの(すそ)から足がそのまま出ていた。


「アカネ、超かわいいよ!」


「でも……、(たけ)が短すぎて、なんか慣れないなぁ」


「あ、そっか。普段は道着(どうぎ)だもんね」


 するとイリューシュがアカネに提案した。


「でしたら『合成』してみたらいかがですか?」


「合成?」


「ええ。防具にコーシャタなどで買った服を合成すると、両方の特徴を合わせた見た目の防具になるんです」


「あ、それいいっすね! どうやるんですか?」


「鍛冶屋さんにお願いできますよ」


「まじすか! 鍛冶屋のおっちゃん、合成して!」


「あいよ! 5千プクナだ。どれを合成するんだい?」


「この赤龍のトレーナーと、柔術衣! かわいくしてよ」


「任せときな! じゃあ赤龍のトレーナーと柔術衣をいただくよ」


「うん」


 アカネは柔術衣と5千プクナを出現させてカウンターに置くと、装備を元のジャージに変更して赤龍のトレーナー渡した。

 

 カンカンカン! キンキンキン!


「あいよ。できたぜお姉ちゃん」


 アカネはもらった柔術衣を広げてみると、満面の笑顔になった。


「あ、これ、めっちゃかわいいじゃん! おっちゃん、ありがとう!」


「はっはっは、気に入ってくれて良かったよ」


 アカネはさっそく装備してみた。


「「おおー!」」


 アカネの新しい柔術衣の背中にはレッドドラゴンの可愛いイラストが描かれていた。


「アカネ、すごく良いよ!」

「ええ、アカネさん格好いいですよ」

「いいですね」

「これは格好良いですな!」

「アカネ、格好いいぞ」

「格好いいですね!」


「へへへ」


 アカネは満足そうに笑った。


 すると今度はめぐが鍛冶屋に話しかけた。


「すみません、レッドドラゴンの防具と片手剣、あと盾もお願いします」


「あいよ! 素材は……、あるな。じゃあ2万プクナね」


「はい」


 めぐは2万プクナを渡した。


 カンカンカン、キンキンキン!


「あいよ!」


「ありがとうございます!」


 めぐは早速(さっそく)装備すると嬉しそうに言った。


「すごい! 物理と魔法、両方防御力が1000ある! それに火属性無効だって! あ、盾の耐久値もすごい!」


「「おおー!」」


 めぐは嬉しそうにいつもの服に見た目を戻すと、今度は大熊笹が鍛冶屋に言った。


「すみません。わたしもレッドドラゴンのトレーナーを作って頂いて、この柔術衣と合成して頂けますでしょうか」


「あいよ! ぜんぶで1万5千プクナになります」


「はい。宜しくお願いします」


 大熊笹は1万5千プクナを支払った。


 カンカンカン! キンキンキン!


「あいよ! 男性用は格好良くしてありますよ!」


「ありがとうございます!」


 大熊笹が柔術衣を装備すると、新しい柔術衣の背中には格好良いドラゴンの刺繍(ししゅう)が入っていた。


「熊じぃ、めっちゃカッコいい!」

「男性用はカッコいい系なんだ」

「刺繍が良いですね」

「大熊笹先生、お似合いです」

「大熊笹さん格好良いです」

「おぉ、良いですね」


「ははは、ありがとうございます」


 大熊笹は頭を下げると、イリューシュがおじいさんに尋ねた。


「ひろしさんは防具を作らないのですか」


「あ、はい。今のジャージも防御が1000ありますし、なによりベスト・ピッチャーの記念ですので。ははは」


「ふふふ、そうですね。ひろしさんはその装備のままで良さそうですね」


「はい、ありがとうございます」


 おじいさんは嬉しそうに笑うと、ベスト・ピッチャー賞のワッペンを手で撫でた。



 ー G区画の家 ー


 おじいさんたちは転移魔法でG区画の家に帰ってくると、ルルとつむぎ、そして、Chocoとミッチ、さらに白ヘビも迎えてくれた。


「「ただいまー!」」

「「おかえりなさい!」」


 するとアカネが白ヘビを見つけて言った。


「あれ、はじめましてだよね」


「あ、はい。私、盗賊のアジトにいたボスなんですが、ナミ様に手懐(てなず)けて頂いて」


「あ、そうなんだ! あたしアカネ。よろしくね」

「わたしは、めぐ」

「はじめまして、ひろしです」

「あ、ベンドレです」

「大熊笹です。宜しくお願いします」

「わたしはイリューシュです」


「みなさん、ありがとうございます。私は名前が無いので、自己紹介ができませんが……」


 白ヘビがそう言うと、ちょうどナミがララガを連れて帰ってきた。


 ガチャ


「こんにちわ」


「「こんにちはー」」


 するとアカネが駆け寄ってナミに言った。


「あ、ナミさん! この女の人、名前無いみたいだから付けてあげてよ」


「ぅん、もう決めてぁる。(しろ)たん」


(しろ)たん?」


「ぅん。この子、白いヘビになるから」


「なるほどね。じゃあ、よろしくね白たん!」


 白たんは名前をもらって嬉しそうにすると、深々と頭を下げてみんなに言った。


「白たんです。よろしくお願いします」


 パチパチパチパチ!


 みんなから拍手が起きると白たんは少し恥ずかしそうに笑った。


 白たんが自己紹介を終えると、ナミは大広間の奥の冷蔵庫からカジキの切り身を持ってきてララガたちにあげ始めた。


「クルルルルルル」

「クルルルル」


 ララガ親子は嬉しそうに食べ始めると、ナミは白たんに尋ねた。


「白たんは、なにたべるの」


「あ、私は2周間に1回くらいしか食べないのですが、ネズミなんかの小動物を食べます」


「そっか。お肉ならぃいの?」


「はい、肉食です」


「わかった。まってて」


 ナミはそう言うと、家を出てコーシャタへ転移していった。


 白たんは不思議そうにしてナミを見送ると、数分でナミが帰ってきた。


 ガチャ


「ただぃま」


「「おかえりー」」


 するとなんと、ナミはケンタッキー・フライトチキンの箱を持っていた。


 ナミはチキン1つ取り出すと、白たんに渡した。


「たべれる?」


「あ、ありがとうございます」


 白たんはチキンを骨ごと丸呑(まるの)みすると、突然首を(つか)みながら(かが)み込んだ


「う、うぅぅうぅうう……」


「ぁ、白たん、だいょうぶ?」


「う、ぅぅう……、うまーい!!!」


「「ええっ!」」


 みんなが驚くと、白たんは涙を流しながらナミに言った。


「こ、ここ、こんな美味しいものがあるなんて!!」


「よかった。ぜんぶたべて」


「あ、あああ、ああ、ありがとうございます!」


 白たんは手を震わせながらチキンの箱を受け取ると、丸ごと一気に口に入れた。


「うぅぅうう、うまーい!」


 すると黒ちゃんがみんなに言った。


「では、わたしたちも美味しいものを頂きましょうか!」


 黒ちゃんはそう言うと、限定品の「プレミアム・ドラゴン大福」を3箱出現させた。


 アカネはそれを見ると嬉しそうに言った。


「おお! それは黒ちゃんが不正(ふせい)してまで買おうとした限定品!!」


「「ははははは」」


 みんなが笑うと、黒ちゃんは恥ずかしそうにしながら箱を開けた。


「せ、せっかくなんで、みんなで全部食べてしまいましょう!」


 アカネはそれを聞くと黒ちゃんの脇腹を「アカネ小パンチ」しながら言った。


「なんだよ黒ちゃん、太っ腹じゃん!」


「お、おう」


 黒ちゃんは少し恥ずかしそうにプレミアム・ドラゴン大福を開封し始めると、イリューシュとルルが紅茶を入れた。


 そして準備が整うと、みんはお喋りをしながら大福と紅茶を楽しんだ。

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