表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
71/116

ひろし、ブゥゥゥン

 ー マガイル ー


 おじいさんたちは軽トラでマガイルーの魔法学校に到着すると、みんなで受付に行って羽根を転移魔法の本に交換してもらった。


 するとその時、めぐが横にあった「魔法属性変更受付」に気がついてイリューシュに尋ねた。


「イリューシュさん、ここで魔法の属性が変更できるんですか?」


「ええ。それに、4種類の属性をすべて習得して最終試験に合格すれば、4種類の属性をすべて使える賢者になれますし、さらにそこから条件を達成すれば最強魔法『光の魔法』も使えるようになりますよ」


「光の魔法!?」


 めぐの頭の中では、可憐(かれん)な女性の騎士が剣を振り、神々(こうごう)しい光で悪いモンスターたちを浄化している姿が映し出された。


「イリューシュさん、わたし光の魔法使いたいです!」


「ふふふ、ではまず4つの魔法を覚えなくてはなりませんね」


「ぃやります!」


 めぐはそう言うと、隣の受付に行って女性の係員に話しかけた。


「すみません、属性変更したいのですが」


「あ、はい。では、あなたの戦闘履歴を見させてくださいね」


「はい、おねがいします」


 ブゥゥゥン


 係員は両手を動かして何かを確認すると、笑顔になってめぐに言った。


「合格です!」


「本当ですか!?」


「はい、最高魔法の発動とS級モンスターの討伐で、ポイントが達成されています」


「S級モンスター? ですか?」


「はい、ホワイトドラゴンです」


「あ、そっか! よかった、ラッキー!」


「では、次の属性は何にいたしましょうか」


 係員はそう言うと、めぐに説明ボードを見せた。


「えっと、残りは炎と氷と大地か……。どうしよ」


 するとイリューシュがめぐにアドバイスした。


「めぐさん、次のメインクエストは雪山なので炎か大地が良いかもしれません」


「そうなんですね。それなら炎にします。ありがとうございます!」


「いえいえ。ふふふ」


 めぐは受付の係員のほうを向いて嬉しそうに言った。


「すみません! 炎の属性に変更お願いします」


「はい。じゃあ手の平を出してくださいね」


「はい」


 めぐが係員に手を出すと、係員は人差し指でめぐの手の平に炎の魔法陣を描いた。


 ブゥゥウウウン……

 シュゥゥゥウウウ


 魔法陣は光を放つと、静かにめぐの手の中に吸い込まれていった。


「はい、終了です」


「あ、ありがとうございます!」


「次回、新しい属性に変更するには最高魔法2回発動、S級モンスター1体、A級モンスター1体くらい必要ですので頑張ってくださいね」


「はい、ありがとうございます!」


 こうして、めぐは魔法の属性を炎に変更して、おじいさんたちは魔法学校を(あと)にした。



 めぐは視界の下に表示された新しい魔法の詠唱(えいしょう)文を見ながら(つぶや)いた。


「また詠唱覚えないと。……あ、そういえば雷の魔法はもう使えないのかな」


 それを聞いたイリューシュはめぐに言った。


「あの魔法学校へ行けば、一度使った属性ならば、いつでも変更できますよ」


「あ、そうなんですね! よかった」


「それと、賢者に転職できれば、いつでも全ての属性が使えますよ」


「賢者……。でも、わたしはとりあえず光の魔法が使いたいなぁ」


 するとその時、アカネが転移魔法の本と格闘しながら黒ちゃんに言った。


「黒ちゃん! この本、本のくせに()かないんだけど」


「ああ、アカネ。それは一度アイテムとして仕舞(しま)って使うのだ。その本は()かないぞ」


「そうなの?」


 アカネは本をアイテム欄に仕舞(しま)うと、おじいさんたちも本をアイテム欄に仕舞(しま)った。


 それを見た黒ちゃんは、みんなに説明した。


「本をアイテム欄に仕舞(しま)ったら、本を選択してみてください。地図が出るはずです」


「あ、出た」

「あ、ほんとだ」

「あぁ、出ました」

「カラーと白黒のところがありますな」


「はい。カラーのところは今まで行った事のある場所で、白黒のところは行った事の無い場所です」


「ほう、なるほど!」


 大熊笹が納得すると、黒ちゃんは話を続けた。


「カラーの場所に触れると、そこへ転移できます。地図は拡大もできますよ。試しにイークラトの港に言ってみましょう」


 するとアカネが首を傾げながらめぐに聞いた。


「めぐ、イークラトってどこ?」


「ピンデチの山の向こうだよ」


「あれ? ってか、ピンデチどこ?」


「え、本気で言ってる? 端のほうの……」


「あ、あった! イークラトもあった! 港に触れて……」


 ブゥー……ン


「あ、アカネが転移した! じゃあ、わたしも」


 ブゥー……ン


 ブゥー……ン

 ブゥー……ン


 めぐが転移すると、おじいさんと大熊笹も転移していった。


 そして。残った黒ちゃんとイリューシュ、そしてベンドレも後を追って転移していった。



 ー イークラトの港 ー


 ブゥー……ン


「あ、ついた! すげー!」

「あ、イークラト!」

「あぁ、すごいですね」

「ほぉ、港に着きましたな!」


 みんなが転移し終わるとイリューシュがみんなに提案した。


「みなさん、無事に転移できたみたいですね。では、レッドドラゴンを倒して素材を集めましょう!」


 するとアカネが手をあげた。


「はーい、はーい!」


「はい、アカネさん」


「素材ってなんですかー」


「アカネさん良い質問ですね」


「へへへ」


「鍛冶屋を開放すると、敵を倒したときに出る敵の欠片(かけら)を拾えるようになるんです」


「なるほど、それが素材っすね」


「ええ。今までも落ちていたのですが、鍛冶屋を開放しないと落ちている場所が表示されないので気づいていなかったのだと思います」


「あ、そういえば、なんか肉の(かたまり)みたいのが落ちてた事あったなぁ」


 すると黒ちゃんがアカネに言った。


「うむ。この間のタコ焼きの()も、ララガの親が子供に食べさせていたのも実は素材なのだ」


「へぇぇ、そうなんだ。じゃあ、今度からはそれを集めるんだね」


「うむ。そして素材を使って防具や武器、アクセサリーを作り、自分を強化するのだ」


「なんか、面白そうじゃんね」


 ギャァォオオオオ!!!


 アカネがそう言うと、タイミング良くレッドドラゴンがこちらへ向かって飛んできた。


「アカネ、さっそく来たぞ」


「うっし、バナナの皮の餌食(えじき)にしてやるっ!」


「バ、バナナ?」


 黒ちゃんは驚きながら剣を抜くと、全員戦闘態勢を整えた。



 ー ピンデチ ー


 その頃、おばあさんたちも全員転移魔法を使えるようになり、ピンデチのお店に戻ってきていた。


 おばあさんたちはお店のカウンターに「御用の方はベルを押してください」の看板を置いて、2階でお疲れ様会をしていた。


「はい、プレミアム・ドラゴン大福」

「え、美咲ちゃん、それ限定の」

「やった!」

「じゃあお茶入れようかしら」

「溶岩ようかんも出しましょう」

「ぅん」

「クルルルル」


 美咲が限定のプレミアム・ドラゴン大福を机の上に出すと、ナミが戸棚から溶岩ようかんを出した。


 そして、おばあさんと和代がお茶を入れ、準備が整うとマユが立ち上がった。


「今日は色々あったけど、みなさん、おつかれさまでした!」


「「おつかれさまでした!」」


「じゃぁ、お菓子をいただきましょう!」


「「いただきまーす!!」」


 みんなは一斉にプレミアム・ドラゴン大福にかぶりついた。


「うま! 生クリームが濃厚!」

「ようかんと交互に食べるとヤバい」

「ぉいし」

「あら、濃厚ね!」

「まぁ、とっても美味しいわ」

「こりゃあ、うまいな!!」

「うん。……うん」


 すると、メイが気になっていたことを美咲に聞いた。


「ねぇ美咲ちゃん、僧侶って攻撃できないのかなぁ」


「……うん、攻撃はできないね。でも司教(しきょう)に昇格すれば風の攻撃魔法を使えるよ」


市長(しちょう)?」


「ううん、シキョウ。僧侶はエストンレルトっていう街にある大聖堂で昇格できるんだ」


「そうなんだ。なんか、ワニと戦った時に攻撃できればいいのにって思ったんだよね」


「そうだよね。僧侶は大司教まで昇格してマガイルーの魔法学校で試験通ると、風の最強魔法も使えるみたいだよ」


「そっかぁ、でも試験とか苦手なんだよなー」


「あれ? そういえばメイさん攻撃系のアイテム持ってないの?」


「攻撃系のアイテム?」


豪炎(ごうえん)(つぼ)とか」


公園(こうえん)相撲(すもう)?」


 すると哲夫がメイに言った。


「はっはっは、公園の相撲も強そうですが『ゴウエンのツボ』です。炎で敵を包んで凄い攻撃力なんですよ」


「えっ、それすごい!」


 すると美咲がメイに豪炎の壺を20個送った。


「え、美咲ちゃん、いいの?」


「うん。わたし豪炎の壺買ったけど、もうずっと使ってないんだ」


「あ、そうか。美咲ちゃんなら剣で戦ったほうが早いもんね」


「ははは、そうだね」


「「あははははは」」


 おばあさんたちは美味しいお菓子とお茶を飲みながら、お疲れ様会を楽しんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ