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ひろし、アイテムをもらう

 その頃、おじいさんはG区画の家でメッセージを受け取っていた。


「あぁ、みなさん。また、試合のご連絡が来ました」


「「おお!」」


「じいちゃん、なんて書いてあるの?」


「あ、はい。では読みますね」


 ーーーーーーーーーーーーーーー

 チームひろし代表者様


 初戦の勝利、おめでとうございます。


 ザ・フラウ頂上決戦は10地区全ての初戦が終わり、5地区に絞られました。


 ここでチームごとにステータスを合計して比較した結果、イークラト地区のチームが他のチームを圧倒していたため、決勝シードとさせていただきたいと思います。


【現在のステータス合計順位】

 1位 イークラト

 2位 エストンレルト

 3位 シャーム

 4位 マガイルー

 5位 ピンデチ


 イークラト地区以外の4地区でトーナメント戦を行い、その勝者とイークラト地区との優勝決定戦となります。


 なお、ピンデチ代表様の2回戦はマガイルー代表様との試合になります。


 ご都合のよろしい日時をご入力お願いいたします。


【ご希望日時を選択】


 ご不明な点がございましたら、お気軽にザ・フラウ頂上決戦事務局までご連絡ください。

 ーーーーーーーーーーーーーーー


 アカネをメッセージの内容を聞くと、驚いてイリューシュに言った。


「決勝シード!? イークラトって、そんな強いんすか?」


「ええ、イークラトは強いでしょうね。ですが、私たちのチームは過小評価されているかもしれません」


「え?」


「私たちのチームは、めぐさんがまだステータスを割り振っていませんから」


「あ、そっか! めぐは転職したばっかでステータス0だった」


 それを聞いためぐはウンウンと頷いた。


 イリューシュは静かに笑うとアカネに言った。


「きっと次の試合のマガイルー代表は油断しているはずです。鍛冶屋を解放して、めぐさんを強くしましょう」


「それいいっすね!」


 ガチャ!


 するとそこへ、ベンドレがやってきた。


「こんにちは! 遅くなりました」


「「こんにちは!」」


「例のものを持ってきましたよ」


 ベンドレはそう言うと「豪炎(ごうえん)(つぼ)」を大量に出現させた。


「「おおーーー!!」」


「これだけあれば、シャームとマガイルーをつなぐ洞窟のボスは簡単に倒せます。みなさん、どうぞ」


「ありがとうございます! すげーな。これ高いんだよね」


「ベンドレさん、ありがとうございます。ほんと助かります」


「ベンドレさん、ありがたく使わせていただきます」


「いやぁ。本当に助かります、ベンドレさん」


 みんながお礼を言うと、ベンドレは少し恥ずかしそうにしながら答えた。


「い、いえいえ。こんなもので良ければいくらでも持ってきますので。ははは」


 おじいさんたちは豪炎の壺をアイテム欄にしまうと、イリューシュがみんなに言った。


「では、鍛冶屋を解放しにいきましょう」


 すると、おじいさんが少し困ってイリューシュに言った。


「あの、今日はタッちゃんを連れて行っても大丈夫そうでしょうか……」


「ききっ」


 懐のタッちゃんは嬉しそうにおじいさんを見上げた。


「あ、そうですね。今日はララガ親子も居ないですし……。置いていったら1人になってしまいますね」


 ガチャ


「ひろじいちゃん!」


「あぁ、つむぎちゃん!」


「あ、みなさん、こんにちは」


「「こんにちはー!」」


 ちょうどその時、つむぎが大広間に入ってきて、後ろからChocoとミッチ、そしてルルもやってきた。


「こんにちは」

「こんにちは!」

「あ、こんにちは。お邪魔しています」


「「こんにちはー!」」


 すると、おじいさんはつむぎに尋ねた。


「つむぎちゃん、ちょうど良かった。もし大丈夫そうだったら、しばらくタッちゃんを預かっていてくれないかな」


「え、いいの!? もちろんだよ。タッちゃんおいで」


「ききっ!」


 タッちゃんはつむぎに抱っこされると、嬉しそうにつむぎの顔を触った。


「うふふ、かわいい」


 おじいさんはその様子を見て安心すると、そばに居たルルがイリューシュに話しかけた。


「イリューシュ、今日もお庭借りていいかしら」


「ええ、使ってもらえると嬉しいわ」


「ありがと。ほんと、いつも助かるわ」


「お茶とお菓子もお好きに食べてくださいね」


「ほんとに? じゃあまたお土産(みやげ)買ってくるわね」


「ふふふ。お願いするわ」


 おじいさんたちはルルたちに留守を任せると、G区画の家を出て船でシャームに向かった。


 ◆


 その頃、おばあさんたちは一足先にシャームの洞窟に到着していた。


 ここからマガイルーに抜けるには協力プレイができないワニのボスを1対1で倒す必要があった。


 メイは準備を整えると、美咲がメイにアドバイスした。


「メイさん、僧侶の場合はボスのワニの攻撃を10分防げばクリアだよ」


「わかった、頑張る!」


「魔法陣で防いで、HP減ったら痺れ粉で足止めして回復ね!」


「おっけ!」


 メイは杖を握りしめると洞窟の中へ走っていった。



 メイは洞窟の奥へと進むと、広くなった所に大きなワニが待ち構えているのが見えた。


「あ、いた! やば、でか!」


 メイは準備を整えて近づくと、視界の上に「10:00」と表示されてカウントダウンが始まった。


「え? これ始まった?」


 ガァァアアア!


「うわ、きた!」


 ワニはメイに襲いかかると、メイは防御魔法を展開した。


 ブゥー……ン


 ガキン!


 ワニは防御魔法に跳ね返されると、素早く横に回った。


「あ!」


 ブゥー……ン


 ガキン!


「ちょっ、こわっ!」


 メイは回り込んできたワニも魔法陣で防ぐと、ワニは少し下がって動かなくなった。


「あれ、止まった」


 メイは魔法陣を解除してMP回復薬を用意した。が、その瞬間ワニが飛びかかってきた。


 ガァァアアア!


「ちょ!」


 ズバッ


 ワニは爪でメイを吹き飛ばした。


 ズザァァアア


「いたっ! もうっ! これでもくらえ!」


 ブワッ


 メイは痺れ粉をワニに投げつけると、ワニは痺れて動かなくなった。


「あぶなっ! 油断したー」


 メイは胸をおさえながら回復薬とMP回復薬を飲んだ。



 ー 10分後 ー


『00:00』


 メイはワニの攻撃を防ぎ切ると、ワニは岩壁にある隙間の中へ逃げていき、マガイルーへの道が開けた。


「終わった……、まじ疲れた……。みんなに知らせなきゃ」


 ーーーーーーーー

 メイ:わに逃げたー


 マユ:おつかれ!次わたしだ


 ナミ:おつかれ


 哲夫:おつかれさまでした


 和代:おつかれさまです


 美咲:マガイルーで待ってて


 洋子:わたしも、そちらへ行きますね

 ーーーーーーーー


 おばあさんはすでにワニを倒していたので、そのまま洞窟を抜けていった。


「メイさん、おつかれさま!」


「あ、洋子ちゃん! ありがとう」


「じゃあ、一緒にマユさんを待ちましょうか」


「だね」


 メイとおばあさんは少し小高くなったところに座ってマユを待った。



 マユは洞窟の前でアイテム欄の痺れ粉と毒の粉を出しやすいようにセットすると、剣を抜いて盾を用意した。


 すると、それを見た美咲がマユに言った。


「あれ、マユさん。その片手剣と盾はモリブデン?」


「あ、そうそうモリブデン。最近、隣の店のゆぅさんが剣の使い方を教えてくれててね……」


「え、そうなの?」


「うん。で、ゆぅさんが、最近わたしが上手くなったからって買ってくれたんだ」


「ゆぅさん、ってバリードレで一緒に戦ったあの物静(ものしず)かな片手剣の名手(めいしゅ)だよね」


「そうそう。この間、初めてゆぅさんに一撃当てられたんだけど、そしたら喜んでくれて買ってくれたんだ」


「えっ、あの人に一撃当てたの?」


「うん、なーんか最近コツを掴んだんだっていうか」


「マユさん、もしかしたら洞窟のワニと普通に戦えるかも」


「えっ!?」


「あの片手剣の名手に、わたしでも一撃当てるのは難しいと思う」


「またまたぁ。きっと手加減してくれてるんだよ」


「そうかなぁ」


「でも美咲ちゃんがそう言ってくれるなら、ちゃんと戦ってみるよ!」


 マユがそう言うと、みんなはマユを応援した。


「がんばって」

「気をつけてくださいね」

「がんばって!」

「マユさんなら大丈夫!」


「ありがとう、行ってきます!」


 タタタタタタタ


 マユは笑顔で手を振りながら洞窟の中へ走っていった。

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