表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
58/116

ひろし、5時にする

 黒ちゃんは輪切りにしたカジキを食べられるように(さば)()えると、みんなは驚いて口々に言った。


「うまそう!」

「すごい、もうスーパーで売ってる形になってる」


「いやぁ、美味しそうですな」

「すばらしい手さばきです」

「きれいな色ですね」


「ではみなさん、手を合わせてカジキをいただきましょうか」


 黒ちゃんがそう言うと、みんな一緒にカジキに手を合わせた。


 そして黒ちゃんは醤油と皿を出現させると、みんなに配った。


「では、いただきましょう! いただきます!」


「「いただきまーす!!」」


「うっま!!」

「おいしぃ!」

「ぅん。ぉいし」


「あら、一流のお店よりも美味しいわ!」

「こりゃうまい!」

「おいしいですね」


 黒ちゃんはサッと刺し身を平らげると、今度は大きな(あみ)の袋を出現させた。


 それを見たイリューシュは、(さっ)して黒ちゃんに言った。


「残りは冷凍にするんですね。キッチンに大きなチェスト冷凍庫がありますから使ってください」


「わかりました。これでしばらくララガたちの食事は大丈夫そうですね」


 ナミはそれを聞くと黒ちゃんに頭を下げながらお礼を言った。


「ぁりがとぅ。ほんとぅに、たすかった」


「いえいえ、久しぶりに楽しいファイトでした。それにしても、まさかカジキがかかるとは」


「ぅん。ぉどろぃた」


「また、みんなで釣りに来ましょう」


「つぎは本マグロ釣る」


「はっはっは! いいですね、(さば)きがいがあります!」


 黒ちゃんはナミと話しながら残りの輪切りのカジキを(あみ)に入れると、肩に(かつ)ぎ上げた。


「では、残りは冷凍してきますね」


「ぅん。おねがぃします」


 ブゥー……ン


 黒ちゃんはG区画の家に転移していった。



 その頃、海とライラは盗賊団のアジトの洞窟に潜入(せんにゅう)していた。


 海とライラは慎重に洞窟内の盗賊たちを倒して進んでいき、最後のボスの部屋の前まで来ると、ライラが海に言った。


「海、この扉の向こうがボスだ。このボスは変身するのだが、それまでは精神的な攻撃をしてくる。気をつけろよ」


「精神的な攻撃ですか?」


「そうだ。実は私の一番苦手なボスなんだ」


「ライラさん、では僕が1人で行ってきます!」


「海、大丈夫なのか」


「はい! 今までライラさんにお世話になりっぱなしですから。ライラさんが苦手なら僕1人で行ってきます!」


「そ、そうか。では危なそうだったら助けに入る」


「はい! では行ってきます!」


「ああ。気をつけろよ」


 


 海は扉を開けると、警告が表示された。


 ーーーー【警告】ーーーーー 


 この先の部屋で協力プレイをする場合、あなた様の個人情報を味方のプレイヤー様に聞かれてしまう可能性があります。


 もし、個人情報を聞かれたくない場合は、扉を閉めてお一人ずつ挑戦して頂くか、サイレントモードを選択してください。


 【詳細を確認する】

 【サイレントモード(ボスHP1.5倍)】


 ーーーーーーーーーーーー


 海は警告を気にもせず扉を開けたまま中へ入ると、部屋の奥のソファに女性の盗賊が寝そべっていた。


 女性の盗賊は海を見ると薄ら笑いを浮かべながら言った。


「あらあら。あなた、今までほとんど仲間に助けてもらっているじゃない」


「あ、はい、弱くてすみません! ライラさんにはいつもお世話になっています。でも、いつか恩返ししたいと思っています!」


 海の声が聞こえたライラは静かに呟いた。


「あいつ……」


 すると女の盗賊は少し起き上がって続けた。


「その鎧も買ってもらったんでしょ。お金もないのね」


「はい、買ってもらいました! でもお金を貯めて返したいと思っています!」


「そんなに弱かったら、足を引っ張るだけじゃないの?」


「え、あ、はい……。それは……、申し訳ないと思っています……」


「ふふふ。かかったわね……」


 女性の盗賊がニヤリと笑うと、ライラが部屋に飛び込んできた。


「海! 一気に片付けるぞ!!」


「え、は、はい!」


 ライラが女性の盗賊に突撃すると、女性の盗賊はライラに言った。


「あら、あなたね。あなたが毎週イークラトで買ってる激しめのBL本、新刊出たわよ」


 ガシャン、ズザァァアア……


 ライラは足を(もつ)れさせて転ぶと女性の盗賊に叫んだ。


「な、何を言っているんだ!」


「あら、発売日の午前0時には……ギャッ!」


 なんと海が(すき)きを()いて女性の海賊に槍を突き刺した。


「ライラさん、大丈夫ですか!」


「あ、あぁ……、大丈夫だ……」


 海に刺された女性の盗賊は怒りの表情で立ち上がると、目つきが変わった。


「お、おのれぇ!!」


 そして体中に(うろこ)が現れると大きな白いヘビに姿を変えた。


「シャァァアアアア! お前ら地獄へ送ってやる!」


 それを聞いたライラはヘビに言った。


「地獄行きはお前だ」


 バチバチバチバチ


 ライラは盾とランスを持ち替えるとランスを帯電させた。


 それを見た海が驚いてライラに聞いた。


「ライラさん! そのランス、カッコイイですね!」


「ああ。雷獣パルルを倒すと手に入る。そのうち、お前にも持たせてやる」


「あ、ありがとうございます!」


「まずは、こいつを倒すぞ!」


「はい!」


 ライラと海は大きな白いヘビに走り込んでいった。



 その頃、おじいさんたちはG区画の家に帰ってきていた。


 すると、おじいさんに運営からメッセージが来た。


 ーーーーーーーーーーーーーーー

 チームひろし代表者様


 おめでとうございます。

 ザ・フラウ頂上決戦、団体部門ピンデチ地区の代表となりました。


 第1回戦はレググリ代表との試合になります。


 下記リンクから、ご希望の試合日時をご指定ください。


 両チームの希望日時が合致しましたら、その日に試合を行います。


【ご希望日時を選択】


 ご不明な点がございましたら、お気軽にザ・フラウ頂上決戦事務局までご連絡ください。

 ーーーーーーーーーーーーーーー


 おじいさんはメッセージを読み終わると、みんなに報告した。


「みなさん、ザ・フラウ頂上決戦のピンデチ代表になりました」


「「ええ!?」」


 みんなが驚くと、おじいさんはみんなに尋ねた。


「試合の希望日時を指定するようなのですが……」


「あたし、夕方までならいつでもオッケー」

「わたしも」

「ひろしさん、わたしは有給消化中ですので、いつでも大丈夫です」

「わたしも、お昼からならいつでも大丈夫です」


「わかりました。見てみますね」


 おじいさんは【ご希望日時を選択】に触れると大きなカレンダーが目の前に表示された。


 すると相手チームが今日の午後5時から月末までを全て試合希望日に指定していた。


 それを見たおじいさんは驚いてみんなに言った。


「相手チームの(かた)は、今日の午後5時から月末まで全て希望日になっています」


「なら、今日やろうよ」

「そ、そうよね」

「わたしは構いません」

「わたしも大丈夫です」


「はい、わかりました。では午後5時で良いでしょうか」


「「はい!」」


 おじいさんは希望日時を「本日午後5時」に設定した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ