表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
48/116

ひろし?

「よっしゃー!!」


 石像を1体倒したアカネは飛び上がって喜ぶと、その瞬間、後ろで大きな音がした。


 ジャキィィン!!


「??」


 みんなが音のしたほうを見ると、なんと、もう1体の石像が地面から剣を引き抜いたところだった。


「あ! 剣、抜いた!」


 アカネがそう叫ぶと同時に、大熊笹が素早く走り込んだ。


「待ってましたよ!」


 大熊笹は、石像が剣を引き抜いた反動で大きく後ろへ()()った事を確認すると、バナナの皮を地面に置いて即座に腕に()()いた


 そして石像の肩に右手を押し当てると、体重を乗せて一気に後ろへ押し込んだ。


「よいしょ!!」


「グゴゴオォォ」


 石像は、剣を抜いた反動と大熊笹の押し込む力で後ろへ倒れそうになると、倒れないように片足を後ろへ下げて踏ん張ろうとした。が、


 ツルッ!


 ドゴゴォォオオオン!!!


 石像は大熊笹が置いたバナナの皮で見事にすっ転んだ。


 大熊笹は素早く離れると、アカネが大喜びで飛び跳ねながら言った。


「さっすが熊じぃ!!」


「はっはっは、上手くいきましたな!」


 倒れた石像はゆっくりと立ち上がろうとしたが、そこへ全員が一斉攻撃を仕掛けた。


「おぉぉおりゃぁあ!」

 ドガン、ガン、ガコン!!


 ヒュッ……、ズドドドドドドドド

 ヒュッ……、ドドドッ


「聖なる雷を司る者たちよ。我にその慈悲と慈愛を与えたまえ。清く正義の力をもって嘆願する。あの者に裁きの雷を!」


 ズガガガガガン!!


 さらにナミの護衛をしていた大猿たちが飛びかかった。


「「ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!」」


「グゴゴオォォ」


 石像は大ダメージを食らってHPを減らすと、静かに消滅していった。


「「やったーー!!」」


 みんなは抱き合って喜ぶと、神殿の入口の門が静かに開いた。


 それを見たイリューシュは、ふと思い出してみんなに言った。


「……そういえば、ひろしさん遅いですね」


 黒ちゃんはそれを聞くと、来た道を振り返りながらイリューシュに答えた。


「そうですね。少し暗くなってしまいましたし、ちょっと様子を見てきましょうか」


 黒ちゃんがそう言うと、今度はアカネが黒ちゃんに言った。


「ってか、すぐそこだし、みんなで行こうよ」


「ああ、そうだな。みんなで行こう」


 黒ちゃんの言葉にみんなは(うなず)くと、河原に向かって歩き出した。


 すると、めぐが不審(ふしん)そうな顔でアカネに言った。


「あれ、夕日? なんか河原のほう夕日差してない?」


「ほんとだ。河原が赤く明るいね」


 すると空気を揺らすような大きな爆発音がした。


 ドカァァァアアン!!!


「うわっ! なんだ!」

「きゃぁっ!!」


 アカネとめぐが爆発音に驚くと、イリューシュと黒ちゃんが慌てて河原へ走っていった。


 それを見たアカネは慌てて黒ちゃんに聞いた。


「黒ちゃん、何があったの!?」


「炎獣ララガだ! ひろしさんが危ない!!」


「なんだって!!」


 アカネとめぐ、大熊笹とナミ、そして護衛(ごえい)の大猿たちも慌てて2人に付いていった。



 黒ちゃんとイリューシュが河原に走り出ると、赤いタテガミを生やした大型のライオンのような(けもの)がいた。


 アカネは黒ちゃんに追いつくと黒ちゃんに言った。


「あいつがララガ? どう見ても強そうじゃんね」


「うむ。アカネ、気をつけるのだ。アカネの装備では一撃でやられてしまうだろう」


「まじで!?」


「ララガは、場合によってはホワイトドラゴンよりも強い。そして素早い上に、爆発の威力は想像を絶する」


「うわ、ヤバそうだなぁ。……ていうか、じいちゃんは?」


「……。残念ながら姿が見当(みあ)たらない……。あの爆発では、もしかしたら……」


「まじか。そんなぁ」


 アカネが肩を落とすと、イリューシュが前に出ながら全員に指示を出した。


「アカネさん、大熊笹さん、ここは私と黒ちゃんさんメインで戦いますので、スキを見て目潰しをお願いします」


「「はい!」」


「ナミさん、めぐさん。攻撃が外れても良いので、十分距離をとって攻撃してください。ララガは一瞬で移動してきますので」


「「はい!」」


「まずはララガを倒してから、ひろしさんを探しましょう」


「「はい!」」


 アカネと大熊笹は目潰しを用意して警戒しながら距離を取り、ナミとめぐは走って離れて距離を取った。


 そして護衛の大猿たちは、その間に壁のように立ちはだかった。


「グルルルルルルル」


 ララガは低い声で(うな)ると、前に出た黒ちゃんを(にら)みつけながら体を低く構えた。


「ガァァァアアアアア!」


 そしてララガは大きく咆哮(ほうこう)すると後ろ足を()り出して黒ちゃんに飛びかかった。


 しかし、その瞬間、


 シャァァアアアアア……、バチン!!


「ガォォォオオ!」


 なんと、丸い石が密林のほうから飛んできてララガの顔に命中した。


 黒ちゃんは一瞬怯んだララガを見逃さず、大きく踏み込んで剣を振り下ろした。


「うぉぉぉおおおお!!」


 ガン!!


「ガァァアア!!」


 ララガは慌てて身をかわすと、瞬時に後ろへ下がった。


 ヒュッ……、ドッ……、カッ……、ドッ……、カラン……


 そこへイリューシュとナミが放った矢が数本命中すると、ララガは空へ向かって(はげ)しく咆哮(ほうこう)した。


「ゴォォォォァアアアアアア!」


 ブォォオオアアアア!


 するとララガの体がすべて炎に包まれ、ララガの体のまわりを火の玉がグルグルと回り始めた。


 その姿を見た大猿たちは(おび)えるように後ろへ下がると、ナミが心配して大猿たちに声をかけた。


「ぁぶなぃから森ににげて。わたしは生き返えれるけど、みんなは死んじゃうから」


「ききっ……」


 それを聞いた大猿たちは悲しそうな顔をしながら下を向き、5匹ともナミの手に触ると走って密林の中へ消えていった。


 アカネはララガに警戒しながら距離を詰めていくと、黒ちゃんに言った。


「さっき石飛んできたね。じいちゃん生きてるね」


「うむ。密林のほうから石が飛んできたようだ。恐らく密林に隠れながら狙撃(そげき)しているのろう。よかった」


 シャァァアアアアア……、バチン!!


「ガァァアア!」


 すると今度は川の上流のほうから石が飛んできて、ララガの背中に当たった。


 その()きを見逃さなかったイリューシュは急いで矢を放った。


 ヒュッ……、ズドドド……ド


「グルルルルル」


 ララガは数本の矢を食らったが恐れることもなく、ゆっくりとイリューシュのほうへ近づいていった。


 イリューシュは一瞬気になって川の上流を見ると、密林の中へ走っていく人影が見えた。


「ひろし……さん?」


 しかしその瞬間、ララガが素早く飛びかかりイリューシュに襲いかかった。


「あっ!」


 イリューシュは慌てて弓を引いたが間に合わなかった。



 シャァァアアアアア……、バチン!!


「グァァアアア!」


 そこへ今度は密林のほうから石が飛んできてララガの目に当たった。


 イリューシュは即座に後ろへ回転しながら回避(かいひ)すると、すかさず黒ちゃんがララガにタックルを食らわせた


「うぉぉおおお!」


 ドガン!!


「ガァァアアアア!」


 黒ちゃんがタックルでララガを吹き飛ばすと、ララガは怒って体の周りを回っている火の玉を黒ちゃんに放った。


 ブォッ、ブォッ、ブォッ、ブオッ!


「くっ!!」


 黒ちゃんは剣でガードしたが全ては防ぎきれず、大きくHPを削られた。


「なにくそぉぉお!!」


 しかし黒ちゃんは大きく踏み込むと、渾身の水平斬りを放った。


 ブワッ!


「ガァァアアアア!」


「うぉぉおおおお!!!」


 ダダッ! ガブッ!!


「ぐっ!」


 ララガは黒ちゃんの剣をヒラリとかわすと、黒ちゃんの首に()みついた。


「ぬぉぉおおおお!!!」


 しかし黒ちゃんは首を噛まれたまま体を(ひね)り、ララガの腹に重い右拳を食らわせた。


 ドスッ!!!


「ギャン!」


 ララガは不意を突れた攻撃に体を(ひね)ると、そのまま吹き飛ばされた。


「おっし! 今だ!」


 ヒュッ……、ボワッ!


 そこへアカネが目潰しを投げると、ララガは目潰しを食らって声をあげた。


「ガァァオオオオオ!」


 するとなんと、ララガの体が赤く光り出し、ララガは大きく口を開けた。


 それを見たイリューシュは(あわ)てて大声でみんなに言った。


「危ない! ララガが大技を出します! 離れて()せて!」


「「はい!!」」


 みなは一斉にララガから離れ、飛び込むように体を伏せた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ