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ベンドレ、喜びを感じる

 ナミは喜ぶつむぎたちを見て喜んでいると、思い出したように3人に言った。


「ぁ。ぃま、ワンタイに(はす)がぁるって言ってた。きれぃなんだって」


 するとミッチが少し残念そうに答えた。


「はい。わたしたちも蓮が欲しいんですけど、船に乗れないんです。メインクエストが怖くて……」


「大丈夫。一緒に行こぅ」


「え?」


「きっと、あの二人も手伝ってくれる」


 ナミはおじいさんとベンドレを指差した。


 庭のベンチに座っていたおじいさんとベンドレは、湯呑を持ちながら「?」な顔をしていた。


 するとナミはおじいさんとベンドレのところへ行ってお願いした。


「みんな船にのりたいから、手伝ってほしぃ」


 ベンドレはそれを聞いて立ち上がるとナミに答えた。


「メインクエスト2章までですね。お安い御用です。行きましょう」


 おじいさんも立ち上がると笑顔で言った。


「つむぎちゃんたちのためなら、もちろんお手伝いします」


 こうして、つむぎたちはメインクエストを進めることになった。


 

 ー メインクエスト第1章の洞窟 ー

 

 つむぎたち3人は、まずメインクエスト第1章をクリアするため、ベンドレの先導でドラゴンが待ち構える洞窟を進んでいた。


「暗くて怖いね」

「うん」

「だね」


 すると突然、アンデッドモンスターたちが襲いかかってきた。


「わっ!」

「モンスター」

「こわい!」


 つむぎたちは驚いて3人で抱き合うと、ベンドレは笑顔で振り向いてつむぎたちに言った。


「安心してください。()き捨てますよ」


 ベンドレはそう言って剣を抜くと、掃き掃除でもするかのようにアンデッドモンスターを剣先で消滅させていった。


 そしてそのままどんどんと洞窟の奥へと進むと、あっという間にドラゴンが待ち受ける部屋の前までやって来てしまった。


 そこでベンドレは立ち止まると、つむぎたちに笑顔で説明をした。


「みなさん、ここがボスのドラゴンの部屋です。みなさんがドラゴンの部屋に入らないとクリア判定にならないので、みなさん必ず部屋に入ってくださいね」


「「はい」」


「では入りますね」


 ベンドレはそう言うと攻撃強化薬を飲んでドラゴンの部屋に入った。


 そして、つむぎたちが部屋に入った事を確認すると、オロチの剣を出現させて水晶の粉をふりかけ、剣を雷属性で強化した。


 ギャォォォオオオ!


 ドラゴンが咆哮すると、ベンドレはヒョイとオロチの剣をドラゴンに投げつけた。


 ヒュッ……


 ドスッ!!


『10ポイントのステータスポイントを獲得しました』


『メインクエスト 第一章 完』


「やった!」

「え? おわり?」

「はやい!」


 つむぎたちが驚いていると、おじいさんも驚いてベンドレに言った。


「おぉ、一撃ですか。さすがベンドレさんです」


「あ、いえ。まだ攻撃力が戻っていなかったので、色々と強化してしまいましたが……」


 ベンドレは少し恥ずかしそうにしたが、またクエストのサポートができたことに喜びを感じていた。


 ◆


 おじいさんたちは洞窟から出ると、そのままベンドレのモービルでハーイムの港町へやってきた。


 そしてハーイムの町に入ると、いつものように前からNPCの町人(まちびと)が走って来た。


「うわー、助けてくれー海賊だー」


「ひゃっはー! この町のお宝はオレたちがもらったぜー!」


 NPCの町人はおじいさんたちの前に来ると話し始めた。


「あの海賊は、この町に伝わる、伝説の宝玉を狙って……」


 スッ ススッ スッ……


「「うわー」」


 ベンドレが剣で撫でるように海賊たちを倒すと、今回もNPCの町人が村の中心の大きな宝物庫へ案内をはじめた。


 そして、いつものように宝物庫の扉を開けると海賊のゴンゴビが待ち構えていた。


「はっはっはー! 我こそは世界の海を股にかける海賊の中の海賊、ゴンゴビだ! この宝ぎょ……」


 シャァァァアアア……ドゴッ!

 ヒュッ……ドドッ!

 シャァァァアアア……ガンッ!


『15ポイントのステータスポイントを獲得しました』


『メインクエスト 第二章 完』


 今度は遠距離攻撃のナミとおじいさんがゴンゴビを仕留めた。


 それを見たつむぎたちは驚いた。


「え、おわり?」

「うそ!」

「ひろじいちゃん、すごい」


 ベンドレは驚くつむぎたちに言った。


「これで、船に乗ることができますよ」


「やった!」

「すごい!」

「船だね!」


 つむぎたち3人は喜んでみんなにお礼をすると、ベンドレに連れられて町の奥にある船へと向かった。


 ◆


 みんなが船にたどり着くと、ナミが船乗りのプンペに行き先を指示した。


(はす)をとりにぃくから、ワンタイにぃきたい」


「はいよっ! じゃあ乗ってくれ!」


「ぅん」


 みんなはそれを聞いて船に乗り込むと、船乗りのプンペは船を出航させた。


 ザザザザザザァァ……


 初めて船に乗ったつむぎたち3人は喜びながら船首のほうへ行って景色を眺めた。


「すごいね! 海きれい」

「ほんとだね」

「これで、色々なところに行けるね」


 おじいさんは嬉しそうにしている3人を眺めると、ベンドレとナミにお礼をした。


「ベンドレさん、ナミさん、つむぎちゃんたちのためにありがとうございます」


「いえいえ、ひろしさんのためなら」

「ぅぅん、ぁたし誘ったから」

「キュゥキュゥ」


 おじいさんは2人とアルマジロに頭を下げた。



 船はしばらく海を進むと、ワンタイの港に入港した。


 そして、おじいさんたちは船から降りると、おじいさんは立ち止まって思い出したように呟いた。


「そういえば、前にここで小籠包とトウファ……? を食べたなぁ」


 それを聞いたつむぎは嬉しそうにおじいさんに尋ねた。


「ひろじいちゃん、どこ? わたしも豆花(トウファ)食べたい!」


「ええと……、どこだったか……」


 おじいさんが困っているとナミが助けてくれた。


「こっち。ワンタイ茶楼」


 ナミは道の先を指差すと、おじいさんたちを連れてワンタイ茶楼へと案内した。



 おじいさんたちは(しばら)く歩いてワンタイ茶楼に到着すると、つむぎたちと一緒に店内へ入っていった。


 そして案内された席につくと、一番最後に座ったベンドレがメニューを見ているみんなに言った。


「みなさん、お金は私がお支払いしますから、好きなものを好きなだけ食べてくださいね」


「ぁりがとぅ」

「キュゥキュゥ」


 ナミとアルマジロは即答したが、つむぎたちは困惑していた。


 困惑するつむぎたちを見たベンドレは笑顔を見せて3人に言った。


「大丈夫です。5億プクナ持っているので」


「「ええっ!!」」


「じゃ、じゃあ、おねがいします」

「ありがとうございます」

「いただきます」


 みんなは小籠包とデザートの豆花(とうふぁ)を頼むと、つむぎはナミに気になっていた事を聞いた。


「ナミさんもフィールド生物とか花を集めているんですね」


「ぅん。さいしょは、毒虫と痺れ虫さがしてた」


「あ、毒の粉と痺れ粉を作る虫ですね」


「ぅん。そうしたら、きれいな花があるのに気づいて、ひろってた」


「そうなんですね。オオムラサキはどうやって捕まえたんですか?」


「手にとまってた」


「え、ええ? あのレア蝶々が!?」


「ぅん」


 つむぎは、今度レアな蝶々を見つけたら手を差し出してジッとしてみようと思った。


 すると何かを調べていたミッチが、つむぎとChocoに言った。


「ねぇみんな、蓮の花を植えるには池を作らないとだめみたい。素材屋さんに行かないと」


「素材は何?」


「えっと、まず穴を掘るシャベルと水を運ぶバケツが必要みたい。あと(くい)と……」


「え、すごい、池を掘って作るんだ」


「そうみたい。面白そうだね」


「うん! え、どんな形にする?」


 つむぎたちが池の形の話で盛り上がっていると、小籠包と豆花(とうふぁ)がやってきた。


 そしてみんなの前に置かれて食べる準備が整うと、つむぎたちとナミはベンドレにお礼をした。


「ベンドレさん、いただきます」

「ありがとうございます」

「いただきます」

「ぃただきます」


「あ、いえいえ、どうぞ召し上がってください」


 ベンドレが少し照れながら答えると、つむぎたちは笑顔になって豆花(とうふぁ)を手に持った。


「「いただきます」」


「あ、おいし!」

「ほんとだ」

「コンビニのとは違うね」


「「はははは」」


 ベンドレは嬉しそうに豆花(とうふぁ)を楽しんでいるつむぎたちを眺めながらおじいさんに言った。


「ひろしさん、何でしょう、こうやって若い子たちが楽しそうにしているのを見ると、穏やかな気持ちになりますね」


「ははは、そうですね」


「本当に昨日までの自分は、何か悪いモノに取り()かれていたようでした」


「それはきっと一緒に居た仲間ですね。悪意のある人たちと一緒にいれば悪意を持ちますから。その親分ともなれば。ははは」


「そうですね。人は周りにいる人間で変わりますね。現実世界でも変えていかないと……」


 おじいさんはベンドレを見ながら優しい笑顔を浮かべた。


 おじいさんたちはゆっくりと食事を楽しんでからワンタイ茶楼を出ると、ネットで調べた(はす)の群生地へと向かった。

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