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ひろし、レアな花を見る

 そのころアカネが待っているG区画の家に、イリューシュと黒ちゃんがやってきた。


「こんにちはアカネさん」

「アカネ、待たせたな」


「あ! イリューシュさん、黒ちゃん!」


 アカネは寝転がっていたソファから跳び起きると、あわててドラゴン大福の箱を後ろに隠した。


「ふふふ、アカネさん、ドラゴン大福は自由に食べて良いんですよ」


「アカネ、また買ってくるから、いくらでも食べてくれ」


「え? あ、バレてたか、ははは。いやぁ、あまりにもヒマだったからさぁ……。なんか食べたくなっちゃって」


 するとその時、おじいさんが玄関の扉を開けた。


「こんにちは、みなさん」


「こんにちは」

「こにちは、ひろしさん」


 アカネはおじいさんに気づくと笑顔で尋ねた。


「じいちゃん、お孫さんは?」


「あ、はい。紹介させてもらっても良いでしょうか」


 それを聞いたイリューシュは笑顔で答えた。


「もちろんですよ、ひろしさん。お孫さんは外ですか? この家に入る権限を差し上げますね」


 イリューシュはそう言って玄関の外へ出ると、恥ずかしそうに下を向いている孫のつむぎが立っていた。


「こ……、こ、こんにちは。孫のつむぎです」


「こんにちは。わたしはイリューシュです。ひろしさんのお孫さんですね」


「は、はい……」


「つむぎさん。権限を差し上げましたので、どうぞ中へ入ってくださいね」


「え、いいんですか?」


「ええ、もちろんですよ。ひろしさんのお孫さんですもの」


 それを聞いたつむぎは少し笑顔になって答えた。


「ありがとうございます」


 つむぎは一礼すると、イリューシュと一緒に家の中へ入った。



 中に入るとアカネと黒ちゃんが笑顔でつむぎを迎えた。


「こんちは! あたしアカネ!」


「こんにちは、はじめまして。わたしは……えっと、黒ちゃんと呼ばれています。よろしくおねがいします」


 つむぎは緊張した表情で頭を下げた。 


「アカネさん、黒ちゃんさん。よろしくおねがいします」


 それを見たアカネと黒ちゃんも一緒に頭を下げた。


 アカネは頭を上げると、つむぎを見ながら言った。


「それにしても、じいちゃんのお孫さんかわいいなぁ」


 それを聞いたつむぎは、少し笑顔になった。


「つむぎちゃん、いま何歳?」


 アカネがつむぎに尋ねると、つむぎは恥ずかしそうに答えた。


「あ、15歳、高1です」


「そうなんだ、あたし高2なんだけど先輩とか気にしないで何でも話しかけてね!」


「あ、ありがとうございます」


 つむぎは嬉しそうに(うなず)いた。


 すると、おじいさんがイリューシュに尋ねた。


「あの、つむぎちゃんから綺麗な花をもらったのですが、どこかに飾っても良いでしょうか」


 それを聞いたイリューシュは表情を明るくして答えた。


「あら、お花、いいですね! よかったらテーブルの上はどうですか?」


 イリューシュはそう言うと、テーブルの上に美しい鉢植えを出現させた。


「ひろしさん、この鉢植えのところにアイテムのお花を置くと飾れるんです」


「あぁ、なるほど」


 おじいさんはアイテム欄から、つむぎに貰った花を選択して、鉢植えのところに出現させた。


 ポン!


 すると、鉢植えに綺麗な赤い花が出現した。


「「おおーーー!」」


 みんなが喜ぶと、つむぎも嬉しそうに笑った。


 するとその時、玄関の外から声がした。


「こ……、こんにちは。ベンドレです」


 それを聞いたイリューシュは玄関へ行って扉を開けた。


「ベンドレさん、いらっしゃい。お誘いメッセージを読んで頂けたんですね」


 イリューシュはベンドレに家の権限を与えると中に迎え入れた。


 家に入ったベンドレはシンプルな甲冑に身を包んでいて昨日とはだいぶ違う印象だった。


 ベンドレを見たアカネと黒ちゃんはベンドレに挨拶した。


「こんちは、ベンちゃん!」

「こんにちは、ベンドレさん」


「すみません。イリューシュからお誘いのメッセージを頂きまして、おこがましくも来てしまいました。宜しくお願い致します」


 おじいさんはベンドレに孫のつむぎを紹介した。


「ベンドレさん、こんにちは。この子は、わたしの孫のつむぎです」


「あ、つむぎです、こんにちは」


「こんにちは、ひろしさん。はじめまして、つむぎさん。ベンドレです。ひろしさんには大変お世話になっています。何かお手伝いできることがあれば何でも言ってください。何でも致します」


「え、あ、は、はい……、ありがとうございます」


 ベンドレが深々と頭を下げると、つむぎは少し困ったように下を向いた。


 すると、おじいさんが思い出したようにつむぎに尋ねた。


「そうだ、つむぎちゃん。つむぎちゃんの花畑をみなさんに見せてあげる事はできるかい?」


「え? う、うん。ちょっと待って、友達に聞いてみる」


 つむぎは嬉しそうにすると、おじいさんがみんなに花畑の事を話した。


「つむぎちゃんは秘密の場所に花畑を作っていて、とっても綺麗なんですよ」


「お花畑ですか? 見せてもらってもいいんですか?」

「花畑あるの?」

「おぉ、いいですね」

「お孫さんの花畑、是非見てみたいです」


 つむぎはメッセージを確認すると嬉しそうにおじいさんに言った。


「友達も見ていいって! みんなも今花畑にいるって!」


 それを聞いたみんなは、つむぎと一緒に秘密の花畑に向かった。



 花畑に向かう途中、つむぎはみんなに花の話をした。


「花畑に、ゴールデン・リリーっていうレアな花が咲きそうなんです」


 それを聞いたイリューシュは驚いた。


「確かそれは、交配で作るレアな品種……」


「はい、とってもレアで2%の確率なんです」


「素晴らしいですね! 今までたくさんの花を見てきましたが、ゴールデン・リリーは見たこと無いんです。とっても楽しみです!」


 それを聞いたつむぎは嬉しそう笑った。



 花の話をしているうちに、つむぎは花畑の入り口に到着した。


 すると、2人の女の子が迎えてくれた。


 つむぎは2人に手を振って駆け寄ると、おじいさんたちを紹介した。


「Choco! ミッチ! ひろじいちゃんと、お友達のみなさん」


 それを聞いた、おじいさんたちは2人に挨拶をした。


「ひろしです」

「あたしアカネ。よろしくね!」

「黒ちゃんと呼ばれています。よろしくおねがいします」

「イリューシュです。宜しくお願いします」

「ベンドレです」


「あ、Chocoです」

「ミッチです」


 みんなはお互いに頭を下げると、一緒に秘密の花畑に入っていった。


「「おおーーーー!!」」


 そこには全員が思わず声を漏らすほど、カラフルで美しい花畑があった。


 ミッチが花畑の通路を案内すると、花畑の中央あたりに一際輝く花があった。


 ミッチはそれを指差すと、みんなに花を紹介した。


「これは、ゴールデン・リリーのつぼみです。レアな花なんです」


 ミッチがそう言った瞬間、なんとゴールデン・リリーの(つぼみ)が膨らみ始めた。


「「あっ!」」


 つむぎたちが驚くと、どんどん(つぼみ)は大きくなっていった。


 アカネは光輝くゴールデン・リリーの(つぼみ)を見て思わず声をあげた。


「すげー、光ってる!」


 イリューシュも驚きながら声を漏らした。


「どんどん花びらが開いて……」


 ふわっ……


 なんと、ゴールデン・リリーの花が光り輝きながら開いた。


「「やった!」」


 つむぎたちが喜ぶと、おじいさんたちも一緒に喜んだ。


「きれいですね!」

「すげーな! めっちゃきれい!」

「すごいなぁ、つむぎちゃん」

「こんなに美しい花は初めて見た」

「初めて見ました。美しい」


 つむぎと友達は喜んで写真を撮り、ミッチは自分のSNSに写真を投稿した。


 すると、どんどんイイネがついていった。


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