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続・VRおじいちゃん ~ひろしの大冒険~  作者: オイシイオコメ
老兵は消えず、ただ戦うのみ
16/29

哲夫、突撃

 その頃マユ隊は山頂にたどり着き、魔法使いたちと戦闘になっていた。


 しかし無数に取り囲む魔法陣を防御するのに手一杯になり、なかなか攻め込めなかった。


「マユさん! あぶない!」


 おばあさんがそう叫ぶと、マユの背後に巨大な魔法陣ができていた。


「あっ!」


 ロビとメイと黒猫は前方の攻撃を防御していて手が回らなかった。


 メイはマユに叫んだ。


「ごめんマユ! いま行けない!!」


「わかった!」


 マユは振り向くと大きな盾の後に必死に身を隠した。


 するとその瞬間、魔法陣から巨大な炎が吹き出された。


 ブォォオオオオ!!


「やば! これやば!」


 マユのHPは盾で防いでいるにもかかわらず、どんどん減っていった。


 それを見た和代は軍神零式に言った。


「軍神さん! マユさんを守って!」


「……?」


 軍神零式は守るというプログラムが無かった。


 それを見た哲夫がマユに叫んだ。


「マユさん、全回復薬を!」


「あ、そっか!」


 マユは全回復薬を飲み続けた。


 そこへゆぅが走り込んできて小さい盾を前に出し、マユの前に入った。


「ゆぅさん!」


「少しは……、耐えられるから。頑張って」


 ゆぅは笑顔で答えると、マユは(うなず)いて全回復薬を飲み続けた。


 和代の零式はその姿を見ていた。



 ブゥゥォォォオオオン


 その時、空に巨大な4つの魔法陣が現れた。


 それを見たロビは驚いて叫んだ。


「危ない! あれを受けたら全滅です! バラバラに逃げましょう! 全滅だけは避けられるはずです!」


「「わーーー」」


 それを聞いたマユたちはバラバラになって逃げていった。


 おばあさんは走りながら抱えている小さいドラちゃんに声をかけた。


「ドラちゃん! ドラちゃん起きて!」


 しかし、ドラちゃんが起きる気配は無かった。


 そんな中、哲夫は一直線に魔法使いたちに向かって走っていっていた。


 魔法使いたちに走っていく哲夫を見た和代は、おどろいて哲夫に叫んだ。


「哲夫さん! 危ないわよ!」


「やられてばかりはいられないからな! 大丈夫、わたしが居なくても戦力は問題ない! 足止めくらいは!」


「哲夫さん、そんな!」


 魔法使いたちは最高魔法の長い詠唱中で、向かってくる哲夫に何も出来なかった。


「これでもくらえ!」


 哲夫は豪炎の壺と氷結の壺をあるだけ投げつけた。


 ガシャン ガシャン ガシャン ガシャン ガシャン……


 しかし、魔法使いたちは防御力が高いうえに物理攻撃を軽減する結界を張っていて、魔法使いたちはそのまま詠唱を続けた。


「くそう! まだまだ!! やぁー!」


 哲夫は刀で魔法使いたちの内の1人を斬りつけた。


 しかし攻撃虚しく、空の4つの異なる属性の魔法陣は合わさって1つの大きな塊になり大きな光を放ち始めた。


 刀で斬りつける哲夫の姿を見た和代は、慌てて軍神零式を向かわせた。


「軍神さん! おねがい!」


「ウォォォオオオ!」


 和代の零式はジェットエンジンを点火して、一気に哲夫が攻撃している魔法使いへ突撃した。


 ゴォォォオオオ!!


 ドガン!!


「っつ!」


 魔法使いの1人は零式のタックルをまともに食らい、一瞬、敵の魔法陣が揺らいで少しだけ小さく収縮した。


 しかし、タックルを食らった魔法使いは、すぐに立ち上がって詠唱を続けた。


 哲夫もすぐさま魔法使いを斬りつけたが、敵の魔法陣は再び大きく膨らんでゆき、再び大きな光を放ち始めた。


 マユ隊のメンバーはそれを見ると、危険を感じて走ってできるだけ距離を取った。


 そして、マユは大きな盾の後ろに、


 メイは必死に防御魔法を、


 おばあさんは黒猫の防御魔法の後ろに、


 ロビはミツを守りながら防御魔法を、


 ゆぅは小さな盾を前に出した。


 するとなんと、和代の零式は和代の前に立ち、斧でガードの構えをとった。


「軍神さん!」


 和代は自分を守りに来た軍神に驚くと、和代の顔の横を何かが通り抜けた。


 ヒュッ!!


「えっ!?」


 ドドドッ!!


 なんとマユ隊に追いついたナミが矢を放ち、哲夫がしつこく斬りつけている魔法使いにヘッドショットを決めた。


「く……くそぅ……」


 魔法使いはとうとうHPを無くしてしまい、消滅していった。


 シュゥゥゥゥ……


 すると膨らんだ魔法陣は小さく収縮して3つに別れると、炎、氷、雷の最高魔法に変わった。


「「わーー!」」


 おばあさんたちは、それでも必死に魔法に耐える準備をした。


 しかしその時、哲夫はあることに気がついた。


「魔法使いだって声が出せなければ……」


 哲夫は急いで毒の粉を出現させると、勢いよく魔法使いたちに投げつけた。


「これで、どうだ!」


 ブワッ!


「うっ、ゲホッ、ゲホッ」

「ゴホッ、ゴホッ!」

「く、こいつ!」


 すると、毒の粉を吸い込まなかった炎の魔法使いだけが最高魔法をキャンセルして、哲夫に杖を向けた。


「雑魚が調子に乗りやがって!」


 魔法使いは素早く詠唱をすると、大きな魔法陣から炎が吹き出した。


 ブォォォオオオ!


 しかし哲夫は炎を食らいながら魔法使いを斬りつけると、高笑いをしながら魔法使いに言った。

 

「はっはっは! こんな老いぼれを相手してる暇はありましたかな?」


 哲夫はそう言い残すと、そのまま消滅していった。


 その時、炎の魔法使いは背後から迫る風切音を聞いて振り向くと、


 ドドドッ


「ぐあっ!」


 そこへナミが放った矢が見事に命中した。


「くそっ!」


 炎の魔法使いは再び杖を構えたが、次の瞬間、


 ドゴォォオオ!


「うわぁああ!」


 和代の零式がジェットエンジンを点火して炎の魔法使いにタックルを食らわせた。


 そして零式は炎の魔法使いにタックルを食らわせたまま飛んでゆき、魔法使いを崖から突き落とした。


「う、うわぁぁあああ!」


 炎の魔法使いは地面に転落し、転落ダメージで消滅していった。



 雷の魔法使いは仲間が次々と仕留められていく様子を見て狼狽(うろた)えていると、


 ドスッ


「へ?」


 ミツの槍が雷の魔法使いの腹を貫通した。


「う、うわぁぁ!」


 雷の魔法使いは急激にHPが減ったのを見て恐怖に顔を歪めた。



 残りの氷の魔法使いは劣勢になったと感じると、なんと山の(がけ)側にある狭い道を下って逃げ出した。


「くそ、やられるのは御免(ごめん)だ! こっちはステータスポイント()()んでんだ!」


 魔法使いか狭い道を下っていると、なぜか道の真ん中に一匹のアルマジロがいた。


「え? アル……マジロ?」


「キュキュキュキュ!!」


 ガキン!


「うぶっ!」


 アルマジロがまん丸になって氷の魔法使いにとび込むと、


 ヒュッ、ドドドッ!

 ヒュッ、ドドドッ!


 背後からナミの矢が刺さり、


「やーー!」


 ズバッ ズバッ ズバッ

 スパン!


 マユとゆぅが斬りつけ、


「凍てつく氷の女神たちよ、我に冷血なる力を与えたまえ。凍る六花の結晶をもって嘆願する。あの者に絶対零度の裁きを!」


 キー……ン

 ドガガガガン!


 おばあさんの氷の魔法がトドメを刺した。


「こ……、氷の魔法使いが、氷の魔法でトドメを刺されるなん……て」


 氷の魔法使いは消滅していった。


「やった!」

「たおした!」

「まだ1人残ってる」


「行こう!」

「ぅん」

「行きましょう!」


 みんなはミツが戦っている山の上に急いで戻ると、ちょうどミツがトドメを刺して魔法使いが消滅していくところだった。


 ミツは魔法使いが消滅した事を確認して槍を背中に仕舞うと静かに笑顔になった。


 それを見たマユ隊のメンバーは跳び上がって喜んだ。


「「やったー!」」


 マユは喜びながら山口のボイスチャットに繋いだ。


「こちらマユ隊! 山の上の魔法使いを全員倒しました!」


「おお、素晴らしい! 貴重な勝利ですよ!」


 それを聞いた山口が全分隊のボイスチャットに繋いだ。


「マユ隊が西南西の山を制圧しました!」


「おおーー!」

「お疲れ様!」

「すごい!」

「やりましたね!!」

「お疲れさまでした!」


「これより残りの敵の兵を追い込みます! もう一息ですよ!」


「「はい!」」


 するとその時、和代が目に涙を浮かべながらトボトボと歩いてきた。


 それに気がついた、おばあさんは和代に声をかけた。


「和代さん、どうしたんですか」


「哲夫さんが……」


 和代の言葉で、みんなは哲夫が居ないことに気がついた。


 するとその時、マユ隊のグループチャットに哲夫からメッセージが来た。


 ーーーーーーーーー

 哲夫:やってやりましたぞ! あとは任せました!

 ーーーーーーーーー


 みんなはメッセージを見て少し笑顔になると、みんなで哲夫に返信した。


 ーーーーーーーーー

 ナミ:哲夫さん居なかったら、みんなやられてた


 マユ:哲夫さん、ありがとう!


 メイ:助かりました!


 洋子:本当に助かりました!


 和代:素敵でしたよ哲夫さん


 ロビ:素晴らしいご活躍、感謝いたします!


 ミツ:かっこいいです


 ゆぅ:すごいです


 哲夫:みなさんの吉報(きっぽう)をお待ちしてますよ!

 ーーーーーーーーーー


 みんなは返信し終わると、準備を整えて山を下りていった。

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