大和魂だ!
キーン コーン カーン コーン……
先生の話が終わってクラスが解散になったところで、メイが前の席に座った女の子に話しかけた。
「ねぇ、わたし芽衣。あなたは?」
「あ、え、わたし麻由」
「よろしくマユ! ってか、猫いるんだね、この学校」
「うん。中庭に寝転がってたからお腹撫でてたら、いつの間にか時間経ってて。はは」
するとマユの側にいたナミが口を開いた。
「ねこ、見たぃ」
メイはそれを聞くと笑顔になって答えた。
「いいね! ねぇ、みんなで猫見に行かない? あ、そうだ。この子はナミ。今日友達になったんだ」
メイがマユにナミを紹介すると、ナミは恥ずかしそうに頭を下げた。
「ょろしく」
「あ、こちらこそ、よろしく!」
メイはそれを見てスマホを取り出すと、QRコードを出して2人に言った。
「ねぇ、みんなでラーイン交換しようよ!」
「うん」
「ぅん」
ー ピンデチのお店 ー
マユの話を聞き終えたおばあさんは笑顔でマユに言った。
「まぁまぁ、それでみなさん仲良くなったんですね」
「うん」
「ぅん」
「このゲームもメイがやろうって言ってくれたんだ。メイには、ほんと感謝だよ」
ー ヤームの街 ー
「くしゅん!」
メイがくしゃみをすると黒ちゃんがメイに言った。
「どなたかが噂をしているかもしれませんね」
「ははは、ネタにされてるかも」
それを聞いたアーボンもメイに言った。
「おいおい、ネタにされてるのは俺だろ~」
「あ、そっか! ははは」
「まぁでも、なんかネタにされるのも嬉しいんだけどな」
「え、ツンデレ!?」
「「はははははは」」
3人が笑って歩いてると、遠くから女性の怖がる声が聞こえた。
「Stop it! No! (やめて! だめ!)」
するとメイが近くの墓地に人影を見つけてみんなに言った。
「ちょっ、お墓のところに怖がってる人がいる! 行こう!」
「おう!」
「うっす!」
タッタッタッタッタッタッ……
ザザァッ!
3人が墓地に入ると、ロングコートを着た細身の男性が女性に斧を振り上げていた。
「あ! ちょっ、やば!」
ブゥー……ン
メイが防御魔法陣を展開して女性を守ると、細身の男性は手を止めてメイたちに言った。
「Beasts all over the shop. You'll be one of them……. Sooner or later…….(そこらじゅう獣たちだらけだ。お前も遅かれ早かれ、その1人になる)」
それを聞いた黒ちゃんは欅の棒と盾を装備すると、ニヤリと笑って細身の男性に言った。
「You’re already one of them huh? (はっ。お前もすでに、その1人だろう?)」
「Correct. I'm Coigne. (その通りだ。おれはコイン)」
コイン神父はそう言うと、斧を構えた。
メイとアーボンは英語が分からずキョロキョロしていると、黒ちゃんが2人に言った。
「この男性はコイン神父! 司教になるための封書を渡す相手のようです!」
「え、やば! じゃあ、あの女の人はビオリさん!?」
「ええっ、こいつに封書渡すのか? ってか読んでくれんの? 目イッちゃってんだけど!」
メイは急いで女性の元へ走って庇うと、アーボンは剣を抜いて黒ちゃんの横に並んだ。
黒ちゃんはアイテム欄から封書を取り出すと、手に持ってコイン神父に見せながら言った。
「This letter is from the cathedral in Estonrelt. (この封書はエストンレルトの大聖堂からだ)」
「Ahh, I know. Open it. (あぁ知っている。開けてみろ)」
「What!?(なんだって!?)」
黒ちゃんは封書を開けると、なんと中には一本の注射器が入っていた。
「なっ! 注射器!」
黒ちゃんが驚いているとコイン神父は黒ちゃんたちに向かって歩きながら斧を構え、黒ちゃんに言った。
「Defeat me and inject it to me. ……If you can. (おれを倒して、その注射をおれに打て。……できるならな)」
アーボンは近づいてくるコイン神父にビビリながら黒ちゃんに聞いた。
「あ、あいつ、なんて言ってんだ?」
「彼を倒して注射を打てば良いようです。やりましょう」
「お、おう! わかった」
黒ちゃんはメイのほうを見るとメイにも言った。
「メイさん、その女性をお願いします」
「わかった! 防御魔法も頑張るね!」
「ありがとうございます、お願いします」
「まかして!」
メイが返事をしたその瞬間、コイン神父は斧を素早く振りかぶってアーボンと黒ちゃんに襲いかかった。
ブンッ!
ガキン!!!
しかし、黒ちゃんはそれを盾で吹き飛ばすと、欅の棒を振りかぶってコイン神父の頭を狙った。
「おぉおおりゃぁぁああああ!!」
パァン!!
しかしその時、コイン神父はコートに隠していたショットガンで黒ちゃんを撃ち抜いた。
「なっ! Shotgun!」
「あっ!」
「黒ちゃんさん!」
ズザァァ……
黒ちゃんは大きく吹き飛ばされて、地面に転がると、コイン神父は走り込んで黒ちゃんにトドメを刺しにいった。
「Good bye!!(さよならだ!)」
ブンッ!
コイン神父が斧を振りかぶると、アーボンが横から飛び出した。
「させるか!!」
ガキン!
アーボンはコイン神父の斧を両手剣で受けて攻撃を止めた。
「ははっ! 見たか、大和魂だ!!」
しかしコイン神父はニヤリと笑うとショットガンを構えて引き金を引いた。
パァン!!
「わっ!!」
アーボンも吹き飛ばされると大きくHPを減らして地面に転がった。




