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猫!?

 その頃、店番をしていたマユとナミとおばあさんはメイの投稿を見ていた。


 ーーーーーーーーーーーー

(黒ちゃんがタックルで吹き飛ばしたアーボンを引っ張り上げる画像)


「お、おい。もう少しで撲殺(ぼくさつ)するところだったぞっ……」


「ぼ……、撲殺紳士(ぼくさつしんし)さまっ……」


 #撲殺紳士 #ザ・フラウ #BL

 ーーーーーーーーーーーー


「ちょっ! ハッシュタグBLなんだけど」

「アーボン、なかなかゃる」

「あら、黒ちゃんさんも行っているのね」


「あ、次の投稿も来た」


 マユがそう言うと、みんなで次の投稿を開いた。


 ーーーーーーーーーーーー

(黒ちゃんとアーボンが勇ましくゾンビを蹴散(けち)らす画像)


「あははははは」

「うふふふふふ」


 #BL #撲殺紳士 #ザ・フラウ

 ーーーーーーーーーーーー


「って、ハッシュタグ!」

「アーボンBL」

「まぁまぁ、すごい戦いみたいね」


 するとマユがナミに言った。


「やっぱメイが居るところには笑いがあるよね」


「ぅん」


「そういえば、高校で最初に声かけてくれたのメイだったなぁ」


「ゎたしも。メイぃなかったら、ゎたしたち会ってなかった」


「だね。ははは」


 それを聞いたおばあさんはマユに尋ねた。


「あらメイさんが?」


「え、ははは。メイと会ったのは入学式だったんだけど……」



 ー 2年前 ー


「うわわわわ! 入学式、間に合わない!」


 タッタッタッタッ!


 メイは入学が決まった高校に向かって猛ダッシュをしていた。


「おかしいな、なんでだろ。ちゃんと9時に駅に着いたのになんで? Googieマップ壊れた?」


 メイは走り疲れて一旦(いったん)立ち止まると、スマホを取り出してGoogieマップを確認した。


「あ、やば! チャリ設定になってた! チャリ(なみ)に高校まで走らないと間に合わないじゃん!」


 するとその時、メイは近くでスマホを持ちながらキョロキョロしている女の子を見つけた。


 メイはその女の子が同じ高校の制服を着ているのに気づいて走っていった。


「こんにちはー!」


「ぁ、……こ、……んにちわ」


「制服一緒ってことは、同じ高校だよね。新入生?」


「ぅん……」


「じゃあ一緒に急ごう! 入学式始まっちゃうよ!」


「ぅ、ぅん……」


 メイはその女の子がGoogieマップを開いていたので覗き込んだ。


「ちょっ! (くるま)設定になってるじゃん!」


「ぇ? くるま?」


「そのルートじゃ遠回りになっちゃうよ。こっち!」


「ぅん」


 タッタッタッタッ!


 メイは女の子と一緒に走り出すと、走りながら女の子に自己紹介をした。


「あ! わたし、芽衣(めい)! あなたは?」


「ぁ、ゎたし奈美(なみ)


「よろしくねナミ!」


「ぅ、ぅん。よろしく……メイ」


 タッタッタッタッ……


 こうしてメイはナミと出会ったのだった。



 ー 入学式会場 ー


 メイとナミはしばらく走ると、なんとか入学式が始まる前に高校に辿り着いた。


「はぁっ! はぁっ! 間に合ったね!」


「ぅん……。ょかった……。ぁりがとぅ。ふぅ、ふぅ」


「じゃあ、体育館にいこう」


「ぅん」


 メイとナミは一緒に校門をくぐり、会場の体育館へと向かった。



 体育館の前の掲示板にはクラス表が掲示されていて、それを見た2人は笑顔になった。


「あ、3組だよね! 一緒じゃん!」


「ぅん」


「よかったぁ。わたし、お父さんもお母さんも仕事で来れなくて1人ぼっちかと思ってて」


「ゎたしも1人」


「え、そうなの?」


「ぅん。ゎたし、ぉじいちゃんとぉばあちゃんと住んでる。でも2人ともぁんまり歩けない」


「そうなんだ。じゃあさ、わたしがいっぱいナミの写真撮るよ! ナミのおじいちゃんとおばあちゃんに見せてあげようよ!」


「ぃぃの?」


「もちろんだよ! お、いい笑顔出たよー。いいねーいいねー!」


 カシャッ!


「じゃあ、今度は一緒に撮ろ!」


「ぅ、ぅん」


 メイはナミの写真を撮ると今度は笑顔で並んで一緒に自撮りをした。


 ◆


 ザワザワ、ザワザワザワザワ……


 入学式が終わってクラスに分かれると、メイとナミは席に着いて驚いた。


「すごっ、名前近かったんだ。ナミすぐ後ろだね」


「ぅん」


「あ、そういえば中学って、どこ?」


「女学院中学校」


「え? 女ガク……、やば、知らないかも。え、このへん?」


「ぅぅん。ちょっと遠い。都内」


「へぇぇ、遠い中学に行ってたの?」


「ぅん。でも高校は家にちかい高校にした。ぉじいちゃんとぉばあちゃんが心配だから」


「そっか。ナミは優しいんだね」


「ぇ? ぅぅん。ぉじいちゃんとぉばあちゃんがすきだから」


「だよね。わたしも大好き。でも北海道だからあんまり会えないんだよね」


「ほっかぃどう? すごぃ!」


「え、すごいの?」


「ぅん。ぉいしぃ食べ物がたくさんぁるって、ぉじいちゃん言ってた」


「あ、まじ、それ! 北海道の食べ物ってさぁ、なんでも美味しいの!」


「ぇ、ほんとに」


「いつか一緒におじいちゃん家に行こうよ!」


「……ぅん。でも……」


「あ、そっか。おじいちゃんとおばあちゃんが心配なんだよね。じゃあさ、たくさんお土産買(みやげか)ってくるね!」


「ぅん!」


 メイとナミが笑顔で話していると、担任の先生が教壇に立って挨拶を始めた。


「はい、みなさん初めまして~。この3組を担任する武田です。今日はですねぇ~」


 ガラガラガラガラ、ガシャン!!


「なっ! なんですかぁ~!」


 担任の先生が驚くと、1人の女の子が教室に駆け込んできた。


「す、すいません! 猫と遊んでたら遅れちゃって!」


「ね、猫!?」


「「「ははははははは」」」


 教室がその女の子の言葉で笑いに包まれると、担任の先生は女の子に言った。


「早く席につきなさぁい!」


「は、はいっ! えっと……、わたしの席は……、あ、あそこか!」


 タッタッタッ


 女の子はメイの席の前に来ると、席に座ろうと慌てて椅子を引いた。


 ズズッ、ガシャン!!


「あっ!」

「わっ!」


 椅子は勢い(あま)ってメイの机にぶつかった。


「ご、ごめんなさい!」


「ははは、いいよいいよ。おちついて!」


「う、うん」


 女の子は静かに席に着くと、担任の先生の話が始まった。


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