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やるときはやる男。それが俺。

 メイとアーボンはゾンビを倒して地面にヘタり込むと、メイが笑いながらアーボンに言った。


「ヤバかったね今の。ははは」


「あ、ああ。一瞬、死を覚悟したよ……」


「でも公園(こうえん)(つぼ)が効いて良かったー」


「ゴウエンのツボな。さっきも言ったけど、公園の壺はただの不審物だから」


「そっか。ははは」


「でも助かったよ。メイちゃんが豪炎(ごうえん)(つぼ)投げてくれなかったら死んでたわ」


「え、まじ? もしかして、わたし活躍した?」


「そりゃもう、大活躍だよ! 恩人レベルで!」


「うそ、恩人? わたしが? やった!」


 メイは嬉しそうにすると手で何か操作しながらアーボンに聞いた。


「ねぇアーボンさん。さっきも写真撮ってたんだけど、これもアップしてもいい?」


「もう、おれに許可取らなくてもいいから、じゃんじゃんアップしちゃってよ。メイちゃんはおれの恩人だからな!」


「え、いいの!? やった!」


 メイは嬉しそうにアーボンの写真をアップした。



 ーーーーーーーーーーー

(アーボンがゾンビに斬りかかっていく画像)


 やるときはやる男。それが俺。


 #ザ・フラウ #やるときはやる

 ーーーーーーーーーーー


「「おおーーー!!」」


 マユとナミとおばあさんはお店でメイの投稿に声を上げていた。


「アーボンさんカッコイイ!」

「アーボン、なかなかやる」

「まぁ、やっぱり強いのね」


 するとマユがみんなに言った。


「あ、新しい投稿が……」


 ーーーーーーーーーーー

(アーボンが恐怖の表情で剣をブンブン振っている画像)


 必殺の剣を受けてみよ!


 #ザ・フラウ #必殺

 ーーーーーーーーーーー


「え、ちょっ! 顔!」

「アーボン顔が、((((;゜Д゜))))」

「だ、大丈夫だったのかしら」


「あ、また新しい投稿きた」


 ーーーーーーーーーーー

(ヘタり込んでるアーボンとメイが一緒に自撮りした画像)


 余裕の勝利!


 #ザ・フラウ #勝利

 ーーーーーーーーーーー


「はは、アーボンさん完全に顔が死んでる」

「でも、たのしそぅ」

「ええ、仲良くやってらっしゃるみたいね」


 マユたちはメイの投稿を見て笑顔になった。



 メイは投稿を終えると、アーボンと一緒に橋を降りて再び街の中を調べ始めた。


 するとその時、メイはツイッタグラムのコメント数がおかしいことに気づいた。


「え、やば! コメントすごい事になってる! あ、フォロワーやば!」


 メイが驚いていると、突然男女2人のプレイヤーが現れて挨拶してきた。


「あ、いた! こんにちはー!」

「ほんとだ、写真の人! こんにちは!」


「あ、こんにちは」

「お、おう。うっす」


 すると女性のプレイヤーがアーボンに言った。


「写真めっちゃ良かったです! わたしも写真撮っていいですか?」


「え、おれ? かまわないけど、おれだよ?」


「はい! 撮らせてください」


「え、なんか面白い事したほうがいい?」


「え! いいんですか!?」


 アーボンは辺りを見回すと一緒に来ていた男性プレイヤーに言った。


「あ、じゃあ君さぁ、その魔法の杖でおれの頭叩いてよ。そしたら面白んじゃね?」


「え、まじすか! いいんすか!?」


「いいよいいよ、なんかおれも面白くなってきたよ。ははは」


 するとなんと、メイのツイッタグラムの投稿を見たプレイヤーたちが場所を特定して次々とやってきた。


「こんにちはー!」

「あ、本物のアーボンだ!」

「え、なんか面白い写真撮ってる」

「あたしも撮って欲しい!」

「写真撮ってもいいですか?」


 こうして結局しばらく撮影会は続き、アーボンたちに会いに来たプレイヤーたちはたくさん写真を撮って帰っていった。



 撮影会を終えたアーボンは腕をグルグル回して肩をほぐすとメイに言った。


「いやー、びっくりだな。こんな写真撮られたの初めてだよ。みんな、ちゃんとネタになったかなぁ」


「ははは。アーボンさん、面白かったよ! 最高!」


「え、まじで?」


「うん。でもすごいね」


「すごい?」


「だって、どんなリクエストも受けてたし。最後なんてプロレス技かけられてたじゃん」


「だってプレイヤーキラーの親分だったヤツがプロレス技かけられてたら笑わない?」


「笑う!」


「だろ? もう、おれはハデスが助かっただけで幸せなんだよ」


 アーボンは少し真剣な表情になると空を見上げながら少し笑顔になって話を続けた。


「それに、写真でみなんが笑ってくれたら……、少しは罪滅ぼしもできると思うんだよね……」


 バン!

(いた)っ!!」


「ちょっ、撃たれてるんだけど!」


「くそっ、あのゾンビ、人がいい話してる時に! 覚悟しろ!」


 こうしてメイとアーボンは再びヤームの街の敵を倒しながら探索を再開した。



 その頃、黒ちゃんは家でバズっているアーボンの投稿を見つけて驚いていた。


「なんと、アーボンさんが司教のクエストをやっているとは。ん? この一緒にいる女性はメイさん……」


 メイが一緒に写っている投稿を見て、黒ちゃんは全てを悟った。


「なるほど、メイさんが司教になるのを手伝っているのだな。では、教えてあげなければ」


 黒ちゃんはメイにメッセージを書き始めた。



 その頃、街の下水道を探索していたメイに黒ちゃんからメッセージが届いた。


「あ、黒ちゃんさんからメッセージ来た。えっと……、うん……。うん……。へぇぇ。そうなんだ」


「メイちゃん、どした?」


「なんか、下水道から外にあがると、近くにある家でオルゴールもらえるんだって」


「オルゴール?」


「うん。それがあればボス戦を有利にすすめられるみたい」


「おお、そりゃ必要だな! さっきのデカいゾンビも強かったからなぁ」


「だよね」


 するとアーボンがハシゴを指さしながらメイに言った。


「っていうか、出口ってあれか?」


「あ、そうかも」


「よし、登ってみるか」


「おっけー」


 メイとアーボンはハシゴを登って地上に出た。

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