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ベンドレ、勝負を受ける

 黒ちゃんの棍棒を受けた敵の棍棒のプレイヤーは、黒ちゃんの欅の棒を弾き飛ばすと、黒ちゃんに言った。


「はっはー! 棍棒のプレイヤーに会ったのは久しぶりだ。殴り合おうぜ! ぶっ飛ばしてやるよ!」


 棍棒のプレイヤーは黒ちゃんと同じく片手に盾、片手に棍棒を持っていた。


 黒ちゃんは盾を構え直すと棍棒のプレイヤーに言った。


「望むところだ。かかってこい」


 ブンッ!!


 棍棒のプレイヤーは笑いながら黒ちゃんに突っ込むと、(ちから)いっぱい棍棒を振り下ろした。


 スッ……


 しかし黒ちゃんはそれを冷静に避けると、盾で殴りつけた。


 ガキン!


 棍棒のプレイヤーはそれを盾で受けると、前蹴りで反撃した。


「おらぁ!」

 ガッ!


「くっ!」


 棍棒のプレイヤーは黒ちゃんを後ろへ吹き飛ばすと、そのまま盾で黒ちゃんを殴りつけた。


 ガンッ!!

「やるな」


 ガンガン!


 黒ちゃんも棍棒を振り回して反撃したが、すぐに欅の棒は折れてしまった。


「折れたか!」


 黒ちゃんは欅の棒を投げ捨ててると、なんと(こぶし)で棍棒のプレイヤーの顔を殴りつけた。


「でやっ!」

 バキッ!


「うっ! てめぇ!!」


 棍棒のプレイヤーは殴られた事に(いか)ると、突然棍棒と盾を投げ捨ててて黒ちゃんに殴りかかってきた。


「おらぁ! 至近距離(しきんきょり)なら素手のほうが手っ取り早い!! ケンカしようぜ!」


「良かろう! 受けて立つ!!」


 ガランッ!


 黒ちゃんも盾を投げ捨てると、棍棒のプレイヤーと殴り合いになった。


「うぉぉぉお!」


 バチン! ドガッ! ドガッドガッ!


「はっ! ケンカなら負けねぇ!!」


 ドガッ! バキッ! ドスッ!


 スカッ!


 しかし棍棒のプレイヤーがパンチを大振りした瞬間、黒ちゃんはその(すき)を見逃さずに素早く(ふところ)へ飛び込んだ。

 

 バッ!


 そして棍棒のプレイヤーの首根っこを豪快に(つか)むと、素早く両足を払って変則的(へんそくてき)大外刈(おおそとがり)で後ろへ倒した。


「でやぁっ!!」


 ドバン!!

「ぐわっ!」


 そして黒ちゃんは素早く腕を取って腕を反らし、腕ひしぎ十字固めに持ち込んだ。


 グググググッ!

「こ、こいつ!」


「逃さんぞ!!」


「ななな! HPがどんどん減る!! こいつ!!」


 棍棒のプレイヤーは急いで新しい棍棒を手に持ったが、黒ちゃんはさらに腕を反らせた。


「ふんっ!!」


 ググググググッ!!


「ち、ちくしょう!!」


 シュゥゥウウ……


 棍棒のプレイヤーは悔しさを(にじ)ませながら消滅していった。



 その頃、アジトの奥でアーボンの手下を指揮をしていたタケチは、一緒に待機いるハデスに尋ねた。


「なぁ、ハデス。ステータスはどのくらい戻ってる?」


「すみません、まだまだです……」


「今、アーボンさんがダンジョンの外でやられてるんだ」


「本当ですかタケチ様」


「ああ、今メッセージ来た。しかも敵がけっこう強いらしい」


「私がアーボン様を守らねば……」


「いや、ハデス。アーボンさんが呼んでないだろ?」


「はい……」


「じゃあ、アーボンさんに考えがあるんだよ」


「……」


「それに、いまココから外に出るのは相当難しい」


「なぜですか」


「ベンドレさんっていうメチャクチャ強い敵が、仲間を連れてココに向かって来てる」


「なんと……」


「味方はだいぶ数を減らしてるんだ。怖いけど、おれはベンドレさんと戦ってくる。お前はアーボンさんを助けるために力を残しておいてくれ」


「タケチ様……」


「死んじゃったらゴメンな。もし僕が死んじゃったら無理してでもアーボンさんの所へ急いでてくれ」


 バンッ!


 タケチはそう言うと、アジトから走り出てベンドレの元へと向かった。


「タケチ様……」


 ハデスは静かに呟いてタケチの後ろ姿を見送った。



 タッタッタッタッタッタッ……


 タケチは急いで通路を進むと、遠目にアーボンの手下たちが戦っているのが見えてきた。


「あれか!」


 タケチはホワイトドラゴンの片手剣と盾を装備すると、先頭のベンドレに叫びながら突っ込んでいった。


「ベンドレさん! 勝負!!」


 ベンドレはその声に気づくと前に走り出てタケチに言った。


「タケチだな! その勝負受けよう!」


 ベンドレは回転しながらステップを()むと思い切りタケチの片手剣を両手剣で叩きつけた。


 ガキン!!

「うわっ!」


 タケチはあまりの一撃の重さに片手剣を弾かれると、剣を弾いたベンドレは両手剣を返して突きを放った。


 ドスッ!

「あっ!」


 ベンドレの剣はタケチの体を貫通すると、タケチは慌てて後ろに下がった。


「く、くそう! やっぱり強い! でも負けられない!!」


 タケチは顔を歪ませながら盾を前にすると、ベンドレに突っ込んでいった。


 パァン!


 しかしベンドレは盾を両手剣で軽々と弾くと、無防備になったタケチ頭に両手剣を振り下ろした。


 ブワッ!

「ひっ!」


 その時、ベンドレの視界に紫色の光が輝いた。


「っ!」


 ベンドレは即座に剣を返すと、紫色の光は一瞬でベンドレに突っ込んできた。


 ドスッ!

「くっ!」


 なんとハデスが紫色の炎を(まと)わせた(かま)でベンドレの腕を刺していた。


「ハデス!!!」


 タケチが叫ぶと、ベンドレは回転しながらハデスの鎌を引き抜いた。


 ズッ!


 ベンドレは後ろに下がって剣を構え直すと、すぐ横にいたマユがステップを踏みながらハデスに斬りかかった。


 しかしその瞬間、ゆぅがマユに叫んだ。


「だめ! マユさん!」

「え?」


 ゴッ!


 ハデスは新しく出現させた鎌の柄でマユを突いて空中に飛ばすと、そのまま鎌でマユの腹を突き刺した。


 ドスッ!

「うわっ!」


 ボワァァアアアア!


 シュゥゥゥウウ……


 そしてハデスは鎌に紫色の炎を纏わせると、マユは静かに消滅していった。


「マユさん!」


 ゆぅは一瞬で怒りの形相に変わると、恐ろしい速さでハデスに突っ込んでいった。


「うぉぉおお!」


 ズバッ! ズバズバッ!

「くっ!」


 ハデスはゆぅの猛攻(もうこう)に後ろへ下がると、ミツが両手槍の長いリーチを活かして突っ込んでいった。


 ビュッ! ブン!


「くっ! この2人、強い! この乱戦では毒の雨も使えぬか!」


 ブワァアアアア……


 ハデスはゆぅとミツの攻撃に押され、自分の体を沢山の水の粒に変えると素早くベンドレたちの陣形を通り抜けた。


 そして、ハデスは元の姿に戻ると、それを見たタケチがハデスに叫んだ。


「ハデス! アーボンさんの所へ行ってくれ! 僕はベンドレさんに勝てそうにない!」


「タケチ様……」


「いいから行け! アーボンさんを!!」


 するとその時、なんとハデスに矢が刺さった。


 ドドッ!


「矢……」


 ハデスが矢が来たほうを見ると、ナミがお母さんと一緒にハデスに走り込んでいた。


「くっ! あの獣とテイマーか!」


「マユを……、ゅるさなぃ」


「ガァァアアアア!」


 しかしハデスは後ろを向くと、戦わずにそのままダンジョンの外へ向かって走り出した。


「まって!」


 ナミは必死にハデスを追ったが、焦って陣形から飛び出したナミとお母さんは、敵の騎士たちに囲まれてしまった。


「ぅ」


「ガァアアアアア!」


 するとなんと、お母さんが口から視界が悪くなるほどの大量の火の粉を吐き出した。


 ブワァァアアアア……


 それを見た敵の騎士たちはパニックになって叫んだ。


「やべえ!! 大爆発すんぞ!」

「う、うわぁあぁ! ダンジョンでこんなに大量な火の粉!!」

「これは即死級だ!」


 そして、ベンドレたちも慌てて身構えるとロビが大声で言った。


「みなさん、ぼくの後ろに!!」


 ロビはそう言うと巨大な防御魔法陣を展開した。

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